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小唄 こうもり

〽蝙蝠が出てきた浜の夕涼み
 川風さっと吹く牡丹
 荒い仕打ちの色男
 去なさぬ去なさぬ いつまでも
 浪花の水に映す姿絵

先日、妹に連れられて太田記念美術館の浮世絵動物園に行ってまいりました。
引きずられて見に行った展示で思いがけずモヤモヤが晴れるとは。

絶賛稽古中で苦戦中の小唄「こうもり」
7代目市川団十郎が大阪で芝居した時に出来た唄で浪花の人がその見事な芸を賞賛した唄…らしいです。

↓私がはじめ聴いて掴んだイメージ
コウモリが出てきてなんたらかんたら涼しいなあ
(なんか色々洒落がはいってる?)
あらまあ荒っぽい色男♡
帰らんといて!何時までも居とってや!

…はて?という感じで、いまいち掴めないし
縁起がいい唄ってきいたけど、
コウモリ🦇が出てくるって縁起が悪い気がするわ、とモヤモヤしていました。

展示の中で歌川国貞の7代目市川団十郎を描いた浮世絵を見ました。
解説によれば、
「蝙蝠」の「蝠」が中国語の「福」 と同じ音
とのこと

ようやくストンときました。

「蝙蝠」中国語読みで biān fú
「福」 中国語読みで fú
→蝠(fú) = 福(fú)
⇒蝙蝠ってめっちゃ縁起いいやん!
 当時の団十郎さんが好んで着物の柄に取り入れたそう。
 西洋だとヴァンパイアとセットでいるイメージでウケが良くないコウモリだけど、
 中国や中国文化と馴染みの深い日本ではポジティブなイメージの動物らしいです。

なるほど!
唄のイメージがちょっとだけ深まった気がします。

お稽古場での外にも思いがけない学びが転がってるもんですねぇ🧐

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