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自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ

タイトルの言葉は、リクルート創業者の江副浩正氏によるもので、以前はリクルート社の社訓だったそうです。
仕事のための調べものをしている中でこの言葉に出会いまして、最近私の座右の銘はこれになりました。(それまでは、昔とんねるずのタカさんが言ってた「人生に無駄ヅモなし」でした。)

脚本家と聞くと、クリエイターど真ん中!というイメージを持つ方が多いと思いますし、それに伴って「映画やドラマというのは全て、脚本家が企画提案をするところからスタートしている」と思われる方も多いかと思います。
ですが実際は、脚本家はクライアントワーク的に仕事を受けることが多々あります。
具体的には、「〇〇という小説を原作とした作品/××を題材とした作品の制作が決まったので、脚本を書いてほしい」と依頼を受けるわけです。

この形で着手した作品であっても脚本家は、自分が企画提案したオリジナル作品と同様に、真摯に執筆をします。
そして、現在一般的な脚本家が置かれている状況下では、自ら積極的にオリジナル作品の制作に向けて動かなければ、高い確率で「気づけば、ずっとクライアントワーク的な作品しか書いていない……」という事態になります。
厳密に言えば、積極的な働きかけをしても尚、オリジナル作品の制作は容易なことではありません。

映画やドラマの制作に出資する人たちからすれば、小説やマンガ等の原作があり、それがヒットしているという事実は、大きな安心材料になるでしょう。
実際に原作モノがヒットするかどうかは「神のみぞ知る」ですが、「原作が〇〇万部売れてます!」と言われれば、「じゃあイケるんだろうな」という気持ちにはなりやすいでしょうね。
それを前提とすると、特別有名でもない脚本家のオリジナル作品は、企画を成立させること自体が非常に難しい、ということになります。
そして、その難しさに直面し続けることで、オリジナル作品を書けないことを「仕方がないこと」と受け止めている脚本家も少なくないのでは?とも感じています。
さらに言えば、これは脚本家の心の問題にはおさまらず、「映像制作の現場全体に漂う空気」にもなっていると感じます。

具体例を一つ挙げます。
学校名は伏せますが、とある映画制作を学ぶための学校の公式サイトを見たところ、衝撃的なことが書かれていました。
そのサイトには、映画の企画立案から上映に至るまでのフローが載っているのですが、企画立案をするのは「監督」か「プロデューサー」だと書かれており、そこに「脚本家」の名はないのです。
フロー上に脚本家が現れるのは、次のフェーズである「脚本づくり」から。
これだけを見ると、「脚本家が企画を立てることはあり得ない」「脚本家は常に、プロデューサーや監督からの発注ありきで動く存在」と読みとれてしまいます。
この学校には脚本家を目指すためのコースもあり、そういう学校が、こういった情報発信をしていることが私には本当にショックでした。

……とはいえ、傷ついてばかりいても、状況は何も変わりません。
現状打破に向けて、とにかく自分にできることをやらなくてはないけない。
広大な砂漠にゾウさんのじょうろで水を撒くようなことだとしても、やらなきゃいけない。
オリジナル作品を書くことをあきらめてはいけないのだ。
そんな思いを抱えている中で、「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」という言葉に出会いました。
読んだ瞬間、理屈抜きにハッとしました。
ハッとしたのは、私の中に「誰かが私に、思う存分オリジナル作品書けって言ってくれないかなぁ……」という気持ちがあったからだと思います。
「自ら機会を創り出す」という意識が足りていなかったということです。

昨年から私は、noteで公開中のオリジナル小説『すずシネマパラダイス』を映画化するための活動をしています。(詳しい経緯はこちら。)
おかげさまでこの企画は今、映画化に向けて前進しています。
だからこれ以外にも、「自ら機会を創り出す術」をどんどん考え、実行に移して行けばいいんですよね。
当たり前のようで、最近見失っていたことを思い出せました。
ということで今、あれこれと画策中です。

ちなみに、「自ら機会を創り出し……」という格言は、こちらのリモートドラマのためのリサーチ中に見つけまして、登場人物の座右の銘として作品内でも使っています。
10分ぐらいでサクッと見られますので、よろしければ。
こちらは私のオリジナル脚本です。

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脚本、小説のオンラインコンサルを行っていますので、よろしければ。

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