見出し画像

「続けてきた」という自信、「続けていける」という自信

私は、家庭料理や素朴なお菓子を作ることが好きです。材料や調味料は目分量と経験ではかり、火加減や加熱する時間も気候や材料の熟し方などにああわせて、適当に決めるのです。
 
できあがった料理の写真を撮り、レシピをFacebookやTwitterで公開するようになったのは、3年ほど前でしょうか。
 
レシピは「命令形」でつづっているため、掲載した途端に、友人たちから矢のようなツッコミが飛んできます。
たとえば下記のような感じです。
 
【フライパンでりんごケーキを作ったらちょっとこげた!!】(2016年12月31日Facebook)
1.リンゴ1個をスライスしてフライパンでいためるんだ!
2.ボウルでホットケーキミックス100g、卵1個、砂糖10gくらい、牛乳70㏄、サラダ油大さじ2、1で出た煮汁があればそれを混ぜるんだ!
3.1.のリンゴをきれいめに並べた上に、2.を入れて火を通すんだ! (IHクッキングヒーターの場合、弱めの火でじっくり15分以上)


そもそも、写真とレシピを公開するようになったきっかけは、循環器の先生に「痩せすぎ」を指摘されたこと。身長167㎝に対して、一時は体重が44キロまで減ったため、
「身体の病気であれば、僕が検査や治療をすることができるけど、もしちゃんとご飯を食べてないなら、僕にはどうしようもなくなるよ」
とたびたび指摘されるようになりました。
 
私自身は、しっかり食べているつもりだったのですが、「食べている」ことの証明は、なかなか難しいものです。現に体重が維持できていないのだから、口だけで「食べている」と言い張っても、証拠になりません。
そこで、ノートに食べたものを記録するようになりました。しかしながら、文字だけでつづっていると、何かの修行をしているような気持になるため、写真をのせたり、友人との食事であれば、楽しい思い出も書いたりと、工夫をするようになりました。
 
「せっかく、写真を撮ったのだから、Facebookにのせようかな?」
「どうせなら、レシピも公開しよう」
と考えるようになったのは、自然な流れだと思います。
 
レシピを命令形で書くようになったのも、単純に予測変換の加減でおかしな日本語になったことがきっかけでした。
「プライベートで書くものだし、このまま公開したら楽しいな」
と感じたのです。
 
このようなささいなキッカケで始めたことでも、2年、3年と続けていくことで、「自信」がうまれます。
大きなことで1度、華々しい成果を上げたという自信とは質の違う、硬くてもろかった自分の中に、しなやかな芯が生まれ、簡単には折れなくなるような、そんな自信がつくのです。
 
私自身も、そもそもの問題であった「痩せすぎ」は、時間をかけて徐々に回復させることができました。今でも「ヨットに乗るのに十分な体重である」とまでは言えませんが、痩せすぎが原因で健康を損ねるような恐れはもうないというレベルまでは回復できています。
 
何を成し遂げたか、何に取り組んできたか、ということとは別に、「2年、3年という時間をかけてきた」という事実そのものが、すぐに他のことには代えられないため、自信の大きな源になっている気がします。
今から、何かに同じだけの時間をかけようとすれば、当然ながら2年、3年後までかかってしまうのです。
 
仕事でつまづいたとき、プライベートでつらいことがあったとき、それでも「これを続けてきた」という自信を持ち、そのことを続けていくことで、自信を回復できる。
そんな何かを持っておけると、いいですね。
 
豚肉の紅茶煮。時間をかけてコトコト煮ます。


いただいたサポートは、ライター志望、フリーランス志望、地方在住で起業を考える皆さんに向けたセミナー運営費用などに使わせていただきます。