土曜日からの吉本芸人とTVについて
先に書いておきます。ただの芸人ファンの戯言であって、関係者とかではありません。
宮迫・亮会見とワイドナショー
この問題の発端を話した…とされるのが土曜日の両人の会見で、あっちこっちで手のひらクルーが見られるようになったきっかけのもの。
会見を見てたはずの人も気づいていない節があるのだが、宮迫さんたちの会見って、吉本を断罪して欲しいっていう会見じゃないのよね。何で謝りたいって言ったときに謝らせてくれなかったんだって話であり、もっと早く謝りたかったけど謝れなくてごめんなさい会見なのね。まあ、その中で「何で謝れなかったのか」に吉本の体質が出てきたわけで、その時のマスコミの質問のアレさも相まって吉本対応に批判が集まってるわけだけども。
で、あれを見て動いた松本さんが、翌日収録済をお蔵入りして生放送したのがワイドナショーな訳だけど。
見てて気になったのはCMの使い方。
松本さんもTVな人になったのでわかってたとは思うけど、生放送ゆえにある程度言葉は選び過激にならないようにしてたように見えるんだけど。
核心的な話を深掘りしようとするタイミングで、アナウンサーからブレイク→CM入ってる感があるのよね。
多分松本さんは(元マネージャーが現社長・会長という立場ゆえ)話し合いで色々聞いてはいると思うし、吉本トップを変えれば何とかなる話じゃないのも知ってるはずなんだ。
それゆえの「乳首相撲」なわけで、社長にも同様の罰を受けてもらった上で仕組みを変えて行こうと働きかけてたんじゃないかなー。
とりあえずこの辺は今日の岡本社長の会見を見てから出ないと確証は持てないんだけど…。
ただ一つ言えるのは、宮迫さん亮さん会見は言いたいこと言えてるだろうけど、ワイドナショーでは松本さんは言いたいことを全部言えているわけじゃないってところ。これを忖度というのは簡単なんだけど、芸人という「役割」ゆえの忖度でもなく、吉本に対する忖度でもなく、フジテレビ(ワイドナショースタッフ)側が忖度を強要した結果があれじゃないかなあと感じています。
加藤浩次氏はスッキリ!に利用されている
で、月曜日のスッキリ!になるんだけど…。
加藤浩次という男は、今も極楽とんぼ(コンビ)としてはTV出してもらえないっていう事実があり、それゆえの思いがあって強い言葉を発せられる立場ではあるんだ。
ただ、その恨み(?)を個人的に利用されている感があるのです、ここんとこのスッキリを見てると。
この件で吉本はトップが断罪されるべきって言葉を引き出し、それをCMで遮らないってのは一見いいことのように見える。春菜ちゃんも理不尽な吉本対応があったわけで、そこについて加藤さんを止めないのもわかる。
けど、これを放送するのって、彼らの義憤が正しいかはさておき、それを利用したスッキリスタッフ…というか日テレの策略に感じてしまう。加藤さんや春菜さんの素直な感情を利用した、日テレが見せる忖度。
視聴者の怒りを代弁するための忖度。
偽善者ではないように見せるための偽善者がやらかす忖度。
そんなのに加藤さんや春菜さんの怒りが利用されちゃうんだなあと感じるのよね。二人が悪いんじゃなくて、利用されてる感が透けちゃうTV局の態度が何というかその。
24時間テレビが近いから、視聴率稼がないとねってあたりが透けてるのよな。この手の番組ってどこもそういうもんだろと言われるとそれまでだけど。
ワイドナショーは「生放送」ゆえに本質的なことを「言わせない」(そして察した芸人)番組であり、スッキリ!は「生放送」ゆえに批判できる番組「アピール」に利用された(それに気づいていない芸人)番組。
構図は異なるんだけど、テレビ局の手のひらで踊ることしかできないんだなあと思うしかない。当事者所属芸人ゆえに。
ビートたけし氏と爆笑問題
会見当日夜のニュースキャスターと翌日ワイドナショーの裏番組だったサンデージャポン。ここはメインが吉本ではない(サンジャポにはサバンナ高橋さんが出てたけど)ゆえにできる批判が行われたけど…。
ちょっとピントがずれた吉本(&会見)批判をしてるのと。
松本さん(ワイドナショー)意識しすぎ感が満載で、なんというかさあ。
とはいえ、たけしさんや爆笑問題の二人が悪いわけではない。この人たちはこの人たちで「芸人とは何か」を持っている。んでもって、いわゆる「ヤクザさん」との付き合いについて「芸を見せることに躊躇はしない」人たちである。そこにつけ込んだ構成だったなあとぼんやり思ってます。
本当のところをいうと「反社会的勢力って見分けがつかないし、騙されてお金を受け取ったらアウトっておかしくね?」っていう私の立ち位置もあるので、割とたけしさんや爆笑問題の二人の意見よりではある。
加藤さんと比較するならば。
だが、結局「吉本がおかしい」「吉本が断罪されるべき」論に終始してたなあという印象が強い。(この辺は会見編集方針についても強く感じる)。
まあ、直営業しないと食えない吉本の契約体系はどーよっていうのはその通りだと思うよ。センスがなければ売れないのは当然だしふるいにかける必要はあるだろうけど、さすがに歩合給がアレすぎるので。あんなに低い状態では直営業せざるを得ないし、宮迫さんみたいな後輩思いかつサービス精神旺盛ゆえに詰めが甘い芸人は食い物にされてしまうのも防げないと思うんだ。
一番のキーマン・入江さんの行方
で、TV局がどこもこぞって触れないのが、カラテカ・入江さんについて。
彼の証言があれば、この件の本質的問題が見えてくるんだけど…実はこの辺、上記報道系で語られてないのよね。なんというか、契約解除時に「入江さんが反社会的勢力とつながっていた」でFAしてるというか。
会見の中で亮さんがぽろっと言ってるんだけど「吉本が今度やるイベントのスポンサーだから大丈夫って言われた」って言ってるのよね。これ、「入江さんが反社会的勢力だと知らなかった」証拠でもあり「このスポンサーを入江さんに紹介したのは吉本側では?」を生み出しているわけだけど…。
ぶっちゃけ、契約解除になっているなら、勝手に謝罪会見していいわけですよ。宮迫さんたちみたいに。それをしないのはなぜか。そして入江さんの現在を誰も語らないのはなぜか。
…結構マジで生きてないんじゃないか?と思ったりしてるんですが。
(ところで報道キャスターで流れた「松本人志会社に行く!」のVTRの一番最初の端に、スタッフ的行動をしている入江さんっぽい人が映ってたように見えたんだけど…だれか映像持ってないかしら…?)
TV局の忖度以上はできない
ただし、今誰に忖度しているかは、吉本興業に対してではなく「自分たちが叩く相手を求める視聴者」になってる点について。
これはTVに出ているタレント扱いである以上はできないんだろうなあと思うのです。大御所であっても、芸人であっても。求められる役目を演じるだけの猿でしかない。
猿回しは誰なのか
「芸人は猿回しの猿で、猿が謝るのはおかしい」と言ったのはたけしさんなんだけど、今や吉本興業…というか岡本社長すらも「猿」に格下げされ、消費される。
ボス猿が謝罪してボス猿が断罪されるというのでいいのだろうか。
…多分「それでいい」という人は一定数いると思う。加藤さんなんかは「猿じゃなくて猿回しの方」だと思っているから断罪でいいと思ってるんじゃないかな。立場を考えるとそれを批判することはできない。
ただこの件において「本当に猿回しが誰なのか」がうやむやになるのはやめてほしいなあと思う。松本さんはそこまでわかった上で動いてると信じたい。
猿は「俺を回してる本当の猿回しはこいつだ」と行動で示すことができる。それは明確な言葉で行われることは少ない。そして、それはいたって効果的なタイミングで発生させる。
岡本社長の会見は14時からだという。
彼という「猿」を断罪させるだけでは、「猿回し」にたどり着けない。本当の猿回しが判明するのか否か。
あんまり期待せずにチェックしたいところである。カットなしの中継が入ることを祈って。
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