吉岡克眞(皇帝ケチャップ)

主宰/劇作家/演出。日本劇作家協会、日本コメディ協会(2017年~2018年理事を務め…

吉岡克眞(皇帝ケチャップ)

主宰/劇作家/演出。日本劇作家協会、日本コメディ協会(2017年~2018年理事を務める)に所属。「どんなに辛いことがあっても笑えるうちはまだやれる」という意識のもと舞台演劇を作り続けています。https://opus-e.com/profile

最近の記事

誰よりも好きな人を想う #あな空

初日が間もなく始まります。そんな時に忙しなくキーボードを叩いております。 本日ご紹介するのは、当劇団には今回で5回目のご出演、鈴木ゆうはさん演じる藤島栞里について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※鈴木さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んで下さいませ。 栞里という人間は傍若無人でジャイアンに近しい存在ではあるけれど、人を惹きつけるようなカリスマ性がある女の子をイメージ。相手の気持ちとか一見して無視して振る舞うようなことも多い様子。しかし相

    • 他愛も無い日常を失うこと #あな空

      ゲネのお時間が刻一刻と近づいてきております。そんな緊張のある空気の中。 本日ご紹介するのは、初めて当劇団にご出演頂く花塚廉太郎さん演じる藤島真司について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※花塚さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んで下さいませ。 藤島真司は仲睦まじく暮らしていた妻の栞里と突然の別れ(神様のもとで仕事を手伝ってもらいます)を天使に告げられる。別れ方というのはいくつもあるかと思います。死に別れ、生き別れ、病気、事故、事件、etc

      • 誰かを救うことで自分を救おうとしている #あな空

        初日の緊張感は何度経験しても慣れないわけですが。出演者はもっと緊張するものなのかもしれませんが。 本日ご紹介するのは、初めて当劇団にご出演頂く江藤彩也香さん演じる齋藤 茜について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※江藤さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んで下さいませ。 初演では出て来ない役の1人である怪奇ライターの齋藤さん。初演においてはあくまで真司のところに天使がやってきて連れて行くとかの話をしていて、その一方では黒電話を預けられた栞里

        • 厳しくもあたたかくて #あな空

          初日を迎える朝、ひたすらキーボードを叩き続けている私。ああ、鬼の担当編集の声が聞こえてくる。 本日ご紹介するのは作家である栞里の担当編集、平野沙羅さん演じる守屋結衣について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※平野さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。 結衣というキャラは今回上演するリブート版からになります。初演ではなかった役の一つで、長編化するにあたって栞里の職業ってなんだろうかと改めて考え始め、そして栞里に行動を起こさせる誰が

        誰よりも好きな人を想う #あな空

          涙は弱いから流すんじゃない #あな空

          本日ゲネ及び初日を迎えました。泣いても笑っても初日の幕がもう上がります。 本日ご紹介するのは、初めて当劇団にご出演頂く山崎真実さん演じる藤島陽について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※山崎さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでいただき、備考欄に山崎さんのお名前を必ずご記入下さいませ。 初演は短編だったこともあり登場人物をかなり少ない天使と夫婦、後輩と栞里の姉(リブートでは妹に変更)による構成でした。今回リブートするにあたっては栞里は妻と

          涙は弱いから流すんじゃない #あな空

          あの姉だからと言われ続けた妹 #あな空

          小屋入り二日目。本日は場当たりです。今は静かでその時が来るのを待っている時間。 本日ご紹介するのは栞里の妹、柴田茉莉さん演じる小早川千尋について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※柴田さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。 千尋という役はこれまた栞里の火消し役として生きてきたのではと思う。真司と結婚したとしてもそれは変わらない。あの姉だからねぇと言われることも多かったのではないだろうか。しかしこう書くと不憫な妹のように見えてしま

          あの姉だからと言われ続けた妹 #あな空

          空気の読める後輩 #あな空

          舞台の仕込みはほぼほぼ終わりに近づき、現在音響さんがサウンドチェック中です。開演前ラジオや前説が流れています。 本日ご紹介するのは栞里の高校時代の後輩、森由姫さん演じる川澄莉乃について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※森さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。 莉乃と栞里は高校の天文部からの付き合いで、それ以来ずっと振り回されている関係が続く。きっと誰もが声をかけやすいのだろう。いい意味で。 天文学に興味がある栞里と真司とは異

          空気の読める後輩 #あな空

          人を分かりたい天使 #あな空

          本日小屋入り。あっという間の稽古期間も昨日で終了しました。各セクションでの役者間コミュニケーションがされているのを見かけるととても風通しの良いチームだなと思っています。 本日ご紹介するのは二人組の天使の1人、武田莉奈さん演じる悠について。観劇を迷っている方の参考にでもなればと思っております。 ※武田さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。 悠という役は正直なところ初演とはかなり変わっていると思います。話し方がとても丁寧なのは茘枝との比較対象としてそこまで

          人を分かりたい天使 #あな空

          天使は嘘をつけない #あな空

          あまりファンタジーな物語を書いた記憶がなくて、そう言いながらもタイムマシーンとか幽霊とか浦島太郎とかを扱った題材を不意に思い出して、あれはファンタジーかもしれんと思うこともあったりします。 今回の物語は神様こそ出て来ないものの、黒電話を天使に届けさせる神様という存在がいて、天使は人間との仲介を行う明らかにファンタジー寄りの物語になっています。 登場する天使は計2名。悠と茘枝。今回は結城美優さん演じる茘枝について少しコメントを書かせていただきます。観劇を迷っている方の参考に

          天使は嘘をつけない #あな空

          帰還者として生きること #あな空

          これは私が書いている備忘録とは異なる軸の話になるのでこんなタイトルで書き始めました。もう来週から本番で、今日が実は最後の稽古です。 今回の物語は失う物語、残す者の物語、そして残される者の物語など各パーツが組み合わさって一つのお話になっています。その中でも異質な存在が武本乃亜というキャラクターです。それを演じるのはうちでは『セーブポイントからもう一度』からのお付き合いとなる佐瀬清隆さん。 ※佐瀬さん扱いのチケットは上記お名前のリンクから飛んでください。 都度都度役柄は異なり

          帰還者として生きること #あな空

          あな空の備忘録 #2(短いCM)

          どうも、主宰の吉岡です。 9月ももうすぐ終わろうとしておりますがいかがお過ごしでしょうか。 稽古が間もなく、と言ってもあと2週間少しで始まります。 そんな時期に考えること、それは、宣伝。 劇作家も演出家も主宰も考えることは一つで、多くの人にまずはこんなことやってます、やります、舞台ありますよということを知ってもらいたい、劇場にあるいは配信で楽しんでもらいたいということ。 しかし映画やドラマとは異なり、実際の映像を使って演劇は宣伝が出来ません。そういう意味でも演劇の宣伝は

          あな空の備忘録 #2(短いCM)

          あな空の備忘録 #1

          どうも主宰の吉岡です。 備忘録は通常台本を書き始める前や書いている時にあれやこれやと悩んだことを書き留めておくためのものとして始めましたが、今回は既に書き終わっていることもあり、作品や役紹介などをお送りするコンテンツになればと思って筆を執りました。 私は『ネタバレ』に関してハードルが低い人間のため、踏み込んで話してしまうこともあると思います。その場合はネタバレ注意など書いておくようにはしますので読み進める際にはご用心下さいませ。 私は個人的な趣味として観劇もその一つではあ

          22年11月公演のご案内

          どうも。劇団皇帝ケチャップ主宰の吉岡です。本日9月11日18時00分より11月公演のチケットが発売になりますので、今回の舞台がどういう作品か少しだけご紹介できればと思っています。チケットご購入の参考にして頂けたら幸いです。 公演の詳細はこちら。 チケットはこちら。 お時間のない方向けのご案内本作はどうしようもないけれどどうしても納得できないそんな「別れ」を経験する一組の夫婦にフォーカスした作品です。どうしても別れなくてはいけないけれど、反抗することすら意味がない相手(本作

          22年11月公演のご案内

          選いつの備忘録 #4

          初日の朝。相関図も公開され、恐らく見ておいて損はない情報と思います。 今回の物語は高校の生徒会選挙の話ですが、選挙活動やその盛り上がりを中心に描いている物語ではありません。それよりもその日常に生きている一人一人が抱えている悩みや葛藤をあぶり出そうとしています。 人間が持っている負の感覚、負の想い。嫉妬、野心。 信じることの強さ、無垢な強さ、報われなさ。 すれ違い続ける感情、淀む空気。悲劇。続く悲劇。 生徒会長選挙に立候補する高里史緒里は「優しい人」。そこには何かを求めて

          選いつの備忘録 #3

          この備忘録は基本的には台本が書き上がるまでのメモ、ノートと位置づけていたものの、備忘録を書く前に書き終わってしまった、のではなく、備忘録を書いている余裕が殊更なかったに過ぎない。 書き終わった上に、場当たりの朝に改めて備忘録をしたためているのは何故か。私にもわからない。何を書こうとしているのかすらわからないままでの見切り発車感は否めない。されど何か残しておこうという気持ちも大事にしたいところではある。 演劇のお伝えの仕方(ざっくばらんに言ってしまえば宣伝である)というのは

          選いつの備忘録 #2

          役数の確定ができていなかったこともあり書き始めずにいたが12役で確定したので今日から諸々始まる。大体いつもそうで、台本を書き始めるこの時は、もしかしたら書けないかもしれないという恐怖だけがある。書くことは好きだが好きだとしても人を描くことの責任は、怖いものだ。 ポジティブなわくわくもどきどきもない。それでも誰かは楽しんでくれるだろう、楽しんでもらいたいと祈りつつ文字を打つ。 最初のシーンは全員がわーわー言っているシーンを置こうかとも考えていたが今回はそのトーンで物語は進行