いいじゃねぇか「インスタ映え」

最近、若者の間でインスタグラムが流行っている。
ということは周知の事実だと思う。テレビも雑誌も「インスタ映え」スポットの特集が多く見られる。

インスタブームにともなって、さまざまな批判も飛び交うようになった。
「写真を撮るために旅行に行くなんて…」
「インスタは『心の健康』に悪影響」
「料理は写真を撮るものじゃなくて、味わうものだぞ…」
「壁の前で写真撮るなんて!」

たしかに、いい写真を撮るためにマナー違反をしたり、せっかく作りたてで温かい料理を写真撮影のために台無しにするのは良くないことだ。他の人の楽しそうな写真を見たら自分が惨めに思えて、心の健康を害すのかもしれない。

しかし、考えてみて欲しい。こんなにも多くの若者が「写真映え」について考えたことのある時代があっただろうか?この色ならこのモチーフと組み合わせれば写真映えする、この構図で撮ればこの風景がおしゃれに見える、デジタルよりも写ルンですのフィルムのざらつき感が素敵…。少し前まで、「デジタルよりもフィルムだ!」なんて、写真家や一部の映画監督くらいしか考えていないようなことではないだろうか。これはもう、単なる若者のブームだと切り捨てることはできないはずだ。インスタは芸術の域に達している。

ゴッホは自分の耳を切り落とすような異常な人だし、浮世絵は昔は単なる広告扱い。それと同じように、今はインスタに夢中になる若者が異常でくだらないように見えるかもしれないが、いつの日か芸術として扱われるようになる日が来るかもしれない。それまで温かく見守って欲しい。

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