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『怪物』を見た。

『怪物』を観て、感想をいくつか見聞きした。
地元がロケ地になっていて、有名監督が作ってるくらいの認識で見に行った。

正直、実写映画を観る力があまりないので、適当か不明だが、いろんな方の感想を見聞きする中で自分なりの感想を得た。

シーンとして印象に残っているのは、
・終盤の引っ越してしまうのを惜しむシーン
・生まれ変わりについて否定的に言うシーン。
・台風の日に先生が窓の外から「そのままで良い」というシーン
・最後の柵が無くなった橋のシーン。

(以下、あらすじはあまり書きませんが一部ネタバレになるかと思います。)

感想を得るに至ったきっかけ


三宅香帆さん、明日菜子さんのスペースを聞いたことが感想を得るきっかけになった。
こちらではかなり色々なことを語られているが、一つの論点として
「最後のシーンで2人は生きていたのか?」が話されている。

(私は正直、スペースを聞くまでは生死に全く意識は向いていなかったが)
スペースを聞いて改めて思い起こすと
・水路を抜けて明るい先に出る。
・水路を潜る前の場所は雨が降っていたのに出た先は晴れている。
・元々あった柵がなくなっている。
など、単純に「生きている」とは解釈しにくい要素だった。

ただ、スペース内で話されている通り、この形ではあまりにも報われないように思う。
最後のシーンの私の直感的な感想は「生まれ変わった」であり、それとも齟齬する。
そもそも、最終シーンについてこの「生まれ変わった」解釈がとりにくいのは、作中で生まれ変わりについて否定的な発言があるからである。

作中の要素としては下記のものがある。
・死んでると取れる描写
・生まれ変わりについて否定的な発言
そのうえで、私の
・生まれ変わったように見えた
もそのまま受け取れる要素はあるか。


生まれ変わりの解釈を変えたらどうか。


生まれ変わりというと、2人の生まれ変わり(二人が別世界に行ったり、死後の世界自体になっていたり)を単純に想像するが、2人の環境社会自体が変わるのも「世界の」生まれ変わりと呼べるのではではないか。

世界が(=二人の周囲の環境が)変わった要素は何かあったか。
おそらく、最後のシーンの背景状態はそう言えるのではないか。

台風の日に先生は湊の家に行き、「間違ってない」と叫んでいる。
この「間違っていない」は、ゲイであることを肯定しているのだと思う。(その直前の作文を読んで反転した文字を見つけるくだりで気づいたのだと考える)

それまでは、「男だろー」と"男らしさを強要してる面も見られ、それきっかけで
湊くんは先生に対して反抗的な態度を取る。
→校舎内を追っかけて「先生、麦野に何かしたっけ?」につながる。

事実を(ゲイであることを)把握してるって面だけを見ると、当事者以外で把握しているのは、最後まで星川くんの父だけである。
それを最後の場面で保利先生が気づく。その気づきを世界の生まれ変わりととらえているのではないか。

ただ、そうとらえても伏見校長の振る舞いとかはあまり、説明の理屈をつけきれていない。もう少々感想を見つつ考えたい。

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