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ジャグリングの審査について

昨年度、割とまともに取り組んだことのひとつにルーチン作りがある。
色々なルーチンを作ったが、今回は特に力を入れた子供たちの大会用のルーチンについて話す。

超重要:審査員や他の出場者への批判等では一切ありません

九州ジャグリング大会の女子ジュニアを例に話そう。
参考:

まずは【技術点】についてだ。
九州ジャグリング大会の審査要項には以下のようになっている。


  1. 審査員が難しいと判断した技(難易度)

  2. 審査員が新規性や希少性があると判断した技

  3. 1.2.に当てはまらないが、審査員が高く評価すべきであると判断した技

  4. それぞれの道具の性質を考慮した上での技の量


まず、4の技数の項目は賛否があると思うが個人的には好きだ。戦略性もジャグリングを好きな人間としても幅が広がる。

2については審査員の知識量次第の項目。今回は深くは触れない。

で、最大の敵は1の難易度だ。
ここでそもそも難易度とはという話になる。

【難易度】
いろいろな解釈はあると思うが、基本的に「習得までに掛かる時間」を基準に考えて良いと思う。
大雑把にいうと、つまりはジャグリング未経験者を集めて1番習得に時間がかかるものが1番難易度が高い。と捉えられる。

ここで少し前のポストの登場だ。

このイメージだと技が適切かは置いておき、「5点」が上か「2点+2点+2点」が上かという話だ。

今回の九州大会では「5点」が上と判断された。
これは今の所すっごく難しい話で、そもそも「審査要項通りの審査をする時間が無い」「審査員のやったことない道具すらある」「複数道具を使う前例が少ない」など理由は色々とある。
ちなみに今回の審査だと感覚的には「2点+2点+2点」=3点だった。

ただ、これは単一の道具だとこうなる事は少ないと思っていて、例えばボールの技の時に「バッククロス(9点)」と「ボックス(7点)」をやった結果の点数が9点になる事は基本的にはそこまで無い。
これが有効になると「いくら失敗してもこの技を1発でも技を決めれば難易度では1位になれる…!」、みたいな事になるからだ。

とはいえ、結局はその場での審査なのですごい技を決めたらそれまでの評価を置いて点数が高くなる、というのはよくある。

正直なところ、カウンターを持って技が決まった時に決まった分の点数を入れる、くらいのことをしないと半分は印象で入る点になると思っている。(カウンターを持参している審査員もいる)

実際に今回は実験的に同じ技をルーチンに入れ、片方はプラスアルファの要素を組み込んだが、ルーチンの出来の差が影響したと思われ、プラスアルファの方は0.5点のみのプラスになっていた。(新規点や技数の対策などのも含めて行った実験)
審査要項上は技術に関しては加点方式なのでここまで僅差な訳が無い。

【新規、希少性】
今回は明らかな新規性を含ませた子も入れた。
参考より3番目の子だ。
動画以外にも「道具A+道具B」というスタイルを採った。

ただ今回はその点は評価されなかったようだ。
少なくとも「道具Aを習得する時間」+「道具Bを習得する時間」+「合わせた技を習得する時間」で難易度は上がるはずなのだが、それも上手くいかず。
技は成功していたので加点はされるはずだが、ルーチンの出来自体が他の子に比べ劣ったのでその印象で点数も冴えなかったのだろう。

しかし正直ここまでわかりやすい新規点で加点されないと新規点の意味無いかもなと思うほどの差だった。(審査要項にはしっかり難易度重視とは書いてある)

事前の※難易度調査的には
A>B>C>D
と作っていたが、実際の評価は
A>C≒B≒D
となった。
これはルーチンの出来が
A≒C>D≒B
となっていたのが大きく影響していると考えられる

【採点方式】
難易度に関しては上記の通り、「やった事ない道具」や「審査の時間が短い」などがあるのである程度は仕方が無いという所もある。今回はその傾向を調査するためのルーチン構成だった所もあり、上記意外にもいろいろな収穫があったので良しとしよう。

ただ、実は審査結果に比べ、合計点数は実際の難易度ほどの差は無いものの、(うちのメンバー内では)順位的には真っ当だった。
つまり、単純な合計点数ではA>B>C>Dが成立していた。

ではその順位の差がどこで入れ替わったかというと、採点方式のトリム平均の影響だ。


トリム平均:全審査の採点から最高点と最低点を取り除いた合計の平均点


このトリム平均という手法自体はとても良いと思っているのだが、今回の問題は審査員が4人しか居ないのにその方法を採った事だ。

そもそもトリム平均を使うのは異常値の排除や、審査員の主観が反映され過ぎないように出来る事へのメリットが大きい。

しかし、そもそもランダムな調査では無く、ある程度の実力や知識を持った方達なのでそもそも異常値は基本的には無い。
そして主観についてだが、トリム平均で2人の人間が排除された場合は、結局2人の主観になってしまうので基本的にあまり意味を成さない。

そしてジャグリングの大会においてトリム平均を使う上でめちゃくちゃ大きい問題が1つあって、それが『そもそもの基準点がない』という事だ。

ここが今回の審査で1番痛手というか、予想通りにならなった原因の1つだった。
これは事前に予想出来なかった僕も悪かったが、子供たちにも迷惑をかけてしまった。反省。

さて、どういう事かを説明しよう。

今回の4人の審査員のうち、少なくとも「うちのメンバーでの難易度の順位をほぼ正しく評価していた」2人がいたのだがその2人のうち片方は、『全体的に点数を低めにつけているタイプ』で、もう片方は『全体的に点数を高めにつけているタイプ』だったのだ。

ジャグリングの大会自体にそもそもの基準点が無いので、その平均的な点数の高低差は性格で決まる。

後半高い難易度が出てきても対応出来るように、慎重に低めの点数でスタートするタイプや、他の大会などを参考に最初から高いと思えば高く付ける派があるという事だ。

そして、その2タイプがもし1番正確に点数をつけていた場合でもトリム平均だと弾かれてしまうというのがあまりにも大きすぎる問題点だ。

AとDは正しいが、極値なため弾かれて、結果順位が逆になることもありえる

これは運営への不満という訳では無く、そもそもまだまだ整備の段階であるジャグリングの大会では仕方が無いことではある。

トリム平均を使う対策として、その人を除いた平均から○○%値がズレていたら除外するや、審査後にトップバッターの値が同じになるように各審査員の点数に調整の値を掛けるなどがあるのかもしれない。

詳しい事は学がある人、頼みます…。

【技術点総評】
さて、その他の仕掛けも今回は発動できた。

ひとえにしっかりと技を決めてくれた子供たちのおかげだ。この結果、無駄にはしない…

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2024年の活動記録を綴ります。作った動画や作るまでの話、何か思いついたり写真を撮ったときなど。雑多に。

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