医療介護業界のハラスメント

突然ですが、私は最初に就職した病院で、最初の1年間で2回ハゲました。
当時、先輩スタッフにパワハラを受けていました。
今は自信を持ってそう言えますが、当時は「当たりがキツいなぁ…泣きそう…」くらいにしか思わず、パワハラを受けているという認識はありませんでした。私が悪いんだろう。悔しいけど、私が我慢すれば丸く収まる。
そうやって抱え込み、私は徐々に体調を崩していきました。

2018年5月の日本医療労働組合連合会の報告で、こういうものがあります。

現場で働いていた肌感覚としては、ハラスメントは少なくはないと思っていましたが、それでも3人に1人とは多過ぎませんか?

記事の基になった文献も読んでみました。ざっと調査結果をまとめます。
・アンケートに回答のあった7225人の内、12.0%の人がセクハラ、26.6%がパワハラ、2.5%の人(うち2割が男性)がマタハラを受けたことがある
・セクハラを受けた相手は患者・患者家族が49.7%と最も多い
・パワハラを受けた相手は上司が48.6%で最も多い
・ハラスメントを受けた人の6人に1人は誰にも相談できていない
・46.7%の人がハラスメントがきっかけに退職を考えた

後になって他の先輩に聞いた話では、私がパワハラを受けていた先輩は毎年、新人を1人ターゲットにして苛めていたそうです。そう聞いて、「誰かが助けてくれないかな。職場の環境が改善されないかな」と願っているだけでは、私はこのまま先もずっと、サンドバックのままだと気づいたのです。

リハビリ業界でのパワハラを象徴する事件があります。

私達は人の健康や命を守る仕事であるにも関わらず、私達の健康や命を蔑ろにされていることには無頓着です。
アクシデントを防ぐには、インシデントレベルで解決することが大切なのだと、医療事故対策で度々耳にしてきました。
ハラスメントも同様に、芽が小さなうちに適切に対処する事が大切なのです。

ひとりひとりが声を挙げることが、医療介護現場で働く仲間の健康を支える礎になるのではないでしょうか。

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