ガスエンジンの防音・防振対策

東ガスのガスエンジンの防音・防振対策に関する技術論文に参考となりそうな情報がありました。

コージェネレーションシステムので事例で、室外機筐体全周について防音・防振措置が必要となる根拠、防振 ゴム等 を使 用 した防振支持(振 動絶縁)の必要性について記述があります。
騒 音 レベ ル100~110dB(A)の機 関 ユニ ッ ト全体 内側 に厚 さ50mmの 吸 音材 を張 り付 け、3.2mmの 鋼 板 か らなるエ ンク ロー ジャで 囲み,騒 音 レベル を75dB(A)ま で低 減可能との見解を示しています。厚さ50ミリの吸音材とは、どんな素材なのか興味があります。

エンクロージャーとは筐体のことです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/souonseigyo1977/18/2/18_2_85/_pdf/-char/ja
コージェネレーションシステムの騒音対策
コー ジェネ レー シ ョンシ ステ ムにお け る騒 音 対策 の方法 を分類 す る と,① 機 関ユ ニ ッ トの遮 音 を 目的 とした防 音カバ ー(エ ンク ロー ジャ)や 排気 音対 策 を 目的とした消 音器(サ イ レ ンサ),防 音壁 の 設置等 のパ ッシブ な騒 音対 策 方法 と② マ イ ク ロフォ ン,ス ピー カ や高速 の演 算 用ICを 用 い るア ク テ ィブ な騒 音 対 策 方法(ア ク テ ィブ ノイズ コン トロー ル:ANC)の2つ に大別 され る。

2.1排 気 ダ ク ト騒 音
排気 ダ ク ト騒 音 は,排 気ガ スがダ ク トか ら大気 中 に開 放 され る際 に発生 す る比較 的 周波 数 の低 い騒音 で あり,ダ ク トの 開 口が通 常,屋 外 や屋上 にあ るた め コージェ ネ レー シ ョン システ ムが住 宅地 の近 隣等 に設置 され る場 合 に と くに問題 に なっ て くる。 と くにガ スエ ンジ ンの場合 には,こ の騒 音 は排気 弁 の 開 く回数,い いか え る と機 関 の回転 周波 数 及 び その 高調 波 の成分 が 主要 な もの となっ てい る。

2.2機 関本 体 か ら発 生 す る騒 音
機 関 音 はガ スエ ン ジンの場 合 シ リンダ 内で燃 料 が爆発 的 に燃焼 し,そ の燃焼 音 が シ リンダ壁 を振 動 させ て外 部 に出 る音 や ピ ス トン,給 排 気弁 な どの運 動部 分 の衝 撃 あ るいは振 動 によっ て発 す る騒 音 な どによ り構成され る。機 関 音 の発生 周波 数帯 域 と音源 の 関係 は おおよ そ次の よ うになっ てお り,排 気 ダ ク ト騒 音 に比 べ て主 成分 が広 い周波 数帯(お よそ数十Hz~10kHz)に わた って い る。

(1)低 音域:爆 発 回数 に よっ て決 ま る音 を主体 とする部 分

(2)中 音域:爆 発 に よっ て直接 誘起 され る もの を始め とした各 部振 動 に よ る部分

(3)高 音域:金 属 部分 の衝 撃 音

3.コ ージ ェネ レー シ ョンシステ ムの騒 音対 策
3.1対 策 の現状 概 要
騒 音対 策 の現状 で は,コ ー ジェネ レー シ ョン機 器 から発生 す る騒 音 が敷地 境 界線 で規制 値(40~45dB(A))以下 にな るよ うに,ま た,機 械 室 に近接 して居 室 な どが あ る場 合 は,そ の居 室 を許 容騒音 レベ ル以 下 に抑 えるよ うに対 策 が な され てい る。 さ らに,し ば しば敷地境 界上 に防音壁 を設置 して規 制値 をク リア して い る。

具 体的 には,通 常,エ ンク ロー ジャを含 めた コー ジェネ レー シ ョンパ ッケー ジ仕様 で,パ ッケー ジか ら発生す る騒 音 レベ ル が屋 外 設置 で70~75dB(A)以 下,屋 内設 置で85dB(A)以 下 に な るよ うにエ ンク ロー ジ ャや サイ レンサ を用 いた標 準 対策 が な され てい る。 また,その ほか に機 関振 動 に よ り発 生 す る騒 音 の固体 伝搬 の 防
止 対策 も重 要で その最 も代 表的 な もの に防振 ゴム等 を使 用 した防振支持(振 動絶縁)が 挙 げ られ る。 これ に対 し,ANCは,ダ ク ト騒 音対 策 として一部 で採 用 されては い るが,現 在 は まだあ ま り普 及 して お らず,今 後の技 術 開発 が期待 され る ところで あ る。

3.2パ ッシブな騒 音 対策 技術 の詳 細

パ ッシブ な騒 音対 策 には以 下の よ うな ものが あ る。

① 機 関ユ ニ ッ トか ら発 生 す る騒 音 を低 減 す るため,機 関ユ ニ ッ ト全 体 を吸 音 材 を張 り付 け た鋼 板 製 の箱(エ ンク ロー ジャ)の 中 に収納 す る。エ ンク ロー ジ ャを使 用 した場 合,内 部 の騒音 が外 部 に出 て くる場 所 は,主 にエ ン ク ロー ジャの給排 気 口で あ り,騒 音 レベ ル を
下 げ るた め と くに内面 に吸 音材 を張 り付 けた フー ドを給排 気 口 に取 り付 け るこ とも行 われ る。②機 関 ユ ニ ットを設置 す る建 屋 の外壁近 辺 で,規 制値 以 下 に騒 音 を抑 制 す るた め建 屋 を無 窓の密 閉型 コン ク リー ト構 造 とし,内 壁 に吸音 材 を張 り付 け る。③ 吸 気管等 の換 気 装
置 開 口部 な どの騒 音 が外部 に伝 わ らない よ う通風 路 を何 回 も曲 げ る工夫 を してい る。④ パ ッケー ジ型 の屋 外設置 の もの にお いて,遮 音 が足 りな い方 向 に対 して防音壁 を殺 け る。⑤ 排気 管か らの騒 音伝搬 防止 の ため排気管 中 にサ イ レンサ を設 け る。

これ まで は,騒 音規制 をク リアす るた め に上 記 の方法 を場 合 に よ り複数併 用 して きた。エ ンク ロー ジャにつ い て300kWク ラ スのガ スエ ン ジ ン を例 に挙 げ も う少 し具 体的 に述 べ る と,機 関 ユニ ッ ト本 体 か ら直接発生 す る騒 音 レベ ル は100~110dB(A)で あ り,そ の ユニッ ト全体 を内側 に厚 さ50mmの 吸 音材 を張 り付 けた,
3.2mmの 鋼 板 か らなるエ ンク ロー ジャで 囲み,騒 音 レベル を75dB(A)ま で低 減 してい る。



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