薄曇りの空を見て
自粛続きの毎日。ここのところ休日なのに遠出もできず、自宅から自転車で10分ほどの海の見える公園によく来ている。
今日は昼間は天気が良かったがだんだん曇り気味の空になっていた。夕暮れ間際に運動がてらいつもの公園へ向かった。
晴れている日だと海が青く輝き、対岸もはっきり見えるのだが今日は少しどんよりしている。政府の要請からか、人も少なく静かで風の切るような音だけがぴゅうぴゅうと聞こえる。
それでも船舶はゆっくりと行きかい、世の中は動いているのだと感じる。晴れていれば鮮やかでにぎやかな世界。それが今はひっそりとしている。
9年前の計画停電の夜。にぎやかな街は静まりかえり、街中の明かりが消えた。あの時も出口の見えない世界だった。でもいつの間にかトンネルを抜けていた。
歴史は形を変えて繰り返される。晴れがあれば曇りの日も雨の日もあり、いつかはまた晴れる。でもまた曇りや雨の日がやってくる。この繰り返しだ。
ふとスマホのニュースを見ると、1日の感染者数が徐々に減ってきていることを知る。はっきりとした状況は分からないけれど、少しずつ快方に向かっていると信じたい。薄暗い曇り空の中、ゆっくりと前に進んでいく船舶のように。
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