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愛・覚えていますか10月のこと

競走馬のような速さで10月が駆け抜けていって、ぽかーんとしている最中です。
この間の天皇賞(秋)はもちろん負けました。競馬って難しいな(ぽかーん)
9月もなかなか速かったけど10月はもっと速かった。その速度に負けないくらい、今月はいろんなものを見たし忘れないように記録した。目で見て肌で感じて吸収したもの・買ったもの・食べたもの・増えたり減ったりする体重、もろもろだ。人生の中で1番記録しているかもしれない。その最終形がこの日記です。覚えていますか、10月のこと。

〇読んだ本


・派遣社員あすみの家計簿生活2/青木祐子
母から送られてきた本その3。派遣社員として働くあすみが、家計簿をつけながら生活と奮闘する物語。母は娘と同じ名前の主人公にいたく感情移入し、わざわざ小説を送ってきてくれたみたいだった。なぜ2なのかというと、母は1をボランティアの活動で読んで、それがよかったから2を自分で買って、読み終えたので娘に送ってきたそう。同じ名前として主人公もっとしっかりしろやぃ!と思う時もあれば、懸命ですね…と思う時もあったり、まぁ嫌いではないタイプの主人公だった。

・さよならシティボーイ/すなば
なにかの縁で知り合ったすなばさんの初単著。もともとすなばさんの文章は読みやすくて面白いな〜と思っていたので出版したと聞いて買いに行きました。下北沢でサインしてもらった。
全体的に収録されているエピソードは丁寧に生活の細部を見据えている視点がある。1番良いなと思ったのは「床磨く生活」に向けられるまなざし。こういう気持ちに対して、自分はなかなか目を向けられていないな、と自省。

人生とは、その人の家だ。それぞれの家があり、そこにはそれぞれの部屋があり、そしてそれぞれの床がある。実のところ僕たちの人生とは、ただただ「床磨く日々」のためだけにあるのではないか。

・海からの贈り物/アン・モロウ・リンドバーグ
久しぶりに会った友達に「もうすぐ誕生日だからなんかちょうだい」と図々しさを目一杯出して聞いたら「これ読み終えたからあげる」ともらった本。パイロットの妻が、女性の生、人との関わりについて、家族について、みたいなことを「海からの贈り物」=浜辺の貝に喩えながら解説していく。最初は何言ってるかわからなかったけど読み進めていくうちに惹かれてしまう。わかる!と思ったり、なるほどな〜と思ったり。物語の中で引用されていた詩が素晴らしかったです。

どの女も、男も、持って生まれた迷いから、かなえられないことに心を焦がし、普遍的な愛だけではなくて、自分だけが愛されることを望む。
しかしこれは、それほど罪なことだろうか。

〇テレビ番組・配信・ライブ公演など


・キングオブコント2021(TBS)
もう言わずもがなですねこれは。空気階段、優勝おめでとう!エモ〜!EMO!E・M・O〜!!!
キングオブコント2019で「お笑いのある世界に生まれてきてこれて良かったです」と敗者コメントをした水川かたまりが、今年は「生まれてきた意味がありますね」と伏線回収のような勝者コメントをしていたのも印象的。クズキャラの鈴木もぐらでさえも、「僕らにはコントしかなかったんで、ほんとに」とコントに賭ける想いをコメントしてたのもよかった。2人でハグしてたのも泣ける。なんでこんなに泣けるんだ。

・真空ジェシカの主人公ちゃん(配信)
家から徒歩で行ける距離でイベントを行っていたにもかかわらず、チケット即完だったので泣く泣く配信で視聴。真空ジェシカのラジオ父ちゃんというpodcast番組のイベントだ。女審判吉住による剣道対決、まーごめとの大喜利対決、対決を制して主人公の座を勝ち取るのは誰なんだ?!という感じ。真空ジェシカに対してかなり贔屓目に見ているのもあるが、やはり面白かったな。わたしも剣道をやっていたので、剣道対決があるのがアツかった。実は剣道やってました…という人意外に多いよね。

・ハライチ「!」(配信)
ハライチ単独ライブ「!」駆け込みで見た。本当に駆け込んだ。電車の中で単独ライブを視聴するものではない。ハライチの2人も駆け込みで帰っていった。会場を借りる時間が決まっていて遅れると延長料金が発生するため、「時間本当おしてて!すみません!じゃっ!今日は本当ありがとうございました〜!!!」みたいな感じで帰ってた。その話はハライチのターン(10/28回にて聴けます)。ターンリスナーとしてはトシボーイ(岩井が1番かわいがっていた芸人後輩)が芸人辞めますと岩井に電話してきた音声が披露されていたのがグッときた。決意を感じる。あとはネタも3本くらいやってたけど岩井が澤部に逆ギレする漫才でめちゃ笑ってしまった。普段の2人のキャラが浸透しているからこそ、よりウケる作りになってるんだろう。

・ダウ90000「旅館じゃないんだからさ」(配信)
巷でウワサからのウワサを呼び、さすがに気になりすぎてこちらも配信最終日に滑り込みで見た。そして一言。見てよかったです………。いや〜本当にすごい。天才的。薄っぺらい形容で申し訳ない。言葉が出ない。これは演劇なのか?コントなのか?もうどっちでもいいな。アマプラやネトフリが普及した現代でレンタルビデオ店にDVDを借りに来る人たち。そしてレンタルビデオ店で働く店員、その中での元カノ元カレ、今の好きな人や彼氏彼女…いろいろな関係性が鮮やかに描かれていた。わたしが一番好きだったセリフがこれ。

「カードの中の小さい俺がぁ!まだ同棲してんでしょぉ!誰にも迷惑かけずにまだそこにいるの!俺は!それを忘れたくないの!残しておきたいの!」

レンタルビデオ店員(男)のレンタルカードは有効期限切れしていて、カードの有効期限延長の際に、登録されている住所や電話番号が変更されていたら、更新時に一新しなければいけない。けれど、有効期限切れのレンタルカードに登録されている住所は好きだった(今も好きな)元カノと同棲していた時の住所が登録されている。男はそれを忘れたくない・残していたいからレンタルカードの有効期限を一新したくない。でも自分がレンタルカードの有効期限を一新しなければ、元カノが今の彼氏と、自分と一緒に見た映画を借りてしまう。。。それを阻止したい。けれど同棲していた自分を忘れたくない。。そのすべてがこのセリフに詰まっていて、おもしろいんだけど同時に泣きそうになってしまった。なんて素敵なんだよ。。。配信はもう終了してしまったけれど、見た人がいたらぜひ語り合いましょう。

・ままごと「わが星」(YouTube1年限定配信)

いや~わが星は言わずと知れた名作ですね。今更わたしが語ることなんてなにもないのでは…という気持ちなんですが、わたしがこの作品と出会った話を少しだけ。ロロ「はなればなれたち」2019年6月末に行われたロロの単独公演で、「わが星」の冒頭部分が引用されていた。終演後に上演台本を購入して、「わが星」の引用があったということを知った。なんてきれいで、生の肯定なんだとさえも思った。「はなればなれたち」自体も生の肯定の話だった(と記憶している)。口ロロの「00:00:00」が使われているのも知って、たくさん聴いた。そうして一部分だけ知っていた「わが星」だったけれど、やはり一部分だけでは魅力はわからないですね。今回上演を見れてよかった。しかも誕生日の前の日にこれを見て、さらに見てよかった気持ちが高まる。今までの自分の人生を振り返ったような気持ちになってやっぱり泣きそうになってしまう。

生が続いていくこと、繰り返していくこと、それでもいつか終わってしまうこと、終わってしまうことを受け入れること、受け入れられずに行動すること、そしてそれが報われること。それが受け継がれること。それを忘れないで覚えていること。

たくさんあったね たくさん遊んだね たくさんいたね たくさん逝ったね
ハッピバースデートゥーミー

・ロロ「フランケンシュタイン feat.EveryBody」(東京芸術祭公演)

東京芸術劇場シアターイーストにて鑑賞。原作はメアリーシェリーの「フランケンシュタイン」で、三浦直之が大胆に翻案!と銘打っていたが、ロロらしさがやはり出ていた。死者がパッチワークされた怪物。その名前のない怪物が、怪物になる前の、繋ぎ合わせられる前の、それぞれの人生を回帰しながら話は進んでいく。最後はなぜ人と人が繋ぎ合わせられてしまったのか、怪物の創造主はどんな人間なのかがわかり、創造主と怪物が意思を持って出会う…。良すぎて上演後に台本を買って帰りの電車で読みながら帰って、帰宅してもまた読んで、よかったセリフにマーカー引きました。

「人は忘れるんだよ。忘れちゃうんだよ。だから、残さなくちゃ。」

眼光の詩も素晴らしかった。

「あなたへの釘付けが消えて、彼方への口づけは朽ちていく。何もかもが果てしなく朽ち果てたあと、私の月明かりの眼光はきっと何も照らさない。私の眼光は、何かを照らすためじゃなく、ただただ光るために存在してる。その美しさに気づいてくれる人はもうどこにもいない。その暖かさを感じるあなたはもうどこにもいない。誰も知らないまま、どこも照らさないまま、光れ、光れ、私の眼光」

・SUSHIBOYS LIVE2021東京(at.LIQUID ROOM)
すしぼー先輩!初めてスシボのライブ行ったけどかなり楽しかったし生ファームハウスかっこよ〜!!!対バンはPARK GOLF・空音で、全員好き!!!パーゴルはスシボとファン層が少し違ったのか全然ノられてなくて悲しかった…。めちゃくちゃかっこいい曲ばっかかけてたのにな?!パーゴルのトラックが好きですよ僕は…。トーテムポール持ってきてたのかわいい。空音くんもライブは初めてだったけど、若さと勢いがあってキラキラしてたな。てかこんなに若いんだ?!って終わった後年齢調べちゃいました。着実にステップアップしているのすごいな。最後に出てきたのがスシボだったんだけど、隣で見てた大学生(?)3人組男の子がずっと「かっけぇー!ラップうめぇー!!」ってずっと言っててわかるわかる〜って話しかけるところだった。かっけえしラップうまかった。あと会場で久しぶりに会った友達に話しかけられてびっくりしたしドキドキした。こんなことってあるのね。その日の夜にラインしたけど未読無視されている。

○映画

10月は4本しか見れなかった。
・空白/吉田恵輔
・LOOPER/ライアン・ジョンソン
・かそけきサンカヨウ/今泉力哉
・タイトル、拒絶/山田佳奈

○音楽

書くの疲れてきました。ごめんなさい。
ここまで読んでくれている人すごい。書く方も疲れてるのに。読む方も疲れますよね。ね。ね〜!

・柴田聡子/雑感
最高すぎる…。柴田聡子、またやってくれたな。

車はぜったい羽根や自由ではないです
エンジンかければ誰でも動かせる危ない
手招きをされてもまなざしをくれたって行かないです
私には私にしか分からないことがあるんです

・挫・人間/美しい沼

アルバム曲だけどわたしが好きな挫・人間が詰まってて良~!美しい沼ってなんだろうとも思うし、美しい沼になりたいとも思う。

美しい沼になってゆけ

・Razika/Om igjen

友達におススメされて聴いたらスゴクよかったのでここにも載せておきます。ノルウェーの4人組。かわいいしかっこいい。

以上で終了です。お付き合いいただき誠にありがとうございました。好きなものの話するのたのし~!!!!!!

今月触れたものによって自分はかなり「忘れないこと・それを残したいという気持ち・そうして受け継がれること」がテーマの物語が好きということがわかってきた。そういう物語でおすすめあったら教えてください。田島列島作品とかもわりかしそんな感じですよね。

それではまた12月の初めに。よろしくお願いいたします。

これで美味しい詩集を買いますね