ブランドを生み出すのは見せ方ではなくプロダクト。

昨今はブランディングという言葉が乱立しており、一体何がブランドでどう生み出されるのか?が見えにくくなっているように感じます。

僕はシェフ時代、自分の事を知ってもらうにはどうすればいいか?どうやって他のシェフと差別化を図るか?をずっと考えており、その時に考えた事がブランドをどう生み出すか?(育てるか)と近しい考えだと思っています。

どうやって自分の料理と自分の事を世に伝えたのか?少し考察してみます。


技術力自体は差別化の大きなポイントになりにくい。


料理をやっているとどうしても技術力での差別化をしたくなります。僕自身も自分の技術には自信がありますが、それは技術を理解している側だからこそ。これは技術を知らない人からするとほとんど差がわかりません。

多くの人にこの話をするのですが、自分の専門領域の差は明確にわかりますが、専門外は本当にわからない。僕は料理の写真を見ればなんとなくの精度がわかりますが、これが服や髪型になると全く分かりません。だからこそ、技術だけではなく一般の人にも分かる違いが必要なのです。

そしてこういう話をすると確実に出てくるのが、技術がない露出だけの人にはなりたくないという話。今でも技術はないがテレビに出たり認知がある方は多くいますが、それは技術以外の能力が長けているのでしょう。どんな物でもそうですが、基本的には総合格闘技なので、技術だけでは生き残れません。

しかし、技術があってそれ以外の能力も磨いた人は絶対に負けません。

僕は技術を否定しません。なんなら技術をとことん磨くタイプです。一流になるまでなら技術を磨くのはそこそこでどうにかなりますが、超一流を目指すなら弛まぬ努力と探究心は必須です。技術を磨き続けた上でそれ以外のスキルも磨く。どちらかという話はしていないからです。

技術を超一流のレベルまで磨くのは必須とした上で、技術の価値を自分で否定できるレベルで様々な事に対して意識をしなければならないのです。

僕はそこそこの人になるつもりはないですし、いつまでも成長し続けられる人になりたいからこそ、技術磨くことはあれど、技術に頼ることはないし、技術に溺れることもないと思っています。

僕はシェフの中で自分の差別化のキーワードを香りにしました。香りなんてみんな大切にしていると思うかもしれませんが、それを言語化して明確にコミニケーションをとっている人はほぼいませんでした。

美味しさのデザインの話も業界で明確にしている人はいなかったと思います。​


香りをどう活かすのか?そのロジックとセンス(感性)を丁寧に伝えることが僕の差別化になったと思います。(それ以外もありますが長くなるので割愛)



メインスキルのレベル次第で拡張性の幅が決まる。


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