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(希望の新聞HOPE)地方創生は個人から始まる - ただの主婦が手がける、事業としてのまちづくり

(この記事は2023年2月に発行された『希望の新聞HOPE』のアーカイブ記事です。当時の情報をそのまま掲載しているため、現在とは状況が異なる場合があります。あらかじめご了承ください。)

 地方創生、ジェンダーギャップ、産業基盤……ニュースを見れば、社会課題の解決に向けたさまざまな取り組みが見つかります。企業や自治体、政府が主導となって、「持続可能な社会」をつくろうとする動きが広がっています。人や地域を思いやる心を感じると、温かい気持ちになります。

 一方、個人レベルで考えると大きな問題を解決することは困難に思えてしまいます。「自分一人ががんばったところで……」なんて、無力感や絶望感に囚われてしまうこともあるかもしれません。実際のところ、一人の人にできることには限界があるように見えます。

 どうすれば、困難に圧倒されることなく課題解決に向かっていけるでしょう?
 そのヒントになるのが、和歌山県上富田町でまちづくりに励む樫木美喜恵さんです。「ただの主婦なんですが……」と語る謙虚さとは裏腹に、その活動は起業家そのもの。特産品のやまももを使った商品開発をはじめ、JR朝来駅前の交流拠点事業、各地のマルシェへの出店や商談会への参加など、行動範囲は地域全体にまたがります。

「最初は話も聞いてもらえませんでしたし、文化祭のノリでやっているように見られることもいまだにあります。でも、子どもたちやその次の世代までまちを残していくには、事業として取り組む必要があります」

 最初は主婦同士でやまもものPRから始めた取り組みも、気付けば企業や行政を巻き込むまでに発展。最近では総務省へのプレゼンやオーストラリアへの出張、RICOH株式会社のワークショップでの発表など、明らかに主婦ではない活動で日常が埋め尽くされています。

「今だけを見るといろんなことをさせていただいてますが、本当に一つ一つの仕事と向き合ってきただけです。地域の集まりに顔を出したり、頼れる人に相談したり、頼まれごとを引き受けたり。与えられた目の前の仕事で最善を尽くしてきたことが今につながっているんだと思っています」

 日常的な一人ひとりとの関わりから仕事や産業が生まれ、社会課題の解決につながる。人と関わり続けることこそ、「持続可能な社会」の根幹なのかもしれません。樫木さんの事業と和歌山県上富田町のこれからの展開に注目です。

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