コットクラブ vol.51
ビーズは女の子。
ビーズにとって今週はオシャレ週間。
思いっきりお洒落するぞ〜!とウキウキしたその矢先、ネックレスが絡まった。
この瞬間、ビーズはジャングルに飛び立った。
上を見ると高く伸びた木が絡まって空が見えない。
下を見るとカラフルなイモムシがカーペットのように転がっていた。イモムシの上はモフモフで余りにも気持ちよかったのでつい居眠りしてしまった。
起きると現実と向き合うことに積極的になった。
まずは時系列を整理した。
そしてここに来ることになったきっかけはネックレスが絡まったことだと気づいた。
ネックレスのあの絡まった感じと似たものをどこかで見た気がした。
「そうだ!ジャングルの木だ!」
それに気づいたビーズの行動力は無敵だった。モフモフのイモムシをトランポリン代りにし、木の上までジャンプした。
すると仰天。
木の上では人間たちがあちらこちらで言い争っていた。
「げっ。絡まっていた木の原因はこの人間たちだったのか。」
内容は聞こえないがみんな眉間にシワが寄りすぎている。
「おーい!みんな言い争いはやめろ〜」
と叫んだ。しばらく叫び続けた。
そのせいで喉はガスガスになった。
ガスガスの喉から手が出て来たので引っ張ると1度夢で見たことのある大きなメガネをかけた小さな妖精が出てきた。
ビーズを見つめて何か言っている。
耳を近づけると
「この人間たちは全ておまえだ。」
と言われた。
突然のことにビーズは
「こんな人間たちみたいにイライラしたり焦ったりしていない!」
と大声で怒鳴った。そして我に返った。
「こわい!やっぱりあの人間たちはわたしなんだ...」
そう思ったビーズは落ち込んでしまいイモムシカーペットに飛び降りた。
そして冬眠することにした。
冬眠しようと決めたのはいいがあの気持ち良いモフモフイモムシカーペットの上でも眠れなかった。
ビーズは仕方なくまた木の上に行った。
まだ人間たちというか自分が言い争っている。
どうしよう...どうしよう...と頭をぐるぐるさせ考えすぎた結果、パッカーンと頭が開いた。
開いた頭の中からはスーパーポジティブビーズが出てきた。
スポビは
「ウ〜!バカンス〜!!」
と笑いながら小股で走り出した。
言い争っている人間たちの会話を遮って
「イェ〜イ!バカンス!」
「ハピネス!バカンス!」
と言い回った。
すると不思議とスポビに声を変えられた人間たちから笑顔になり、気づけばスポビを先頭に列を作りながらみんな笑顔で走っていた。
スポビと共に人間たちはビーズの頭の中に入り、頭が閉じた瞬間、木の絡まりが解けた。
「やった〜!」
と叫びながらイモムシじゅうたんに降りる途中でネックレスをつけようとしている自分に戻った。
ネックレスは絡まっていない。なんだか清々しい気持ちのビーズは「オシャレは心から」と鏡にウインクし、オシャレ週間を存分に楽しんだ。
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