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初の写真展「いきつく」の記録

4/19-4/21の3日間、zushi art galleryにて初の写真展「いきつく」を開催しました。

Sweden/Nordic
Lake Toya
Lake Toya/Yonago/Tateshina/Oki
Copenhagen
Kamakura
Lake Toya
movie 「いきつく」


3日間で150名を超える方にお越しいただきました。足を運んでくださったみなさま、本当にありがとうございました。


タイトルの「いきつく」は
- 息つく:呼吸をすること
- 行き着く:最終的に辿り着く
という意味から来ています。

治療を経て身体が自由になって、国内外さまざまな土地を旅をした。

久々の旅。その歓びの中で、いつも旅先に穏やかな水辺がある街を選んでしまう自分の性質、そして自分にとって水辺はいつもより深く心地の良い呼吸ができる場所だということに気付いた。

旅の中で撮影した水辺の写真・動画を通して、「自分自身が望む場所にいける歓び」と「あなたが心地よく呼吸出来る場所で生きていけますように」という願いを表現したく、今回の写真展を企画しました。

お越しいただいたみなさまにとって、良い時間を過ごせたのなら本当に嬉しいです。

そして今回制作した写真、動画。どれもとても思い入れがあるので、また別の場でも展示できないかと少し考えています。もし良い場をご存知の方がいればお知らせいただけますと幸いです。


ここからは雑記のような記録を。


準備をはじめたのは昨年9月頃。まずは会場から決めようと、水辺の街にあるギャラリーを探して、いくつか見学をした。
その中で出会ったのがzushi art gallery。

自分には大きすぎるかと悩んだけれど、川沿いを歩いて辿り着くという体験の良さ、大きな窓とピアノがある空間に惹かれた。そしてオーナーの徳富さんの人柄の良さからこの場所に決めた。僕は得意なことはそう多くないけれど、心地の良い場と素敵な方に出会うことだけは得意だとやっぱり思う。

そこから企画、写真の選定、プリント、額装、告知など準備が目白押し。当日まで休日は旅をするか、個展の準備をするかという日々が続いた。

知識がほとんどない領域だったので、プリントでは写真に詳しい友人に相談をしたり、額装の件はギャラリーの方や、世界堂の店員さんと相談しながら準備を進めた。

様々なプロフェッショナルの方に出逢いながら、できないことができるようになっていく。そしてデータだった写真が、実物になっていく。

大変だったけれど、歓び溢れる体験だった。

そしてもうひとつ、今回のメインの作品のひとつであった映像作品も並行で進めた。国内外で撮影してきた好きな水辺の動画を、ひとつの作品にまとめる。

その過程でずっと聴いていた橋本秀幸さんの曲「koku」。もともとはインスピレーションを受けるために聞いていた曲だったが、この曲を聴き続けているうちに動画と合わせて作品として見てもらいたいという気持ちがあまりに募り、勇気を出してオファーしたところ快諾いただいた。

橋本さんの音楽を使って作品を、場をつくることはひとつの夢だったので、実現して本当に嬉しかった。


また準備で逗子にも何度も運び、知り合いが増えたり、この土地との関係が深くなっていったのも良い体験となった。軽やかで、人と人とのコミュニケーションがしやすくて、心地の良い街だなと思う。

4/20 朝の逗子海岸


そしてこっそり勧めていたのがZINE「いきつく」。友人たちの本棚に自分の写真を並べるのはひとつの夢だったので、デザイナーの原田美佳さんに相談をして制作をした。彼女には今回のDM、キャプションなど様々なデザインをしてもらった。無茶なお願いをたくさん引き受けてくれてありがとう。

短い期間の中、素敵なデザインをしてくれた。

そして設営日。

友人のまっしーが手伝ってくれた。設営には慣れている方だと思うけど、写真展の設営はこんなに大変なのか…と驚いた。額装をまっすぐ並べるだけで長い時間がかかったり、実際に写真を並べてみると、レイアウトを変えたくなったり。そこで彼女は容量良く、丁寧に作業を進めてくれて、困ったら素敵なアイデアと技術で解決してくれたり、相談に乗ってくれて本当に助かった。作業する姿かっこよかったな。

陽が暮れて少しして、前日の設営が終わった。形になって、一気に安心感と歓びが溢れた。半年間、準備をしてきて本当に良かったと思えた。

誰より僕が、この空間をいとおしいと思えた。自分のつくったものにこんなに愛着を、自信を持てたのははじめてだった。

いとおしい空間


そして当日。早めに来る予定が東海道線が止まりバタバタと到着。設営もままならないままにオープンをした。初めから多くの方が来てくださった。

その中で、動画がうまく動かなかったり、僕のミスでZINEを宿に忘れてしまった時、サポートしてくれたのが遼平。彼は高校からの友人で今はカメラ屋さん。僕にFUFIFILMのカメラを勧めて売ってくれた友人。快く色んなサポートをしてくれて本当に助かった。

クローズ後、海に行ったときの遼平

そこから始まった3日間では、様々な方が来てくださった。

家族。高校、大学、NPO、インターン、旅、イベント、写真を通して、全国様々な場で出会った友人たち。縁が遠くなっていた方々も来てくれた。また短期間で体調を崩して退職してしまった会社の方。

今の会社の同僚や上司。SNSを通して知り合った、ずっと知り合いのような気がしながらも初めましての友人。SNSで知ってくれた方。湖好きな方。
そして準備の過程で逗子で出会った方々や、ギャラリーに通う方々。通りかかった方々。東北、京都、名古屋から来てくれた友人もいた。

ひとつひとつの出会いを挙げていったらキリがないほど、多くの素晴らしい出来事が起きた。

花屋ではたらく友人がつくってくれた花束。


色んな人と会えたことを喜び合いながら、お話をしている中で感じたこと。

それは本当にこれまで色んなことに手を出して、色んな場に顔を出して、多くの方にお世話になりながら生きてきたという事実。

一貫性がなく、様々なことに手を出してはやめてきたことはコンプレックスだ。でも今でもこんなにも会いにきてくれる方、縁を繋いでくださる方々がいるなら、自分の人生は誇らしいものなのではないかと思えた。

これから2-3年かけて行うはずだった出会い、再会、融解。それらをギュッと3日間に詰め込んだような時間だった。

そして嬉しかったのが、友人や知り合いの方も「友人がやっているから」という楽しみ方よりも「写真展として」この場を楽しんでくださっている様子を見れたこと。

いただいた感想は大事に記録し、心に留めていきます。反省点もあるけれど、これからも場づくり、表現を続けていきたいと思えた。

作品を見てくれている人の表情を見れたことは、展示をひらいてよかったことのひとつ

あっという間に迎えた最終日。天気予報に反して朝から陽が出ていた。最近は本当についている。

ただ最後の1時間は雨が降ったこともあり、あまり人がこなかったので、ひとつひとつの作品を自分でじっくり見る時間となった。立ち会ってくれていた琢磨が、ひとり作品を見る様子、来場された方とお話する様子、ピアノを弾く様子を記録してくれた。

そして静かに閉幕。

雨に追われながら撤収をした。2人雨の中での撤収はかなりハード。僕は設営から続く立ちっぱなしでだいぶ力がなくなっていたので、とても助けてもらった。なんとか撤収が終わり、2人でラーメン屋に行った。あの時食べたラーメンの美味しかったこと…!

そしていつものように、琢磨の運転で自宅へ届けてもらった。

会場までの道に咲いていたポピー

そうして会期が終わり、日常へ。

こんなに時間をかけて自分は何をやっているんだろう、せっかく来てくれた人に楽しんでもらえなかったらどうしようと不安になる時もあったのだけど、心からやってよかった。

実現に力を貸してくださったみなさま、応援してくださったみなさま、お越しいただいたみなさま、本当にありがとうございました。

この展示を通して、もっとモノづくり、場づくりをしたい気持ちが高まり、これからの日々が更に楽しみになりました。また何かをするときはお知らせさせていただきます。


Special Thanks (敬称略)

Music:Hideyuki Hashimoto
Gallery:Zushi art gallery 
Design:Mika Harada
Support:Mashiro Takigawa/Ryohei Furukawa/Takuma Seki


photo by Hinata Endo

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