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「2020年5月4日」について

連日の日記。更新は一月以上空いているけど。先に断っておくと、この日からテイクアウト日記ではなく単なる外食日記になります。

この日は、前日に鴨を眺めながら牛丼を食べる前に目撃したラーメン屋に行きました。一月前の細かい記憶はまったくないけど、そこでの経験は未だに鮮烈に憶えており、店を出たのが4時過ぎくらいだったと思うので、おそらく前日と同じくらいに家を出ている。この日はずっと歩いていたはず。

自粛要請を気にせず営業を続けている、それも深夜まで…という時点でかなりの強者なんだけど、なんとなく、居酒屋も含め「祝日でも平気で営業していそうなツラ」というものが飲食店にはあると思っています。そして私は、そのラーメン屋さんはおそらくGWだろうが5月4日も営業しているだろう、という妙な確信があり、そこを最終目的地にして散歩に出かけました。

接近

直線距離だと1kmくらいしかないので、遠回りになるルートで向かう。あと、最短距離ルートだとお店がやっているかどうかが、結構遠くから見えてしまう位置関係にあるので、付き合いたてのカップルの初々しさをキープするべく、後ろから回り込んで「だーれだっ!」と飛び出せるルートで対象に近づきたかった。

というか、そもそも今まで入ったことがないので、まだ始まっちゃいねえのだけれど、彼(ラーメン屋さん)に見つからないようにおおきく振りかぶって近くまで来てみたらば、やはりやっている。営業していること自体が不快でならない方もいるかとは思うのだが、個人的には大したものだと思ってしまいますね。「普通(何が普通だって話だけど)やっても24時までじゃね?」みたいな。

開いてる飲食店=誰でもウェルカムではない

お店に悪印象を持ってほしいわけではないので、細かいことは書きませんが、結論から言うと、非常に冷たいあしらいを受けた。接近ときたら連続・展開と行きたいところなのですが(大西鐡之祐)、ただただしょんぼりする羽目に。

とはいえ、お店の方が悪いとも思わない。私はなんとなく、このご時世に開けている飲食店という時点で、おおっぴらには言えずとも、利用客は歓迎され、喜ばれる空気があると思ってしまっていた。しかし、そうとは限らないのだな…と。

こんな深夜までやっている時点で、一人での営業は無理な話であって、オーナー的存在がいて、店長的存在がいて(オーナー兼かもしれない)、従業員が何人かいる。

そして、特に5月上旬という時節柄、新型コロナウイルスに対するスタンス次第では、「こんな時期に営業するなんて頭がおかしい」と考える人は10人くらいピックアップすれば少なくとも一人はいるはず。つまり、このお店の従業員にそんな方がいてもまったくおかしくはない。

しかし、そんな考えの持ち主でありながらも、生活的に「働かない」という選択肢も選べなければ、頼れる実家的な場所・存在もなく、シフトを組まれたら断れない方もいるはず。そんな人が店に立っていたら、基本的に客に対して「来てくれるな」と思っても無理はないだろう。

あと、こちらの最初の入りからして最悪だった。

そこは食券機があるお店で、そこまで腹が減っていなかったので、酒をメインに頼むことでお金を落としたいと考えていた私は、まず店内に入って、店員さんに「席からメニューを見て都度注文するのは大丈夫ですか?」と聞いたのだけれど、外の券売機の脇にメニューもあるので、とすげない対応。

カゴにお金を入れておいて都度精算するタイプの立ち飲み屋でも、最後にまとめて精算してもらえるお店はあるので、そこまで無理筋の質問ではないとは思うのですが、食券機を使えば一番汚そうなお金のやり取りをしなくて済むので、雑な質問・お願いであったかもしれません。お酒を買う度に外に出る、というのがどうにもしっくりこないもので、そのような考え方も事前には気づけず。

飲み食いする

その時点で招かれざる客感が凄かったので(その後もなかなかであった)、これは1杯だけだな、と外に出てとりあえず生ビールの食券を買う。

テーブル注文でよければ、最初はサイドメニューから始めて、いけると思ったらラーメンもいってやろうかと考えていた。しかし、この後また注文することはないだろうな…と、餃子と唐揚げを買う。そんなに腹も減ってないので正直一つでいいところであったのだが、迷惑料的な考えもあり。しかし、ラーメンもそうだけど深夜に食うものではない。

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しかしまあ、それはそれとして、生ビールのありがたさよ…。こればかりは哀川翔でもない限り家飲みでは難しい。

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そして餃子(特に店名とか書いてないけど、念の為お店の特定を避ける意味で皿にぼかしを。餃子馬鹿の胃解剖図みたいな謎の写真になってますが)。すげー普通なんだけど、人がつくってくれたものが出来たてで来る、ってだけで本当にありがたい。

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続いて唐揚げ。もやしがいる。「揚げ物や肉系の小鉢・小皿メニューに生野菜とかが必ず載ってる系」の、生き急ぐ常連のオッサンらに無理やり野菜を摂らせようとする居酒屋にハズレ無し、という持論があるので嬉しくなる。傷つきつつも回復していく心(と体、と言いたいところだが確実に死に近づくものしか頼んでない)。揚げ物も家で基本やりたくないもののトップレベルですよね。ありがたみ。

まあそんなこんなで、結局満足して店を出たのですが、仕事も個人で知り合いとしか基本せず、いやいや触れ合わないといけない人が存在しない生活を送っているので、日頃ニュースではいくらでも見聞きするけど、自分が直接嫌なことを言われたりされたりする経験がほとんどない生活を送っているので、この程度でもかなり落ち込んだ。

上司から恫喝されたりすることが日常的にある方などからすれば、お話にならないレベルだとは思うのですが、自分では安定した雇用などと引き換えに自覚的に世界を構築して得ているつもりの安寧なので、なかなかの衝撃があったのです。でも、どんなに完璧で美しい生活を確立している人でも、突然理不尽な暴力に晒されて命を落とすことも普通にある。経済が落ち込めば確実に治安の悪化にも繋がるし、ちょっとナイーブすぎるな自分、と思いました。

ただ、単にナイーブに落ち込んでるのも性に合わないので、逆に「絶対に店開けてる店主が『客に来てほしい』と思ってる個人店や家族経営の店に行きまくってやる」とスイッチが入りまして、テイクアウトではなくとことんイートインで金を使ってやると思うに至ったのでした。続くかどうかはわからない。

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