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パソコン使用、あり?なし?ディスレクシアっ子の高校入試3

「診断」までの道のり。

そんなこんなで元気を取り戻した息子は
小学4年になったのをきっかけに登校するように。
先生は、前年度の出来事をしっかり引き継いでくださっていて、宿題にはまったく触れない態度を厳守!してくださいました。

不登校になってたことが嘘のように元気に通いました。

あぁ、たすかった・・・・命拾いした・・・
と、気を抜いてしまったんでしょうかね、私。

5年生になって、3年生の時とまったく同じ穴に落ちてしまいました。

おんなじパターンです。
先生が、とてもいい感じで
「わかりましたよ!本人の様子を見ながらやっていきますね」と言ってくださったことに安心してしまった。

先生、熱心な方で。
この子のためにと、なんとか、少しでも宿題をさせようと厳しくしちゃったんです。
私の知らないところで。

振り返ると、自分の詰めの甘さに「なにしとん?」っていいたくなります。おんなじパターンやん・・・

気づいたら、息子は、蕁麻疹を再発させただけでなくてひどい不眠症になっていました。


ディスレクシアの子はストーリーを自由に描きたい?


3年生の時よりもより深刻に心身に傷をおってしまったのには理由があったように思います。
高学年になり、子どもたちは学校行事でいろんな企画を受け持つようになり。
たとえば委員会活動などで、自分たちで考えて下級生をまとめて何かを作り上げる、といった活動がありました。

あとで学んだことですがディスレクシア脳の特徴として

「ストーリーを描く力」

が並外れている、という特徴を持つ人が多いそうなんです。

それを活かして、作家になったり、起業家として成功したりする人も多いと。

言われたことをなぞるよりも、自分で思いついたり、様々に発想して形にしたりするのが得意、という特徴があるんでしょうね。

息子もたぶん、そんなところがあって、だから
委員会活動のような自発的な活動をすごく楽しみにしてたみたいなんです。

でも、先生は、宿題をしてこなかった子には
休み時間もずっと宿題をやるように、という方針でいたようで、うちの子は、昼休みを含むすべての休み時間を、ずっと机に座って宿題と向き合って(でも、たった一行でさえも全くすすまなくて)

何か月もそうやって、友達とも遊べずに過ごしていたようなんです。

楽しみにしてた委員会は、宿題終わってない子は参加できないルールで。


もう、やだ・・・・

そんな状態になってるなんて全く気付かなかった・・・
もっと注意してみてればよかった・・・

夜中に何度も何度も起きてしまう、と、深刻な不眠状態であることを本人が訴えてきたときには時すでに遅し。

今回は、前よりも深刻に心身のバランスを崩してしまってて、これ、自分たちだけで立ち直れるのかな、とすごく不安に思いました。

なんとか、宿題をしなくても学校にいられるようにと教頭先生にまで相談してみたのですが
「公教育なので、一人のお子さんに合わせることは出来ません」と言われ。

それは、うちの子に(社会的に)死ね、って言ってるのかな?と、心底、孤独で、絶望を感じました。

(先生は、その子に合わせて成長させたいと思ってくれていたので、宿題も、どれだけ減らしてもいいと。ただ、先生と約束した分だけはやってきてほしいと。

でも息子は、自分だけ減らすとみんなにズルと思われるのが苦痛で、減らしてくれとはどうしても言い出せなかったようです。
宿題チェックは子ども同士でやるシステムだったのでなおさら)

涙の「校長直談判」

追い詰められて、ついに校長先生に面談を申し込みました。

やさしい女性の校長先生だったので、思い切って、申し込んでみました。

「宿題をやらない子は学校に居場所はありませんか」と話しながら、泣いてしまった私に

「お母さん、ごめんね。
学校って、四角いところやね。
子どもは、丸い子も、三角の子もいるのに
ぜんぶ、四角い枠に入れようとしてしまう。ごめんね」と
校長先生はあやまってくれました。

それで、なんとか宿題問題は終了。
委員会にも参加できるようになり、念願の「6年生を送る会」では発案の出し物をみんなと演出してやることもできました。
それはそれは張り切って。すごい気合で臨んでました。

そのまま、6年生の一年間も、宿題はスルーしてくれる先生とたのしく過ごして、成績はどんどん上がっていき、初めて算数のテストで100点を取った時の嬉しそうだったこと!

本人が楽しんでやる気にさえなれば
すごい集中力と突破力を見せる、という
ディスレクシアの子の典型的な成長の仕方だったと、いま振り返るとわかります。


中学の壁?

中学校もその流れで行けると思ったのですが
やはり学習量がぐんと増えるからなのか
ディスレクシア脳の特徴で
「単純な丸暗記はなかなか受け付けない」ことも影響したのか。

課題をやってこない子が集められて
「おまえらなめとんのかあ~」と体育会系に叱られる日々がダメだったのか。

交通事故にあったり、鼻の手術で入院したりでブランクを作ってしまったこと、
コロナ1年目で大好きな行事ごとがなくなって気持ちを盛り立たせる場面が失われたこと、理由はいくつもあったかと思いますが
また不眠がひどくなりました。

担任に 不眠の状況をつたえたときには
「そうは言っても、2年後には受験もありますしね」と言われました。

ゾッとしました。
不眠って、鬱の初期症状なのに。
自殺率が高いのは鬱病の初期と治りがけ。
それすら知らない先生に、深刻さをわかってもらおうとするのは無理か。。

それまでの人生で、自死をした人との接点があるかないか、そういう話をドラマででもちゃんと見て感じたことがあるかどうかの経験の差。
大きいですよね。

長江の幅くらいにへだたりを感じて
理解してもらうことをあきらめようかー、という気持ちになりました。


毎日、なんとか励ましたり叱ったり
学校に送り出してたのですが
この一言をきっかけに、怖くなり、無理をさせないことを心に決めました。

毎日、送り出しながら、
「ちゃんと家に帰ってきてくれるのか?」と心配する日々、こっちの心臓が、むり、もたない!!!

幸い、夫も、夫の両親も
「無理して行かなくたっていいんだよー
あなたはとっても賢くていい子だから」、というノリの人たちだったので、そこは本当に助かりました。



ようやく「検査」へ


部活は好きだったので、夕方と土曜日だけ学校に行ったりまったく行かなかったり の日々でしたが、不眠がひどいままなのが心配して「思春期外来」というものに頼ってみました。

そこではじめて WISC検査 というものを受けることに。

WISCは
「子どもの得意・不得意などの発達のバランスを知るための検査の1つ」
だそうです。

知ってました?????
得意と不得意の差が大きいと
生きづらく感じる度合いが増すそうなんです。

うちの子の結果は

読むスピードはとても速く知能も高い。
いろんなことが年齢の平均を超えているなかで
「視線の移動をともなう書字が極端に苦手」


このたった一行で
過去にあったいろんな「???」が、
ざざざざーーーーっと音をたてて氷解していきました。

視線の移動!!!!!!


「書き写す」系の宿題を泣いていやがったわけはここにあったんだ・・・・・

新聞記事を書き写すだけの簡単な宿題から
逃げ回っていたこと。

読書感想文、どうしても書けないから
本人に口述させて、わたしがPCで書きとって
あとは写すだけ!にしてあげたのに
そこから先が ぴくりともすすまなかった
夏休み。

よこにぴったりついて、逃げられないようにして、さあ!書きなさい!!!と
励ましても脅してもまったくすすまない、
親子ともにイライラマックスの地獄絵図・・・

でも書きたいことが浮かんだ時には
全集中してわくわくと書き綴る、
これが出来るならなぜこれは出来ない?と
謎でしかたなかったことが、やっとこさ、わかりましたよ。

すでに、14歳の夏でした。
ここまで、長かった。

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