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『そそぐ』を読んで

こんにちは。高校5年生です。

今回も、小説現代第五十九巻第十号に収録されている短編小説の感想を書いていきます。「今回も」と言いますのは、703回目の記事で1度、感想を書く記事を書いているからです。そのときは、『巻き戻し』という作品について感じたことを書きました。良かったらそちらもご覧くださいませ。

これから感想を述べる作品は、『そそぐ』です。吉住さんが書いていらっしゃいます。ネタバレを含みますので未読の方はぜひ、目を通してからこの先読み進めてくださいね。
また、『巻き戻し』の感想を書いたときと同様、好き勝手に感じたことを書きます。「素人がまた何か言ってるわ」と思ってお許しくださいませ。

始めに、読み終えた直後の感想から書きます。物語後半で真相がはっきりするタイプの小説なので読んだ直後は「おお!」と、とてもスッキリしました。前半では「この人何者なんだ……隣の家にいるってどういうことなんだ……」と想像を膨らませ、こういう展開が起こるあらゆる可能性を考えます。そして後半、答え合わせになるパートがやってきて、「そっか……そっかなるほど……」と少しずつ絡み合った糸がほどけていくのです。ミステリを読む感覚ですね。私は完全にファンの男性の妄想だと思い込んでいたので、隣人の正体が分かったときは啞然としました。

面白かったポイントは2つあります。1つは既に書いた通り、推理しながら読み進めていける点です。難解なミステリ小説、専門用語の多いサスペンス小説は途中で飽きてしまう私ですが、題材が身近な対象であるアイドルだったこと、そして短編だったことのお陰で最後までドキドキをキープしたまま読み切れました。

もう1つは描写が好みだった点です。面白かったポイントとして「描写が好みだった」を挙げるのは変かもしれませんが、好みでした。私は読み進めていくうちに「この書き方は合わないな」と感じると読むのをやめてしまうケースがあるのですが、『そそぐ』の書き方は好みだったので、おそらくこれが長編小説だったとしても読み切っているでしょう。

話は変わりますが、掲載された芸人さん達の短編小説を全て読み切ってから小説を書き始めました。新しい小説を読み、創作意欲が刺激されたのです。ただ残念なことに、2ページ埋めたところで飽きてしまいました。昔からそうなのです。いつも勢いで書き出してしまい、途中で書きたいことが出てこなくなってやめるのです。最初はこの文章しかありえなかったと思うくらいポンポン言葉が出てくるのに、2ページ目ぐらいで「この先、何も浮かばない……」という時期がやってきてしまうんですよね。そうならないためにプロットを作ってから書く作家さんがいらっしゃるわけですが、私の場合はプロットを作ると、プロットが出来上がったことに満足して小説を書きません。執筆、向いてないですね。
それを踏まえると、1本の線で繋いだように綺麗にまとまっている『そそぐ』がどれだけすごいのかが分かりますよね。

以上、「『そそぐ』を読んで」でした。
最後までお付き合いくださってありがとうございました。

次の投稿でまたお会いしましょう!