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コットクラブ vol.58

ちくわを横からずっと見ていたら、穴からなにかがひょっこり出てきた。

手に乗せて近くで見てみるとお目目がきゅるきゅるでなんでも許したくなるもふもふのころころしたよくわからない生き物だった。

何か言っているので耳を近づけると、

「わたくちの名はぷるる。この世界のバーゲンというものに憧れてやってきた。どこかバーゲンをしているお店は無いか?」

見た目に反してぶっきらぼうな口調だったが、なんだかそれも可愛かった。

わたしは隣町でちょうど昨日からバーゲンが始まったお店を知っていたので手に乗せて連れて行ってあげることにした。

風で飛んで行かないように、プリンの空容器を上から被せた。

道中、「どうしてちくわから出てきたの?」とわたしは聞いた。

なにも返答がなかったので言いたく無いのかと思い、そっとしておくことにした。

しばらく無言の時間が続いたが、隣町に着いた頃空容器の中でぷるるが暴れていることに気づいた。

プリンの空容器を手のひらから浮かせて顔を近づけると、

「やっと気づいたな!!ちくわの穴はわたくちの世界と、この世界を繋ぐ通路なのだ!!もう10回も言っていたんだぞ!!この透明な壁のせいで君の質問をわたくちが無視したみたいになったではないか!!わたくちの世界で無視は1番したらいけないことなのだ。」

とぷるるが大声で言った。

「ごめんごめん!無視したなんて思ってないよ!気づかなくてごめんね。」

とわたしが言った時ちょうどバーゲンをしているお店に着いた。

「ここがバーゲンをしているお店だよ。」

とわたしが言うとぷるるは暴れた。

ぷるるを落とさないよう、手でそっと押さえながらお店に入った瞬間、ぷるるはお店の中を飛び回った。

「ぎゃ〜〜〜バーゲンだ〜〜〜」

後半へつづく

なぜぷるるはそんなにもバーゲンに憧れているのか。すべての謎が解ける後半もお楽しみに!

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