ラジオでメールが採用されやすくなるテクニック「質問の形」

「ラジオに投稿するメールの最後の文は『質問』が鉄則」と聞いたことがある方もいるかもしれません。確かにこれは事実で、メールを起点にしてトークが展開する以上、パーソナリティはリスナーさんからの質問に答える形で話を始める、というのは自然な流れです。
ただ、質問はなんでもいいわけではありません。「首尾一貫」の記事にも書きましたが、流れを大事にすること、さらにもう一つ留意すべき点があります。例を挙げてご説明します。例えばこんなメールが届いたとしましょう。

「先日、家のすぐ近くに落雷があり、近所が停電しました。そこで質問です。最近、そんなふうに驚いた体験はありますか?」

…いかがでしょうか?ふつうのパーソナリティさんなら「いや、そこまでのことはありませんねー」と答えますよね。だって、そういうけっこう特殊な体験をしたからこのリスナーさんは投稿したわけで、このメールを起点に、それ以上ふくらむ話はなかなかできないのがむしろふつうです。
落雷ネタ自体はいいんです。特殊な体験だからラジオ側も採用したい。でも質問の形がよくない。リスナーからの「ありますか?」という質問に対して、パーソナリティに答えが「ない」場合、残念ながら話の展開のしようがないので、ネタは面白くても採用されないケースがあるのです。

ですが、この解消もけっこう簡単で、例えばこんなふうにメールの最後の質問を変えます。
「先日、家のすぐ近くに落雷があり、近所が停電しました。そこで質問です。〇〇さんは雷は苦手ですか?」

この質問ならこういうふうにしゃべりだせるはずです。
「雷で停電ってたいへんでしたねー。でも、わたしは雷、けっこうへっちゃらで、ていうかむしろテンション上がります。不謹慎だけど台風とか大雪とか、わくわくしちゃうんですよね。あと、昭和の話ですがけっこう停電って多かったじゃないですか。そういうとき家族でよくやったのは…」

といった感じで話題がどんどん広げられます。要は「ある・なし」の二択を迫られると「ない」場合、それ以上は話が展開しない。けれど、「どう感じましたか?」「どう思いますか?」という質問なら、人は何かの事例について「感じたり思ったり考えたりすることはできる」ので、スムーズにしゃべりだせるのです。
ライブの感想なら、
「楽屋で面白いことはありましたか?」
「楽屋でどんなことを思っていましたか?」
の方がより広い範囲で話し出せると思いませんか?
ちょっと長い文章になりましたが、そういう、パーソナリティがしゃべりやすいであろう質問をする、このことを意識すると採用率はまた変化するはずです。


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