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「2020年5月11日」について

ここまでの流れ。

①飲食店にできるだけお金を落としたいと思うものの、20時閉店の飲食店のテイクアウトを利用するのが生活リズム的に難しい(クレジットカードも持っていないローテク人間なので便利なツールも基本利用できず)。
②緊急事態宣言中もまったく気にせずずっと営業していたラーメン屋に行ってみて店員さんに歓迎されてない感じにダメージ受ける。
③しかし国や自治体の支援はあんまり期待できないだろう(悲しきかな半年以上経っている今でもそうですよね…)と思い、営業している空いてて清潔そうな個人店・家族経営レベルの店には普通に行くことに決める。

そして写真の日付を見る限り、ラーメン屋からちょうど1週間後の5月11日、近所の長年営業している居酒屋に行きました。近所だけれど、行ったのは多分2回めか3回め。コロナ以前は生活リズムと仕事場所の関係で近所で飲むことが非常に少ないのです。

その店は、確か営業自体は基本的にずっとしていたはず。GWの大型連休も相まって、緊急事態宣言の初めのほうは休んでいたかもしれないけど。

東京都は営業時短などの要請にはある程度の金は出している。それ自体は評価するべきだと思いますが、どうしても救える範囲に限界がある。大きな店には雀の涙だけれど、元々あまり利益が出ていないような持ち家の家族経営のような店だと、要請に応じて閉店したり、閉店時間を早めれば、その協力金で数ヶ月分の利益が得られたりもする。難しい。

で、その店も見る限り老齢の父と4・50代の息子の2人でやっている店で、緊急事態宣言中、経営的には休んだほうが多分得をできる気がします。実際、夏以降の営業時間時短については、基本的に小池知事の要請に合わせて協力金をもらっている気がする。

というか、それで全然いい。人をいっぱい使っている店、家賃が高い店には本当に気の毒だけれど、それで得できる人、生き残れる人はどんどん税金から吸い上げるべきだろう。しかし、だからこそ、5月11日にシレッと営業しているその店が気になったのでした。

営業終わり自体は平素より早め、21時か22時閉店くらいだったかと思う。正直私にはそれでも大分早いのだけれど、その日は仕事をやる気がなかったのか、早めにケリがついたのか、半年前であまり覚えていないけれども、とにかくその店を覗き込んで、結構奥に1人しか客がいなかったので入店した。

汚れた血

「不味い生ビール」というものがある。理由としては、樽のコンディションとサーバーの整備不良がある。

前者については、何気にアレは1週間以内に使い切り推奨、とかだったはずです。そして、生ビールがあまり出ない小さな店では、実は簡単にオーバーしてしまう日時だったりします。それも、大抵の店では常温で置かれている。生ビールに死ぬほどこだわっている店だと、樽がすぽっと収まる専用の冷蔵庫を使っていたりもする(電気ではなく氷で冷やす店もたしかあったような)。

とはいえ、大分常温で放置されている店でも、そこまで不味くはならない気がします。調べたことがないので適当な予想ですが、なんとなく「ふ~ん」という程度で終わるような。

そんなわけで、はっきりと「不味い!」と衝撃を受けるのは大抵サーバーの問題ではないかと推測している。細かい話は割愛しますが、私が知る限りでは生ビールサーバーの洗浄作業には、A「毎日するべき作業」とB「週1回の実施が推奨されている作業」の2つがあります。ちゃんとした店は、おそらくBも含めて毎日している。そして、適当な店はAもBも平気でまったくしないことがある気がします。

そんなお店だと、ビールが通る管、注ぎ口に付着したビールが酸化してしまいます。そして、次の注文時に、新しいビールがその腐ったビールを伴いつつ注がれるので、まあ不味いに決まっているよなという。パリッコさんと清野とおるさんのテンションを一撃で削ったこのお店もそっちタイプかなと思われます。ヤバそうな店では瓶ビール、というのはそれを避けるためであり、あと酸化したビールは飲食店で最も見たくない人が多そうなあの虫が大好きなやつなので、基本生ビールサーバーのメンテをちゃんとしていない店、というだけで地雷要素が増えることは覚えておくべき豆知識と言えるのではないでしょうか。

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で、もはや言うまでもないことかもしれないが、こいつもそうだったわけである。テーブルの端から端が2メートル以上あってむしろ「デカいな!」と感じるくらいで、「あら、久しぶりに来たけど、かなりコロナ社会に合った店じゃないの」とか思っていたのですが、コイツが…。

先週ラーメン屋で久々の生ビール自体は飲んでいたものの、「居酒屋の生ビール」はまた1つ違うステージにあるというか、期待満々で飲んだので、最初は非常に複雑な感懐がこみ上げてきた。「不味い!でも嬉しい!」みたいな。

序盤は、不味いけどありがたい、的な感覚があって、上記のようなアレコレを元飲食店アルバイトとして知っている上でも「不味いビールを飲めるのも営業している飲食店あってのもの!」とか前向きに飲んでいたのですが、5合目を超えた辺りから完全に嬉しくなくなってきた。

しかし、お店の人に文句を言ったり残したりができないタイプ(先述の某虫を見かけておしぼりの中への封殺に成功した際に、そのタイミングではなく次に何かを注文するときに、「アレをコレにアレしたので新しいおしぼりをください」という内容を他のお客さんにわからないように伝える人間こと私です)なので、非常に神妙な気分になりながら最後まで飲みました。

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とはいえ、その他焼酎系ドリンク、食べ物のコンディションは非常によかったです。料亭などの行き場を失って質の高い水産物が市場に出回っている説は本当なんだろうな、と思いました(でも今写真を見ると、この醤油は長く常温放置されている色な気もする。量が少ないとなんともですが)。この生ビールチャレンジの失敗で「ちゃんとした生を店で飲みたい!」という欲望が高まったこともあり、その後も清潔で空いていて自分的にOKそうな店であれば普通に飲みに行くというルールは2021年1月1日現在も継続中です。

ただ、自分のルールは変わっていないものの、最近は外飲みを特にしてはいません。感染増には理由があるというか。1つだけ、いつ行っても安心ではないかと個人的に思える店があり、空いてて清潔なだけでなく、普通にいい店で先月も行ったところ、忘年会シーズンでもこんなに空いているなんて…と悲しくなったりも。しんどいですね。社会のことを思えばそこにすら行かないのが正しい行いなのだろう、とも思うのですが(また思うからこそ出歩いていないけど)。

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それはそれとして、汚くてすみませんが、この皿が欲しい。

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ミスター味っ子の声真似で読んでほしい「大きいョ!!」。ちなみに、生ビール以外は問題なくいい店だと思うのですが、ある日の昼、80代だろうこの店のお父さんが店の前でタバコ吸って吸い殻排水口に捨ててるのを見たので、その後1回も行っていません。こんな「大きいョ!!」を書ける人に悪い人はいないと思いたいし、そもそも別に悪いことと思っていないんだろうけど、なんかね…。



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