【超重要】個人系予備校の利用を検討する特別区経験者受験生・社会人経験者受験生に伝えたいこと2選

今回は、個人系予備校の利用を検討する特別区経験者受験生・社会人経験者受験生に対して、検討する際のポイントを解説していきます。

まず、現状について。
近年、大学受験業界ほどではありませんが、公務員試験業界にも、個人系の予備校・オンラインスクールが増えてきています。

ここでいう「個人系の予備校」とは、自身の合格経験をベースにして、予備校等において仕事としての指導経験を経ることなく、受験生指導を行うタイプの予備校を意味しています。

また、採用後の行政における実務経験が薄い、短いといった側面があることが多いです。2~3年程度でやめてしまっているケースが多いように見受けられます。

安定している公務員をやめる選択肢をしていることは自体、それぞれの事情、判断があることですので、特に問題視するものではありません。

ただ、少なくとも、公務員として一人前になっているとはいえない、というのが当方の見解です。

やや厳しい評価だと思いますが、昇任・昇格することなく、係員として従事している経験をもって行政経験がある、行政の立場を人に伝えられる、ということには違和感を持たざるを得ません。

公務員、特に事務職として一人前になるためには、①複数部署の異動経験、②10年程度の勤務経験、③係長に昇格し、係長としての業務経験を積むことが必須といえるでしょう。

さらに、社会人経験者試験を受験していない、合格していないにもかかわらず、社会人経験者向けの指導をしているという方も一定数いらっしゃいます。つまり、主に大学性が受験する大卒程度の試験の経験をベースにして、採用の評価軸が異なる社会人経験者向けの試験指導をしている、ということです。

このような場合、論文対策の指導の応用部分や社会人経験をアピールしていく面接対策の指導に課題が残るといっても差し支えないことと思います。同じ採用試験でも、新卒時点と中途採用時点で評価軸が異なる、というのは、社会人として理解いただきやすいところだと思います。

※本稿は、個人系予備校自体が悪いということを伝えるものではありません。ただ、個人系を利用すると、講師の力量が直接的に指導に影響することになる、価格設定が高めなど、気をつけることがあります。この点を、時間とお金に制約条件がある受験生に正確に伝えることを目的としています。貴重な時間とお金を有効活用するための材料にしていただければ幸いです。

以上の現状を踏まえ、検討の際に気をつけることを説明していきます。
既に現状で伝えてきた内容を踏まえたものになっている点にご留意ください。

①「講師の力量」が、社会人経験者向け指導に達しているか?

社会人経験者向けの試験を指導するためには、少なくとも、社会人経験者に合格しているか、公務員としての実務経験をそれなりに経験していることが望ましいです。

それがないから、良くない、ということではないですが、いざ受験生活を初めて、受験指導を受ける際に、社会人受験生が悩むこと(仕事との両立、業務経験のアピール方法など)について、講師が一般論しか言えない、という事態が生じるリスクがあります。

業務経験も、社会人としてのライフステージ(結婚、子育て等)について、講師自身が経験していないから、一般論しか伝えようがないのです。

過去に在職した職場の先輩に相談して情報収集するという方法をとることも考えられますが、所詮は伝聞の情報であり、一般論を超えるものにはなりません。

また、指導スキルについても、最も重要な論文&面接について、社会人経験者に特化した指導を提供されないリスクがあります。

よくあるのは、個人系予備校やココナラ等で論文や面接指導を受けた方が、ずれている回答・答案を準備してしまっている場合です。

セカンドオピニオン的に相談を受けた当方からみれば、目指すべき方向性からずれていたり、受験生の強みを活かせていないことが明らかなのですが、それを教えていた方が理解できていないのです。

指導するなら責任をもって指導して欲しいのですが、残念ながら、教える方ご自身の力量不足ですから、本人も気がつきようがない、という状況でした。結局、受験生自身が違和感を持って、別の予備校等に相談して発覚する、ということが多発しているのです。

社会人受験生の貴重な時間とお金を何だと思っているのか、教える側の責任・プロフェッショナリズムをどう考えているのか、同じ教える側に立つ人間として、職業人として、怒りを禁じ得ません。

講師の力量を事前に確認する(見抜く)には、その講師の経歴や提供情報(ブログなど)を確認するようにしましょう。

なるべく文字・文章ベースのものが望ましいです。なぜなら、一定分量の文章を書くと、そこに書き手の人格・特徴が現れるからです。動画などの言葉で話す場合は、話の流れや演出などでごまかすことができますが、文章ではごまかすことはできません。指導に関して、まとまった文章を書くことができているか、という視点でチェックするとよいでしょう。

②提供講座の価格が高くないか?

特に、択一・論文・面接を全て含む「フルコース」のみを提供している場合に気をつける必要があります。

社会人経験者向けの指導は、添削がメインとなるものであり、個別指導的な要素が強くなるため、講座の単価が高くなりがちです。

しかし、この状況に便乗して、特に添削などの個別指導的な要素があまり含まれていないにもかかわらず、価格を高めに設定しているケースが見受けられます。

定期的な面談や質問対応などをセットにすることで、価格帯を一般的な予備校のフルコースと同程度にしているようです。しかし、指導内容自体が薄い場合は、受験生が合格レベルに達することが難しくなります。

インプット講座はどうなっているか?
アウトプット講座はどうなっているか?
添削(論文、面接)は何回できるのか?
模擬面接は、いつ、何回できるのか?

といったメインコンテンツの確認をした上で、それが設定価格に合致しているかをよく吟味しましょう。

直感的に高いと感じた場合は、自分の肌感覚の価格と比べて、どのくらい高いかを確認しましょう。1~2割くらいの差がある、倍くらいの差がある、といった形で、定量的に把握することで、その差分を受け入れることができるかどうかを的確に判断することができるようになります。

併せて、自分がどこを伸ばしたいか、どの点を厚く指導して欲しいと考えているかを整理しましょう。その点を満たしているかどうかで判断することで、申し込んだ後に悔いなく利用することができるようになります。

これまで多くの受験生をみてきましたが、自分が求めることを明確にしないで申し込むと、あとで申し込んだことを後悔したり、受験対策に迷いが生じてしまって良い結果が伴わないことが多かったように思います。

以上、個人系予備校を検討する際のポイント2選を説明してきました。

講師の力量に関する話がメインになってしまいましたが、個人系の場合は特に重要なので、これまで以上に厚く解説してみました。

個人系自体が悪いと言うことではないのですが、力量がない個人系講師は受験生にとって詐欺的な意味でデメリットを与える存在になりえます。もちろん良い個人系講師の方もいらっしゃいますので、受験生には、よく吟味していただければと思います。

これからの時期は予備校の勧誘が増える時期です。来年の受験で笑うために適切な指導者を選択する際の一助になれば幸いです。


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