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50代からの住まい#3 サービスを受けやすい工夫

介護が必要になっても、知らない人が家に入るという事に強い抵抗を示され、サービスの利用に繋がらない方がいます。もともと人を招き入れることが好きな人であっても、サービスで来てくれる人は赤の他人ですから、誰でもいつでも来てくださいというわけにはいかないと思われるのは当然だと思います。また、ご自身の体が不自由な状態なので、来ていただいた人がもし何かよからぬことを企てたら・・と心配になるかもしれません。もちろんそんなことをする輩はごくごく一部ですが、残念ながらゼロではありません。また、普通のお客様だと入らないような寝室などのプライベートな空間にも入ってもらうという場面もあります。そのため、女性の方であれば、男性のスタッフが家に入るという事に抵抗がある方もおられます。

もし間取りを変更するようなリフォームや、お引越しを検討しておられるのであれば、以下の点も考慮してみてください。

①長く過ごすスペースを広めにとる                   日中臥床していることが多い状態になるとリビングにベッドを置いたりすることがあります。お一人暮らしであればいいのですが、ご家族がおられる場合は、サービスを受けている間、家族がくつろげるスペースがなくなります。また、逆に家族がリビングで過ごしていると、寝たいのに電気をけしてもらえないという状態になります。ですから、夫婦二人の生活なのでリビングは小さくてもいいかなと思っても、そのような状態を想定して少し広め、もしくは少し区切れるようなスペースがあるリビングがよいかなと思います。

②プライベートスペースを確保しておく                次に、外部の人に入ってもらってもよいスペースと、ここは入らないでほしいというスペースをきっちり分けておいた方がいいと思います。一緒に住んでおられるご家族がいても日中お一人という場合はよくあります。いくつか部屋があれば、一室は家族がいない日中は鍵をかけておく、や戸建ての場合であれば、2階をプライベートスペースにし、上がらないでもらうなどの工夫をすることで心配を減らすことができます。また、サービスに入る側も、重要そうなものが目に入るところに置いてあると、もしその物がなくなった時に疑われるのではという心配にもつながります。お互いのために大事なものはサービスの人が入らない場所に保管しましょう。

③ネット環境                            インターネットなんてよくわからないからいらない、ガラケーしか持ってないから使えない、と抵抗される方が多いですが、インターネットの環境があることで、生活が便利になるものがたくさんあります。コロナの流行もありオンライン診療が一気に進みました。また、外部の人が来た時に遠隔で鍵を開けられるようにしたり、電話のところまで行かなくても声で電話ができるようにしたり、サービスを受けている様子を遠方のご家族が見られるようにしたり、体調のデータを遠隔のご家族が確認できたり、これからも色んな可能性があるシステムなので、食わず嫌いせず、簡単そうなものから慣れておくとよいと思います。

④外部の人がとめられる駐車スペース                    車も手放したし、駐車スペースはなくてもいいかな、と考えるかと思いますが、外部からのサービスは基本車で来ますので、車を置く場所が必要です。自宅周辺がとめ放題という恵まれた環境の方は大丈夫です。マンションや団地に外部サービスの人がとめられるスペースがある場合はそのような場所でもかまいません。またとめられるスペースがないからといってサービスが受けられないということはありません。とめるところがなければ、周辺にとめられる場所を探してそこにとめて来てくれます。今から選べるのであればあればあった方がベターという話です。訪問のサービスだけでなく、自分が通う形のサービスを受けることもあります。その際は家まで迎えにきてくれますので、家から車に乗るまでの動線(雨に濡れないか、家の前にしばらくとめておいて大丈夫か)などが重要になってきます。ですから自分で運転しなくなっても、車を使いやすい環境はあるほうがよいです。


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