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2021-22 欧州リーグ考察 #4 〜UCLグループD編〜

みなさん、こんにちは
コチャTVです。

欧州リーグの考察を行なっていこうと思います。
今夏の移籍市場ではリオネルメッシやセルヒオラモスといった世界的にも有名な選手の移籍が相次ぎ、欧州サッカー市場のみならず世界的にも衝撃を与えました。
この移籍市場を経て、欧州サッカーの戦力図には大きな変化が加わりました。
今回は、UEFAチャンピオンズリーグに出場する全32チームの移籍市場を見ていこうと思います。
今回の記事では、グループDを見ていきたいと思います。
なお、市場価格などはtransfermarktを参考にしました。

UEFAチャンピオンズリーグ2021-22のグループ分け

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(Goal.comより引用)

この画像はUCL2021-22のグループ分けです。

グループD

グループDは以下の4チームです。
インテル(イタリア/セリエA1位)
レアル・マドリード(スペイン/ラ・リーガ2位)
シャフタール・ドネツク(ウクライナ/ウクライナ・プレミアリーグ2位)
シェリフ(モルドバ/ディヴィジア・ナチオナラ1位)

 ①インテル

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 インテルです。
 インテルはクラブを保有している蘇寧グループの経営状況などもあり、財政的に厳しい状況が続いています。昨シーズンは2009-10シーズンぶりにセリエAを制覇しました。しかしながら、アントニオ・コンテ監督の辞任エースであったルカク、クロッサーのハキミといった主力を高値で売却しました。

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 しかしながら、財政難であるため派手な補強は敢行できませんでした。
 今夏の移籍市場で一番高い金額を支払ったのはスタンダール・リエージュから加入したジーニョ・ファンフースデン選手で、移籍金は1600万€です。しかし、彼は獲得後すぐにジェノアへ期限付き移籍することが発表されました。
 他に、移籍金を払ったのはパルマから加入したダルミアンですが、彼は期限付き移籍で昨シーズンも在籍していたので「新加入」感は薄いです。
 「新加入」感でいくと、インパクトがあるのはチャルハノール、コルダス、ジェコのフリー加入3人組だと思います。
 チャルハノールはライバルクラブであるACミランから加入しました。彼は、システムや戦術によって全く使い物にならなくなってしまうのが玉に瑕ですが、基本的にはゲームを作れるいい選手です。プレースキックの精度も高いため、キッカーも任されるかもしれません

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 コルダスは昨シーズン、クロトーネで孤軍奮闘の活躍を見せていたベテランGKです。インテルにはハンダノビッチという絶対的守護神がいるので、セカンドGKの座をルーマニア人のラドゥと争うことになります。
 経験値ではコルダス、伸び代ではラドゥという状況で、インザーギ監督はどのようなチョイスをするのでしょうか?

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 ジェコは昨シーズンまでローマに在籍していました。印象としてはマンチェスターシティにいた印象が強いのではないでしょうか。トッティが引退し、ストライカーがいなくなったローマに移籍をし、活躍をしていました。しかし、今シーズンから監督に就任したモウリーニョから構想外を言い渡されたことで移籍を決断したそうです。

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 今シーズンのインテルの最大の注目は監督だと思います。
 優勝監督が辞任することは滅多にありませんが、今回は金銭的に折り合いがつかなかったため辞任となってしまいました
 その後、ラツィオで結果を残していたシモーネ・インザーギ監督を招聘し、2年契約を締結しました。
 優勝したスタイルを引き継ぐ継続路線か。インザーギ色を色濃く示す新規路線か。注目が集まるところです。

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 今年はユベントスがアッレグリ監督を再招聘し、カルチョ奪還への闘志を燃やしています。インザーギ監督には最低でもUCL出場権。あわよくばセリエA連覇が求められていると思います。
 一方、UCLではグループリーグ突破は最低限のノルマでしょう。しかし、シャフタールもシェリフも力のあるクラブなので油断は大敵です。

 ②レアル・マドリード

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 レアル・マドリードです。
 昨シーズンはアトレティコにラ・リーガのタイトルを奪われてしまい、リーガ奪還に燃えていることは間違い無いでしょう。UCL3連覇も達成したクラブのレジェンドでもあるジダン監督が退任し、アンチェロッティ監督を再招聘しました。
 その結果、ジダン政権下では構想外で移籍の噂が度々報じられたベイルが覚醒しました。サイドアタッカーがアザール、ロドリゴ、ヴィニシウス、アセンシオ、ルーカスバスケスそしてベイルといったとんでもないメンバーになっています。
 レアルではなかなかアザールが活躍できていません。怪我に悩まされている印象がありますが、新監督の元復活に期待です。

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 さて、レアル・マドリードは去年のカピターン(キャプテン)であったセルヒオラモスが退団しました。長年、レアルの守備の要として君臨していた「番人」がいなくなることで守備が甘くならないことを願います。
 ラモスと同じタイミングで、ラモスとセンターバックを組んでいたヴァランも退団しました。彼は、契約最終年が翌年に迫っていた中でのマンチェスター・ユナイテッドへの完全移籍です。

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 一方、バイエルンミュンヘンとの契約が満了したダビド・アラバがフリー移籍で加入しました。彼は、センターバックや左サイドバック、左サイドハーフまでハイレベルにこなせる選手です。
 今シーズンのレアル・マドリードのセンターバック陣はアラバ、ナチョ、ミリトンの3人が主軸となっていくのではないでしょうか。
 「経験」ではラモスに劣りますが、「実力」は申し分ない選手たちなので期待大ですね!

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 レアル・マドリードには日本人選手が2人所属しています。
 現在、スペイン1部のマジョルカに期限付き移籍している久保建英選手と下部組織でプレーをしているピピくんです。
 EU枠との兼ね合いで、2人がすぐにトップチームの一員になることは難しいですが、いずれはレアルで活躍してくれると思います!個人的には、ピピくんはセグンダにレンタルしてもいいとは思いますが、まだ高校3年生なのでこれからですね!

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 さて、レアルはアトレティコからリーガを奪還しなくてはなりません。メッシが退団し、グリーズマンなども移籍したバルセロナの戦力ダウンは否めず、今年のラ・リーガはマドリード勢2クラブのタイトル争いになるのではないでしょうか?
 もちろん、アトレティコも強力な優勝候補ではありますが、レアルであればリーグタイトル奪還の可能性も大いに秘めていると思います!
 UCLに関しては、ノックアウトステージ進出は最低限のノルマでしょう。純粋な戦力値では飛び抜けているので、足元をすくわれないようにしたいですね。あとは、クロース、カゼミーロという中盤の2枚のピボーテが酷使状態なので、レギュラーを脅かすレベルの若手にも出てきて欲しいです!

 ③シャフタール・ドネツク

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 シャフタール・ドネツクです。
 ウクライナのサッカーチームではディナモ・キエフと並んで、日本国内で1、2を争う知名度ではないでしょうか。
 このチームはウクライナリーグということもあって、4大リーグに多くの選手を輩出しています。フェルナンジーニョやウィリアン、ドウグラス・コスタなどのブラジル人が代表的な例です。他にも、現ASローマ所属のムヒタリアンもシャフタール出身選手です。

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 さて、シャフタールには他のUCL出場クラブとは異なり、堺的な有名選手はいません。そもそも、所属選手のほとんどがウクライナ人か有望ブラジル人ということもあり、チーム方針はしっかりとしています。
 実際に、今夏の移籍市場においてもセカンドチームから実に7名もの選手を昇格させました。そして、経験を積ませるため国内や近隣諸国の格下チームへ期限付き移籍で放出しています。
 そんな中、一番の注目に挙げたいのは、デ・ゼルビ監督です。

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 彼はイタリア人監督で、昨シーズンまではイタリア セリエAでサッスオーロを指揮していました。実際に、今夏の移籍市場で1200万€を支払って獲得したブラジル人のマルロンはサッスオーロ時代の教え子にあたります。
 そんな彼のサッカーを一言で表すなら「イタリア版グアルディオラ」いうところでしょうか。サッスオーロ時代の彼は「モダンな攻撃的サッカー」を目指しており、低い位置からの丁寧なビルドアップの過程でポジショニングが非常に重要となるサッカーをしてきました。また、彼の戦術はプレッシングサッカーであり、前線から激しいプレッシングをすることでも知られています。そんな彼の戦術で肝になるのが中盤です。
 ポジティブトランジション時にはボール保持
 ネアティブトランジション時には即時奪回

という彼の戦術を遂行する上で中盤に課せられるタスクは多くなります。
 マイコンとマルコス・アントニオという2人のブラジル人ボランチが戦術上の鍵を握ることになるでしょう。

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  シャフタールは純粋な戦力値で見るとレアル、インテルについでグループ3番目でしょう。しかし、多国籍軍団の両チームとはことなりウクライナ人とブラジル人で構成されたスカッドであるシャフタールが連携面やコミュニケーションの面で優位に立つことは大いにあり得ます。
 シャフタールも侮れない相手ではあるので、インテルやレアルが浮足立っていると足元を掬うこともあり得ます!

 ④シェリフ

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 シェリフです。
 シェリフはモルドバ国内では敵なしの状態です。2011-12シーズンから国内リーグは9連覇(秋春制、春秋制などによる)を達成しています。そんな、シェリフですが、モルドバリーグにはUCLへのストレート参戦枠が1枠もないため優勝しても予備予選からのスタートになります。
 予備予選では、1回戦でアルバニアのKFテウタを2戦合計5vs0で下しました。2回戦では、アルメリアのアラシュケルトを2戦合計4vs1で下し、3回戦では、セルビアの古豪、レッドスターを2戦合計2vs1で下しました。
 そして、勝てばクラブ史上初の本戦出場となるクロアチアの強豪、ディナモ・ザグレブ戦では2戦合計3vs0で勝利しました。

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 そして、先日行われたUCL初戦のシャフタール戦ではアダマ・トラオレのゴールにより歴史的1勝をあげました
 ゴールを決めた、アダマ・トラオレはマリ代表でも活躍しているアタッカーで、UCLの活躍を受けてステップアップ移籍をするかもしれませんね!
 ちなみに、このアダマ・トラオレは正確にはアダマ・M・トラオレで、マリ代表にいるもう1人のアダマ・トラオレはアダマ・N・トラオレです。そして、ウルブスに所属しているスペイン代表のトラオレは真ん中に何もつかないアダマ・トラオレです。

 シェリフは英語では「保安官」の意味で、元々は特攻隊のメンバーが作った警備会社である「シェリフ」が前身となっています。現在では、テレビ局やスーパーマーケットなどを運営する大規模ホールディングスになりました。
 このような稀有な背景も、今回のUCLでの躍進で脚光を浴びるかもしれません。

 シェリフにとって、UCLへの出場は快挙であり偉業です。語弊を恐れずに書くと、本戦は「ボーナスステージ」です。しかし、UCLへ出場するにあたって「負けるつもり」で出場することはないと思います。
 また、選手にとってUCLの舞台は欧州ビッグクラブへの絶好のアピール場所になります。UCLで活躍した選手が近い将来、ステップアップ移籍をすることもあるかもしれませんね!
 チームにとってもUCLに出ることで知名度が上がり、スポンサーの増加や入場料収入の増加にもつながり、最終的にはクラブの利益にもなります。
 傭兵シェリフがビッグクラブに対してどのように立ち向かうのかは注目です。

まとめ

 今回は、UCL2021-22のうち、グループDに関してみていきました。
 グループDは、戦力値的には上位2クラブ(インテル、レアル)、UCL常連のシャフタール、初出場のシェリフという順番になるでしょう。しかし、ここは欧州史上最大のサッカーコンペティションであるUCLです。全てが順当に行くことはないでしょう。
 傭兵シェリフの躍進にも期待したいところです。

最後に

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