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切なくて、苦しくて、もどかしい恋の病もそう悪くない

「好き」という言葉には、一つの英単語にいくつも意味があるように、ニュアンスがある。

一般的に例えられるのは、恐らく”LIKE”と”LOVE”の差。

例えば「あなたのことが好き」と人に伝えたなら、どんな眼差しで、どんな表情で、どんな声のトーンかで相手への伝わり方も違うだろう。


僕は、人に真っ直ぐに「好き」と想いを伝えられたことがない。

「あなたの好きなところ」なら、いくらでも伝えられたことはあった。「あなたのそういうところ好き」とか、”LOVE”の感情を剥き出しにしながらも、でも遠回しな言葉で。

その度に、自分はなんて卑怯で、みっともないんだろうと落ち込んだ。


もしも「あなたのことが好き」と真っ直ぐ伝えることが出来たなら、こんなにも寂しくて、悲しい心を持たなくて済んだかな。

こんな苦しみも、痛みも知らなくて済んだかな。

だけど、悲しいけどこんな痛みもあなただから愛おしい。


「恋」って苦しい。

「恋」って切ない。

だけど、あなたと出会ったから「恋」の痛みを知った。


「恋」は悲しいことばかりかもしれない。だけど、嬉しいことなんだ。

この感情と出会えたのは、この世界であなたと出会えたから感じることが出来た奇跡なんだろう。

僕はずっと怖かった。この切なくて、苦しくて、もどかしいこの感情が苦手で向き合おうとしてこなかった。


まだ芽生えたばかりの感情を、ゆっくり育てていきたい。

振り向いてほしい。僕だけを見てほしい。

傲慢なこの気持ちが僕を焦らせるけど、目の前にいると向き合いながら、一歩ずつ進んでいきたい。

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