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症例のごみ箱?とある統合失調症者の成り行き


「統合失調症は症例のごみ箱」


私が精神を病み始めたころ。精神科医Dr.林のこころと脳の相談室というホームページに、
「統合失調症は症例のごみ箱」
なる項目が立っているのを見つけた。今はあるかどうか分からない。
私は素人だが、除外診断とか繰り返していくと必ず、外因性でない原因が出てくるらしい。器質性でも薬物性でもない場合、内因性として統合失調症に行き着くそうだ。

晶文社刊『統合失調症ぼくの手記』でブログ記事が一冊の本になっている。オーストラリア在住の青年が書き続けていたらしい。この人の場合は薬物性の統合失調症、とあとがきに付してある。麻薬の使用が原因らしい。さいわい、この人の場合、専攻だった美術(fine art)を武器にして社会復帰している。

「家族は怖い」なる主張を繰り返す某カウンセリングルーム


さて、病気でも何でもない「特質」なら、私のような素人でもいくらでも語ることを許されるらしい。ならば、その辺りを連ねてみたい。

時間順に見ていこう。私が学生の頃出会った本には、
「家族は怖い」
なる主張を繰り返す某カウンセリングルーム界隈があった。
1回のセッションが1万円以上という所だった。今でも存在するのだろうか。

そしてその正体を見ていくと、家族機能研究室(IFF?)なるものが立ち現れる。私も最初ADHD疑いでとある話題になったクリニックにかかり、うつ病の診断で「相談所」に回された。

厳父逝く・「我が亡き後は……」


私はそれから約20年後恐れていた父を見送った。しかしながら、内臓の慢性疾患によって意識障害がひどくなっていく父には、往年の威厳がなくなっていった。父には悪いが、同業者で私を庇護してくれる存在でありながら家庭内では私の転職も許さない強圧的な存在だったため、調子の良い兄弟と違い私は随分と父に苦しめられたのだ。

彼らの提唱する概念は検索用で書いておくが、「機能不全家族」とか「アダルトチルドレン」(AC)とか毒になる親(毒親)という概念でクライアントをがんじがらめにするものだった記憶がある。

彼女未満も友達もいなくなった


この存在と関わったばかりに私は学生時代からの女友達(先立って例の相談室に入り浸っていたらしい。都内在住で金には困らない家のようで貧乏な私は眼中にないらしかった。)に結婚を袖にされた。袖にされる前に誰かの子を身ごもっていたらしい。周囲も私と彼女が既に結婚するものだと思っていたらしく、ショックだったのは私だけでなかった。

それだけではない。ブログに「ACはカルトだ」と書いたところコメントに「はてブ」ユーザから「ACに憩いを見つける人達を慮れ」と苦情をいただいた。学生時代の彼女も、ACに加え現与党の集票マシン党の教団所属を表明し、これで私は決別を決意した。今にすれば振られて正解だったと思う。

なじまぬ土地で病み果てて


病み始めたころ、結局は相談室もクリニックもインチキだという老医の元へ親戚の紹介もあり転がり込む。そこでの数年間、私は度重なる問診に幻覚、妄想等を告げずに来た。その間に今でこそわかる「統合失調症」だが、職場ではミスを繰り返すわ休職を繰り返すわで転落の一途だったと思う。それらが病気のせいだと知る頃には老医にさじを投げられ、現在かかっている精神科病院への紹介状をいただいた。紹介状は半日をかけてのもので、待合室に戻ったときの気まずさといったらなかった。

今でこそ精神科病院の情報ボードにIFF関連の貼り紙を見なくなったが、私が任意入院した頃までは喧しいものがあり、情報ボードには辟易として目もくれてやれなかった。

それからというもの15年間、私は統合失調症の再発と生活能力の低下と症状の固定化に苦しめられてきた。何度も休職するうちに、職場での居場所はとうとう皆無になってしまった。協調性の欠如という名目で昇給を止められボーナスも減らされた。もっともパワハラ上司の「系譜」というクモの巣に絡げとられた格好で、私だけの責任ではないことはここで声を大にしていいたい。

職場をあとに


さて、長い間在籍した職場をあとにする準備はできた。つまり、当時の担当医の先生に思い切って、障害者手帳と障害者雇用についてアドバイスを受けることになったのだ。そこで、私の病名についても先生から正式に告げられた。その時は私がこういう病名ですね、と聞くと先生が相づちを打つというやり取りだった。障害者雇用は主に、清掃やバックオフィスのお仕事ですということだった。

少し時間を飛ばす。休職するうちに社会復帰ができなくなっていた。先ほどの担当医の先生から就労許可をもらい、社会復帰への道は就労移行支援から始まった。そこでは1年強しかいられない。更に転職活動をすることになったのだ。
(後日譚。障害年金申請時に無職だったが、あとで厚生年金記録がついているつまり働いていることが共済に分かり、級をひとつおとされている。)

概念の流行:HSP、占いブーム、ほか


そして現職では3年以上続いている。Twitterで活動するうち、今度はHSPなる概念が他のアカウント所有者達に競って使われている。思わずIFFの仕掛けた概念かと思っている。

私にも悪い癖があるのだが、人に
「あなたもHSPの○○型」
とか決めつけられると得意になっていたクチだった。自省を込めて。
来歴からいうと、毒になる親発ACカウンセリング、精神科入院ととある話題になった占いブーム、それからHSPという違和感ある概念との遭遇と相成るのだ。情けない限りである。
(了)

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