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「余命は残り1、2年ほどだと思います。」

そう先生に告げられて、私は耳を疑った。

そう、今日は愛犬ももちゃん(2歳・マルチーズ)のMRI検査の日でした。
ももちゃんは2月末に全身のけいれん発作を続けて起こし、そこから抗てんかん薬を服用していました。しかし様子が少しおかしいので大学病院で検査となったのでした。

今日という日を忘れずに、そして今後に向けての記録としてここに残そうと思います。

朝、大学病院へ。まずはMRI検査。

むかったのは日本獣医生命科学大学。身体の弱いももちゃんは何度かお世話になったことがありますが、今日も全国各地からたくさんのわんちゃんが集まってきていました。

しばらくして診察に呼ばれ、治療の説明を受け同意書にサインしました。
MRIと脳脊髄液の検査、場合によってはCTなど。

全身麻酔の検査になるので、そのリスクの説明も受けました。

そしてそのままお預け。
がんばれ、ももちゃん。。。

待機していると、病院から電話が。

とても大きい病院のため、待ち時間も長く、なにかあれば電話で知らせてくれます。
お預けして2時間後くらいに電話があり、MRI完了の報告が。

まずは無事に終わったことにホッとしたのも束の間。
「脳に異常があることがわかったので、これから脳脊髄液の検査をします。」

大きな病気でなく、いわゆる一般的なてんかん発作だと思い込んでいたため、「異常」のことばに不安をおぼえました。

でも、きっとお薬飲んでいけば治るよね。
まだ若いし、きっと回復するよね。

そう思いながら、さらに3時間ほど待機。

すべての検査が終わり、先生からの説明を。

診察室に呼ばれ、どきどきしながら部屋に入ると、脳の写真がずらっと並んでおり先生たちが待っていました。

そこで伝えられたのは、壊死性髄膜脳炎。えしせい・・・?
脳に炎症が起きているということは理解したけれど、具体的にどういう病気なのかはわからないまま色々と病状を説明してもらいました。

脳の写真で白いところがたくさんあり、それがとてもよくない状況であること。
脳脊髄液の白血球と赤血球の値が異常であること。
この病気には、確実な治療法がないこと。

それがどの程度まずい状況なのかが理解できないまま先生から告げられたのは、
「のこりの…余命なんですけれど。治療を続けても1-2年と考えられます」と。

まさか今回の症状が命に影響があるものだとは全く思っておらず、もちろん心の準備もできておらず。ただただ動揺が隠せませんでした。

だけど、ここで飼い主である私が動揺してはダメだ、泣いてはダメだ。冷静に説明を聞こう。

次に告げられたのが
「治療がうまくいけば、4,5年生きられる場合もあります。でもそれは稀なケースです。さらに、これから飲む薬によって免疫が極端に下がるので、別の病気にかかるリスクもあります」

目の前に横たわる全身麻酔後のももちゃんを見ながら、
こんなに小さいカラダで、4日前に2歳になったばかりで。。。
限られた残りの時間、わたしは何をしてあげられるんだろう。

こみ上げてくる気持ちのコントロールができず、身体が火照り始めてクラクラし、トイレに駆け込み吐いてしまいました。

トイレで1人になった瞬間、涙が止まらず。
その場にうずくまって30分以上戻ることができませんでした。

飼い主失格です。

なんとか戻り、泣きながら治療方針とお薬の説明を受け、ももちゃんと帰路につきました。
もう外はすっかり暗くなっていました。

これから

まずはお薬を数種類服用していき、加えて3週間に一度入院して抗がん剤治療を続けていきます。
がんではないけれど、抗がん剤が炎症の進行を抑えると言われているらしいです。

そしてこの病気は数週間で死を迎えることもあるし、発作に苦しみながらも命は守られる場合もあるそうです。
治療費もかなり高額になっていくので、後者の場合は安楽死をすることもあるとか。

いたたまれない気持ちになります。

いつも2人でいて、トイレもお風呂もついてきて、寝るときもいっしょ。
わたし自身、とても支えられていた大事な家族。

これからはいろんな覚悟を持って、気持ちを強く持って、この病気と向き合っていこうと思います。

会話ができないから、痛いとか、つらいとか、ちゃんとわかってあげられないけれど、これまで以上に、とにかくとにかく大切にしたい。

今はただ、この気持ちでいっぱいです。

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