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「「シカク」のメルマガとサイン本」について

note自体が久しぶりなので、本題に入る前に、ことさら出版の近況について少し記します。

今年は単行本を1冊出す予定です。

実は去年も1冊出すつもりでした。ただ、私は人に催促・督促をするのがとにかく嫌いで、しなければ動かないものはやらないでいい、という考えの持ち主です。そして、その本はまず著者が最初にやらなければいけない作業があって、かなり多忙な方なのでちっとも進まず。それなら、今はいいかと止まっているところです。多分ずっと忙しいだろう方なので、このまま陽の目を見ない可能性も正直ありそう。

一方今年のほうは、著者がその本があってほしいイベントがあり、ここまでにないといけない、という時期がある。ここのところ忙しすぎて、その本の作業は全然進んでおらず、出さなければいけないのが怖いくらいなのですが、逆に、著者が私に催促してくれたりして、どうにかならざるを得ない、みたいなところに落ち着いてくれるだろうとは予想しています。


ここから本題。

私はちゃんとしたことがとにかく苦手である。催促・督促が苦手なのも近い話かもしれない。頑張れるときに超頑張ってどうにかできるほうではあるので、長いスパンで見ると仕事はちゃんとやっているのだが、低空飛行のときはとことん低空飛行で生きている。郵便物の開封も数か月に一度なのがざらだ。

先日も、数か月ぶりに見たジャンプ+の『ディアスポレイザー』が終わっていて驚いた。たしか前に見たのは第2話だった。

「これぞ漫画!」という傑作だと思うのですが、そんなに話題になっていない気がする。読もう、コミックビームとディアスポレイザー。

今日、無事再販分を購入できたのだけれど、SAPPORO POSSEさんのZINEも、いつの間にかクラウドファンディングが終わっていた。このクラファン、書店などのお店が自店販売用のまとまった冊数を購入できるプランもあり、そうして入荷した各店の一般販売分もすぐになくなっていて、「これを読めないまま死ぬのか俺は…!」と後悔していたところでした。

でもどんなに後悔しても、SNSをつぶさにチェックするのは無理。後悔はしても反省はしない。

で、3/14の夜、これが一区切りつくまで、先述の単行本の作業も含めて他のことはしない、とマイルールで決めていた仕事の、少し止まっていいタイミングがようやく来た。そのままどうにか確定申告になだれ込み、期日中に終えた、という週末が今。

そんなタイミングなので、メールボックスにたまっていた「シカク」のメルマガを、先ほどまでまとめて読んでいた。ちなみに、この文章を目にする方は皆さんご存知かと思いますが、ことさら出版もお世話になっており、スズキナオさんも働いている大阪の書店さんです。あと、12月分以降なんだけど、83号を間違えて消してしまったようだ。辛い。

読んでいたら、こんな記述があった。これはメルマガ読者以外にも他のSNSで告知などされていた内容だと思うので、以下にコピペさせていただきます。

続けて、シカク出版の大きなお知らせをもう一つ!

ライターであり、WEB日記の第一人者でもある古賀及子さんお初の本格エッセイ集『気づいたこと、気づかないままのこと』が20242月上旬にシカク出版より発売されることになりました!

人生のあらゆる場面を縦横無尽に切り取った、まだ見ぬ古賀さんの魅力が詰まった渾身の1冊。帯には芥川賞作家の長嶋有さんからのありがたい推薦コメントを掲載しております。

シカクで予約するとサイン・特典がつきますのでぜひ以下のURLをチェックしてみてください!

https://shikaku-online.shop-pro.jp/?pid=178634007

で、さらに、古賀及子さんの日記エッセイ第2弾『おくれ毛で風を切れ』が、20241月末に素粒社より発売されることも決まっております。前回未収録作に、書き下ろしを含む新たな日記を収めた第2弾。こちらも初回注文分にはサインがつくので、ぜひ2冊あわせてどうぞ!

https://shikaku-online.shop-pro.jp/?mode=srh&sort=n&cid=&keyword=%B8%C5%B2%EC%B5%DA%BB%D2

古賀及子さんの文章はもちろん好きである。しかし、買って読んでいない本が大きめのダンボール10箱以上あるような人間なので、急いで買うことはないなと考えていた。刊行自体は何かで見たのか知っていたので、それこそ、次に大阪に行ったとき、シカクで買おうかな、くらいに思っていた。でも、サイン本買えるんだったら予約していた。辛い。

だけど、後悔はしても反省はしない。また次にシカクのメルマガを読むのも、数か月後になるのではないか。


そんな私だが、一つ、今でも折に触れて思い返し、後悔していることがある。

『東京の生活史』に続いて、岸政彦さんが『沖縄の生活史』をやる、という話をTwitterで見たとき、頭の中で「この方のご家族の話を聞きたい」という沖縄在住の方が浮かんだ。聞き手の募集が始まったら応募しようと思った。ところが、結局のところ、SNSをつぶさに見ない私が、次に岸さんの『沖縄の生活史』関係の発信を見たときは、もう聞き手の募集・選考が終わっていたときであった。

そもそも、このような機会がないと、じっくりとご家族について話を聞かせてほしい、とはとても言えない程度の関係性の方で、話をもちかけてOKしてもらえたかは微妙なところだ。だけど、今でも時たま思い出し、後悔している。

どこかでいつか、相談するだけしてみて、もしOKだったらネット上に発表するかはともかく、文章にまとめて記録しておきたいなあ…と考えたりはする。でも、それをしないと本を作れない作業の督促もしない人間だから、「まあ、このまま何もしないんだろうなあ…」とも思っている。

こういうとき、私は、そんなことを思う時間も、結構悪くないと感じていたりする。

一番大きいのは、やりたいこと、やったほうがいいと思っていることを、やれない自分が情けない…という気持ちである。ただ、同時に、「そんな風に後悔できることがあるのは良いことだ」みたいなことも時折思っている。

あと、自分の中で大きさが分かっていなかった事象を、後悔するタイミングで初めて掴めた気になったり。私はそんな経験がないけれど、一般的な感じで言うと「別れた後に元彼氏・彼女の存在の大きさに気づいた」みたいなやつではないか。それのもっとふわふわした物事バージョン。

ふわふわしているだけに、自分の中での位置づけもはっきりしていなくて、もう取り返せない事態になったおかげで、ようやくふわふわしていないポジションに落ち着く。そして観測が可能になるというか。

まあ、そんな側面もありますよね、程度の話で、結局のところ辛いんだけど。ああ、古賀さんのサイン本。ああ、沖縄の生活史。

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