初めまして。
大阪でフリーで活動してる粋のこうへいと申します。
粋＝いなせ です。

僕は2017年4月、20歳の時にNSC大阪に40期として入学しました。
相方探しの会という、1つの大教室に、相方を探していてまだ相方が見つかっていない人達が集まり、どんなネタがしたいかなどの自己PRやギャグ、グループになり半即興コントなどを行い、自分の面白さをアピールして、まだ見ぬ相方と出会う会。
芸人版合コン。

相方探しの会の1回目は怖くて帰りました。
ワイワイガヤガヤと芸人ノリをしてる同期が怖かったんです。
今思えばそれは当然です。
みんな芸人になりたいんやから芸人ノリしますよね。凄いなと思いました。
当時、社交性のスキル0の僕はこの世界でやっていけるのか不安になり、NARUTO疾風伝の自来也が死ぬ回の動画を観ながら普通電車に乗り1時間かけてゆっくり帰りました。
泣きました。
自来也が死ぬ時の言葉で泣いたのか、
芸人としてやっていけるのかが不安になり泣いたのか、どちらかは僕もわかりません。

そして2回目の相方探しの会。
教室に入ると、もう既に何個かグループが出来、
みんなそれぞれ楽しそうに喋っている。
1番話し声が大きいグループに居た金髪高身長女性が目に入りました。
スクールカーストの4軍(僕)と1軍(金髪高身長女性)のように感じました。
「やばい。早速出遅れた。。帰ろかな。。」
と自信喪失し1人で震えていると、
39期のアシスタントの先輩が僕たちを指導し、
ツッコミ志望。ボケ志望。に分かれて座り、その前で順番に全員が自己アピールをすることに。

僕は南海キャンデーズ山里さんに憧れているので、もちろんツッコミ志望に座りました。

5人ずつぐらいが前に立ち、こんな相方探してますと1人ずつが発表していきます。
色々な人がいました。
男性とコンビを組みたい人。女性とコンビを組みたい人。トリオ志望の人。全力でギャグをした後に39期の先輩に変な絡み方をし同期に冷ややかな目で見られる人。その状況にツッコミ教科書1ページ目に乗ってるツッコミでツッコんでる僕の前に座ってる人。
僕は相方見つかってないのに尖っていたので、みんなのことを斜めでしか見てませんでした。
後悔してます。
本当はみんなと話してみたかった。

僕は、男女コンビを組みたかったんです。
南海キャンディーズさんに憧れてるから。
捻ったツッコミがしたかったんです。
なので、男女コンビ志望の女性が出て来るのを渇望していました。
そんな中、男女コンビを志望してる女性が2人いました。
黒髪パーマ？のメガネをかけた低身長の女性と、
さっき見かけた1軍金髪高身長女性。の2人。

1軍金髪高身長女性は何故か怖かったので、
「この黒髪パーマの女性とコンビを組もう！」
そう決心し、僕の番を待っていました。

さぁ僕の番です！
さぁ！あの黒髪パーマの女性に届け！
俺と組もうじゃないか！
その気持ちで、
「僕は男女コンビを組みたいので女性を探してます！」と、発言しました。

そしたらアシスタントの先輩の1人が、
「え、なんで？w」と僕に聞きました。

僕「やってみたいという気持ちがあるのと、男性同士コンビに比べると男女コンビは少ないので、差別化が出来るのかなぁと思いまして」

先輩「え？w 男女コンビ普通にいっぱいおるけどw」

僕「………」

ムカつきました。
男女コンビいっぱいいますけど、いいじゃないですか！んやねんっ！何でそんなイジワルなこと言うんですか！別にええやん！んやねんっ！
と、言えるはずもなく、それらを心で思いニコニコするだけでした。完全に雑魚キャラでした。

そして相方探しの会が終了。
僕は黒髪パーマの女性を探しに、同期をかき分け教室を歩きました！
どこや！さっきの黒髪パーマ！早く見つけないと！あの1軍金髪高身長女性も男女コンビ志望！
ってことは俺はあの1軍金髪に狙われる！？
怖い！突然大喜利出されたらどうしよ！
早く見つけないと！と思ったその時！

僕の前に現れたのは、、

1軍金髪高身長女性！！立ちはだかる！！！

金髪「あ、あの！どこ行かれるんですか！？」

僕「え、あの、えー、、あの、ト、トイレに！」

金髪「あ、トイレですか！？話したいので待ってます！」

終わった。

俺はとりあえず教室を出てトイレに駆け込み、
出されるであろう大喜利や会話の流れで繰り出すボケの準備をしながら震える両手でちんちんを持ち、尿を捻り出しました。
震える両手を利用し、最後の一滴までちんちんを振ることが出来、ちん先に残る尿がパンツに染みることはなかったので嬉しかったです。

唾を飲み込み、トイレを出て、いざ教室へ。
教室に入ると金髪が眩しかった。
去年のM-1 2016の決勝、敗者復活の話、好きな漫才師、したいお笑い話、あれ？話が合うぞ？
あれ？俺の言うことで笑ってくれる。
あれ？この人の言うこと面白い。
ん？これは、、、？え？楽しいぞ？
、、、、、もっと話してみたい。。。

この感じ。。。。

この人と組むかも！！！！

そのまま自然と近くのバーガーキングへ。
バーガーキングでも、相方探しの会の手応え、あんな人いたよなこんな人いたよなで笑い、
お互いが目指す所の話も共感し合い、

ついに、、、

2017年4月21日 コンビ結成！！！

その日は一旦お開きに。
後日コンビ名を考える会を開き、
相方が粋を提案してくれ、
コンビ名は粋に決定！
俺が考えてきてた猛毒バイオとかにならずによかった。
僕の芸名は山下初段。
相方の芸名はまぐろ。
まぐろて！俺みたいなクールでナイスな芸名にしたらいいのに！まぐろて！

それから僕たち私たち粋は、ネタを考え、難波の黒門公園や千日前公園、なんばパークスでネタ合わせをし、
ネタ見せ授業でネタ見せをする毎日。
ネタ見せ以外の授業には出なかった。
でも選抜メンバーにはなれなかった。
密かにかなり悔しがってた。

因みに上の写真は、M-1 2017エントリー用紙と一緒に出す為に撮影した写真。
尖り若男女。

NSC在学中にM-1の1回戦を通過して逆転出来ると思ってた。
M-1 2017 1回戦敗退。
逆転出来ず。
焦る毎日。
良いネタ書かないと。
俺が。俺が。
ネタが出来た。
ネタ見せ。
良い評価を貰えない。
あれ？俺あかん？
良い漫才書いて俺たちは面白いと思われるんや。
俺が。俺が。俺が。
え？面白くないの？俺の書く漫才。。
え、あの人達面白い？
いやいや俺の漫才の方が。
あれ、、、？

でもそんな毎日が最高に楽しかった。
面白いと思う相方と漫才の練習をする毎日。
その時は間違いなく人生で1番楽しい瞬間。

そして絶望も仕掛けた。
相方と喧嘩の毎日。
仲良くなってまた喧嘩。
生死を掛けた日々。
本当に生死が掛かってた。
いつどうなってもおかしくなかった。
毎日が怖かった。と同時に、毎日が希望だった。
すごい感覚。
回ってるコマの回転が弱くなりそろそろ止まるかと思いきや、また持ち堪える、そしてまた弱まり止まりかけるがまた動き出す。を繰り返すような不安定さ。

そして、、

コンビでNSC中退。
理由は色々あるが中退というより行かなくなった。行けなくなった。

それが2017年の話。

そしてこれを書いてるのは2022年。
5年のブランク。

5年の間何をしてたのか。

2018.2019の2年間はもう自分じゃなかった。
何をしてるのかわからなかった。
漫才師の道を諦めた。
諦めざるを得なかった。
テレビで漫才が放送されてると、わざとチャンネルを変えたりテレビを消した。
本当は漫才師になりたかった。
でもなれない。
漫才師になって売れることが出来ないとかじゃない。
そもそも漫才師になれない。
夢見たあれになれない。
死にながら生きてる。
生きながら死んでる。

M-1は一応見る。
M-1を観てる時だけは、何故かあの頃のキラキラして自信に満ち溢れた頃の自分になれた。

M-1 2018、M-1 2019を見て、今の自分と比べより絶望する。

しかし、、、

M-1 2020 我々、粋、、出場。
相方のまぐろにM-1に出たいと申し出る。
快く受け入れてくれた。
死ぬほど嬉しかった。
またまぐろと一緒に漫才が出来る。
M-1に向け練習する毎日、その瞬間だけは漫才師であれた。
しかし、1回戦敗退。
悔しかったが当然。
舞台に1回も立ってないし、そもそも1回戦通過出来るような漫才じゃなかったのだろう。
悔しかった。
ひっくり返したかった。

M-1 2021も出場するが、1回戦敗退。
これは1番悔しかった。
最寄駅からの実家に帰るまでの道で結果を知り、
途中で小さな公園へ行き、泣いた。
情けなかった。
相方を誘っておいて、このざま。
張り裂けそう。
でも悔しいのは俺だけじゃなかった。

俺もまぐろももっと舞台に立ちたい。
来年のM-1では成績を伸ばしたい。
そう思い、今に至る。

今現在僕たち私たちは、
大阪でフリーで活動中、芸歴5年目、粋のこうへいとまこと。
stand.fmで粋のいなせ通り177 約30分のラジオを配信中。
3/6.9に新劇場バトルライブ口火 vol.11.12に出場予定。
粋のYouTubeチャンネルも開設しようかという話もしている。

正直、、、

めっっちゃくっっちゃ楽しい！！！！！！
今までで1番楽しい時間を過ごしてる！！！！
少しずつでも前に進んでる気がする！！！！
面白い人達ばかりやからライブも勝てるかは分からんけど自分達を全面に出した自信のある4分漫才が出来る予感がする！！！！

前までは俺が俺が。になってたけど、今は2人でネタ作りも出来てる。
何かを成し遂げた訳ではないが、
まこっちゃんと漫才、ラジオ、それでご飯を食べて行け、更にM-1で優勝出来ればもうそんな幸せなことはない。
その未来に向かって走るのみ。

まこっちゃんは俺に救われたと言ってくれる。
そうなのかも知れないけど俺からしたらそうじゃない。
俺がずっとまこっちゃんに救われてた。
今も救われてる。
これから先も救って欲しい。
救い救われ合いたい。

まこっちゃんが相方なら、どんなピンチも笑って乗り越えられ、どこへでも行け、何者にでもなれそう。

一緒に面白い漫才をしたい。

粋の看板はまこっちゃん。

生死を乗り越えた僕たち私たちの絆はかなり硬い。

心の骨折をすればする程治れば今より強くなる。

俺は漫才師になりたいんじゃない。
まこっちゃんと、粋として面白過ぎる漫才師になりたい。

失礼します。どーも粋と申します。
宜しくお願いします。