学校で習わなかったハラスメントの話

今年3月8日にパワハラ防止策を企業に義務付ける改正法案が閣議決定されました。ハラスメントに対する風向きが変わりつつあるように感じます。

2018年7月6日に厚生労働省から発表された平成29年度の「過労死等の労災補償状況」のデータを見ると、精神障害での労災の請求件数はぶっちぎりで医療・福祉業界が多かったそうなんです。現役で医療・介護業界で働く身としては衝撃的でもあり、「あ~、やっぱり…」とどこか納得も出来てしまいました。
請求件数1位に対して、支給件数は2位に繰り下がっているので、障害に対して知識があるぶん請求が多いのかもしれませんが、医療・介護業界が抱える課題を映し出しているデータに思えてなりません。

ハラスメントは良くない。これは、共通認識ですよね。
ですが、あなたは自信を持って「自分はハラスメントをしたことはない」と言い切れますか?

「あなたにハラスメントを受けました」そう告発されることを想像すると、ショックです。でも、思い返すと「言い過ぎたかな」「当たりがキツかったかな」と反省する場面が私にもいくつかあります。自分自身が思いも寄らない事で、誰かが傷ついているかもしれません。

ほとんどの加害者が”無意識”に他人を傷つけてしまうのがハラスメントの一面にあり、誰もが加害者にもなり得るのではないでしょうか。

上記厚生省のデータは平成29年度のものですが、同2017年は世界的に大きな話題となった#Me too運動が起こった年でもあります。
結果的に社会へ大きな影響をもたらした運動でしたが、私には名誉棄損と紙一重に見えました。

ハラスメントの被害者にとって加害者は憎い他人であると同時に、同じ人権を持った一人の人間でもあります。

国の政策は今後追い風となるかもしれませんが、ハラスメントに対する声の上げ方には注意や知恵を働かせる必要がありそうですね。

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