資格の本の表紙

資格マニアを仕事にできた理由

初めて資格を取得したのは、高校2年生で4級アマチュア無線技士を取得したときでした。「資格を取る」ということが本当に好きになったのは、大学院在学中に工事担任者デジタル第3種を取得したときでした。その試験では、非常に特異な洋服で受験された方が同じ会場にいらして、試験後にネット上の掲示板で行われた答え合わせ会で、その方の話題で盛り上がりました。その出来事の印象があまりにも強く、なぜか資格を取る、という行為にはまっていくきっかけとなったのです。

それ以来、「私は資格を取るのが好きだなぁ。仕事のために必要な資格を取るだけではなく、いっそ、資格を取ることを仕事にできたらいいのに。そうなったらいくらでも勉強できるのに」と思うようになりました。

「……こうなったらいいのに」とは、現実がそうなっていない場合に思うこと。私自身、そんな生き方を実現する術も知らず、そもそも自分が一般企業や役所などに就職しない(できない)未来なんて考えるはずもなく、しかしフリーランスとしての生活に突入してしまいました。

41才となった今、「特定の資格を、ライターの仕事に活かす」という形ではなく、「資格を取るという行為そのもの」が、私自身だけではなく、周囲の人からも「あの人の仕事の一部」と認められるようになってきました。今日は、そうなった理由をいくつか、列挙してみます。資格マニアを仕事にすることに、ご興味のある方の参考になりましたら、幸いです。

理由1.仕事にならなくても止めないでいたこと

私にとって資格を取ることは、趣味でありレジャーの1つです。遠方で宿泊しなければ取れない資格であっても、その地の特産品を食べたり、観光をしたりするのと同じくらいワクワクしながら、出かけます。

「仕事になるかどうか」とは関係なく、資格は取りたくて取りたくてたまらない。だから、止めないし、止められない。

そのような自分の衝動を否定せず、ヤフオクで受験料や宿泊費を稼ぎながら、受験し続けてきたことが理由の1つです。

理由2.原稿を書くとき、関連資格を持っているなら必ずアピールすること

クライアントから「金融関係の原稿を書くことができる人を探している」という打診があった際には「私にはFP3級の資格があります!」とアピール。「医療関連の原稿を……」と言われたら「医療情報技師やメンタルヘルス・マネジメント検定を取得しています!」と、ともかく資格のことはアピールします。

いい加減な情報を発信してしまうことのリスクに、クライアント側が非常に敏感になっている現代は、資格があるということが強力なアピール材料となります。それに加えて「あの人は、やたらめったら資格を持っているなぁ」というい印象を持ってもらえることで、「資格を取る」ことについての原稿を回してもらえるようになり、資格マニアであることがすなわち、お金につながります。

理由3.「資格を取る」ことについての情報を自ら発信すること

私は先月、資格を取ることについての本を出版しました。このほかにもウェブサイトやブログなどで「こんな資格を取った」というアピールを続けます。

ここでポイントとなるのは「今の仕事に必要な資格を取った」というアピールをすることと、「私はやたら資格を取るのが好きだ」というアピールをすることは、異なるという点です。どう異なるのか、どう表現すべきなのか、という点を話し始めると、ライターとして話が長くなりそうなので、いったん脇におきます。

理由4.資格を取るための生活習慣や行動などは、全てお金に変えることができると信じること

本にも書いたのですが、資格を取るためには、お金や時間をどう確保するのかという現実的な問題から、モチベーションの維持など心の問題、さらには人間関係を円滑にするには、といった問題も1つ1つ解決しなければなりません。

「資格を取る」という行為だけではなく、これらの問題を解決してきたという自信、経験から得た法則などは、お金を稼ぐことにつなげていくことができます。たとえば、それらのノウハウを伝授するセミナーを開いたり、本を出版したり、あるいはカウンセラーとして悩み相談に応じるなどの方法もあるでしょう。

大事なことは「資格だけ取ってもお金にならない」という見方や固定観念を捨てることです。「自分の経験をお金に変える方法はいくらでもある」という見方をすれば、色々な方法が見えてきます。

理由5.まずは自分が「資格マニアが仕事です」と認めること

ここまで色々な理由を書いてきましたが、結局のところ、まずは自分が「資格マニアでい続けることが仕事なんです」と認めないと、話が始まりません。

フリーランスという立場になって思うことは、「このくらい仕事ができればいいよ」「このくらい収入があれば1人前だ」と決めてくれる他人がいない、ということです。これは、ライターだけではなく、士業の先生でも、小売業の方でも同じなのかもしれません。

それでも「私、まだまだ仕事ができないけど、ライターなんです」「レベル低いけど、それでもよければ、仕事をさせてください」と言っている人には、クライアントが集まってくれません。そういう自信のないライターに仕事を依頼するのは不安ですし、なによりも、そんなめんどくさい人に自信を与えることは、クライアントの仕事でも責務でもないからです。

フリーランスは、自分で「できます」と認めてやらないと、いつまでもできないまま。

だからこそ「資格マニアが仕事なんです」とまずは自分が認めてやりたいと今は思います。

2020年1月10日 新刊発売

河野陽炎へのご依頼

コーポレートサイト用の執筆料金
・サイト構成+ページ構成+インタビュー取材+執筆(1ページあたり)=4万円〜
・サイト構成決定済み、ページ構成+インタビュー取材+執筆(1ページあたり)=2万円〜 ページ数や文字数、既存の資料の多寡に応じてご相談
採用サイト( Indeed 、Wantedly対応可能)の執筆料金
・事前打合せ、採用マーケティングなどご相談 1時間あたり2万円~
・取材+執筆(1ページあたり)=2万円~
note、コラム等の料金
・事前打合せ、ご相談 1時間あたり2万円~ ・取材+執筆(1記事、2000文字程度)=2万円~

コンサルティングに関しては次のリンクをご覧ください


いただいたサポートは、ライター志望、フリーランス志望、地方在住で起業を考える皆さんに向けたセミナー運営費用などに使わせていただきます。