JR沿線のガスヒートポンプ設置問題

鉄道沿線で発生する騒音に関して、環境省は、騒音対策指針、環境測定マニュアルを定めています。

在来鉄道の新設又は大規模改良に際しての騒音対策の指針 (平成7年12月)
https://www.env.go.jp/content/900400672.pdf

在来鉄道騒音測定マニュアル(平成27年10月)
https://www.env.go.jp/air/noise/zairai/manual.html


一応、札幌市の環境基準を参照しておきます。

一般地域および道路に面する地域の環境基準
https://www.city.sapporo.jp/kankyo/souon/kijunchosa/kijun.html#騒音に係る環境基準


これには、但し書き「※上記の環境基準は航空機騒音、鉄道騒音及び建設作業騒音には適用されません。」が付記されています。「在来線鉄道により発生する騒音については、法や条例などによる規制の対象にはなっていません。」とあります。

実は、桑園~苗穂の鉄道沿線沿い、防音壁無し状態の、明らかにガスヒートポンプ室外機と思われるものが建物2階レベル、3箇所程度設置されていることを列車乗車中に発見しました。

上記環境省指針によると、(鉄道)新線については、昼間60db以下、夜間55db以下となっています。
札幌駅近くのJR北海道の鉄道高架は防音壁付きですが、「これら鉄道沿線から鉄道乗車中に見える室外機」にはどれも防音壁が設置されていません。

環境基準(騒音)は道路に面した地域は高めの基準(騒音)を設定していることから、道路に面していない(鉄道沿線の)敷地の場合、(自治体環境部署に問合せし確認とれていませんが)低層住宅地並みの環境基準(騒音)が適用となりそうです。

ガスヒートポンプ室外機は、冬季間の騒音量が増加、室外機正面1メートル付近で70db前後の騒音となることが、住民による騒音測定、メーカー実機騒音測定等により判明しています。

防音壁無い状態での設置状態で低周波音が恒常的に発生している場合等、反射音による騒音被害発生が懸念されます。

以上の考察から、上記鉄道沿線上のガスヒートポンプ室外機について、道路に面していない設置個所にてそれなりの騒音が発生(低周波音含む)している場合、(環境基準を逸脱した)「脱法レベルの設置工事」と解釈できそうです。


メーカーは、出荷時点でこの点を把握、現地設置状態を確認しているのでしょうか。問題ある設置状態であるか否か、メーカー技術者なら判断できるはずです。

建築物の所有者(オーナー)には、ガスヒートポンプの工事設計ノウハウは期待できません。残念なことに、被害者住民が施工会社の施工責任を問える法的根拠を見出すことは現行法規制では困難です。

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