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誕生日と命日

うちの父親は、ガンで亡くなったのですが、その日はまさに娘の5歳の誕生日でした。
わたしはその時丁度病院にいて(娘を連れて来ていた)父が息をひきとるのを見守ったわけですが、その時のぼんやりしたかんじを覚えています。
おお、お父さん、孫の誕生日を命日にするとはやるなー。
これでわたしは、父の命日を忘れることはないだろう(健忘以外では)。
おつかれさまでした。
病院でごく普通に亡くなっても、それからお葬式や残務にまつわるあれこれで、突然忙しくなりあれよあれよと急流になり、淋しくなるのは意外と落ち着いてからだったりします。
娘の5歳の誕生日はさすがに吹っ飛びました。
あとで聞いても、娘はおじいちゃんのことはうっすら覚えている(おりがみ折ってくれたり、味噌汁作ってくれたり)けど、その日のことは記憶にないみたいです。
仕事をしていたわたしは、当時よく父に娘を預けていました。
父はその頃停年退職後の再雇用みたいな形で、のんびり会社に行っていて、文句も言わずに幼児を預かりよく面倒を見てくれていました。
60代になったとき、自分が孫とは言え幼児を預かる度胸と能力があるかな?と考えると父は、やっぱり偉いやつだなと思います。

そして現在のわたしは。
誕生日と命日、生と死が重なる日、毎年けっこういいなと思っています。
ちょっぴり当時のことや、わたしと父だけの秘密の会話や、娘が生まれた早朝の月のことなんかを思い出しています。

生きるのも死ぬのも、別に悪いことじゃないからね。

アジサイが咲き始めると ウキウキするう

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