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原因療法ってなんですか

こんにちは。理学療法士のこうやうです。

今回は

原因療法について

話していきたいと思います。

対症療法と原因療法

でよく比べられていますが

どんなセラピストでも目指しているのは

後者だと思います。

しかしながら原因療法を一体どのように考えていくべきなのでしょうか。

この記事は私の主観で書かせていただきますので

参考にはならないかもしれませんが

興味を少しでも持っていただけたら幸いです。

整形外科的な視点から私なりに書かせていただきますので

よろしくお願いします。

それでは始めます。


原因療法の勘違い

 原因療法に関してだが、私の記事では何度も書かせていただいているので、しつこいかもしれないが、少なからずROMと筋力の直接的改善が原因療法となることはない。これはほぼ断言できる。これらの因子が脳からのアウトプット情報であり、インプットへの介入が不可欠となる。結果にアプローチしても見かけ上の効果しか期待できない。結果に至った過程の推察に焦点を置き、治療することが原因療法には不可欠である。これを前提として、書かせていただきたい。

整形外科疾患の治療の方針としては、
①疼痛を発している組織の推定 
②その組織にかかっている力学的ストレスの除去
が主流となってきていると感じている。そしてこの順序は治療の方針として間違いないとも私は感じている。この考えが痛みをとるだけでの治療は不十分であり、力学的ストレスの緩和を図ることの重要性を示しているといえる。理学療法士の整体師化を防ぐものになったものであると考える。

 この概念が生まれたことで、力学的ストレスに対してどのように対処するのかが注目されている印象である。筋膜リリースやAKA、関節モビライゼーションなど軟部組織に対する手技はさまざまであるが、力学的ストレスに対する手技は非常に少ない。これはオーストラリアンアプローチやマリガンコンセプトなど世界にも代表される手技が例外なく徒手療法であることが原因だといえるだろう。

 力学に対してどのように対応するのか。この考えに実にあっている手技が入谷式足底板と考える。動きを変えることに焦点を置いているものであり、動作へ焦点がおかれている最近の理学療法にはうってつけである。運動学習的にも利点があり、ツールとして非常に便利である。園部氏もこの足底板は、原因療法の真骨頂ともいえる手技ともいっている。


 しかし私は疑問なことがある。



インソールが原因療法になるという考え方に関してである。



 足底板療法は動作を変えるには最高の手技であり、実際にこの手技でたくさんの患者を治している臨床家が多数いるのも事実である。しかしこれには問題点もある。それはその動作に至った原因を推察できていないことである。上記の①軟部組織推論、②力学的推論の過程があるが、私はこれでは不十分なのではないかと考えている。
私の考えでは
①疼痛を発している組織の推定 
②その組織にかかっている力学的ストレスの除去
       +
③異常動作につながった原因の推察
④ADL指導
というような③④の過程が必要であると考える。つまりいえば、力学的ストレスを生む至った過程の推察も必要ということである。

 力学的ストレスの除去をして根本の解決をしているとは私は思えない。その段階で終われば、予防までにつながっているとは思えない。そもそも入谷式足底板の効果はそのインソールをはいている限り、長続きするので原因療法と捉えられがちである。しかし私から言わせれば、それはただ挿入しているパッドが人間の手ではないからであり、必然的に動作に常に刺激し続けるためである。いわば感覚入力に頼り切っている動作となるからである。足底部に刺激を加えるのは裸足でなかなか移動しない現代の文化を考えると非常にマッチしているが、これが原因療法とは思えない。いわば、長続きする対症療法といえる。

 しかし私はインソールを否定しているわけではない。というか否定すれば、私の治療の否定にもなる。私が言いたいのは、原因療法は決して手技で解決できないということである。それほど、原因療法は難しいのである。正直、先輩の話や勉強会、学会への参加で解決できるものとは思えない。根本の解決には、患者の背景や心理状態、職業などさまざまな要素が必要となる。つまり問診が全治療段階でもっとも重要なのである。ここの聴取が原因療法への一歩といえる。


なぜ姿勢や動作は変わるのか

 問診でまず推定する必要があるのは、私は日ごろの動作の癖と考える。人間が作り出す動作や姿勢は常に合理的である。つまり実質的に不良動作や不良姿勢というものは存在しない。動作や姿勢は常に最適である。ではなぜ姿勢や動作のエラーという概念があるのか。それは痛みを引き起こしているトリガーとなっているからに他ならない。しかしそれだと痛みを起こしているのはおかしいという矛盾が生じるように思えるが、それは違う。これは最適化の標準がずれているからである。人間は常に動きやすいように変化する。例えばよくしゃがんで作業する人はよりしゃがみやすいように変化するし、スポーツなどの利き手の動作では、その利き手が動きやすいように変化する。つまり不良動作や不良姿勢といったもののたいがいの原因は、患者自身が意思をもってした動作や行動の結果なのである


意識の変革が必要

 私の思う原因療法の最終的なゴールは、患者自身の意識・行動の変容と考えている。このように考えると、ADL指導も重要となるが、患者の心理状態の把握といった心理学の学びも必要なのではないかと思う。結局のところ、患者自身を変えなければ原因療法の実現はかなわないのである。これは理学療法士の臨床技術という概念からかけ離れているかもしれないが、これが最高の原因療法であると私は確信している。もう機能面からみる治療は限界にきている。さらなる治療の発展には解剖学や生理学・運動学の知識で解決できない事実があるということを受け止めなければならない。私は納得のいく治療ができたことは一度もないが、原因療法に近づけているように努めていきたい。



今回はこれで以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました。


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