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Contemporary Art Collectors インタビュー2024

こんばんは、小山ひときです。皆様いかがお過ごしでしょうか。
私はというと2023年11月に嬉しいことがありました。

海外コンペティションで選出されました

ほぼ受賞歴のない私でしたが、海外のアーティストを応援する団体(ざっくり)CONTEMPORARY ART COLLECTORS の「Artists Programme 2024」に選出され、2024年の1年間アート活動の支援をいただくことになりました。世界から応募がある中、13名のうちの1名に選んでいただけたそうです。

スペインのバルセロナで開催された「FIABCN」にも出展の機会をいただき、デジタルではありますが初の海外アートフェアで展示をすることができました。夢かな。現実でした。即我に返った。

このコンペを知ったのは、確か現代芸術家の萩野真輝さんのX(旧:Twitter)のポストからでした。今応募すると、公式Instagramのストーリーズでも紹介されるらしいですよと添えられており、よしじゃあ今だな!ということで急ぎ応募をしたのでした。萩野さんに感謝です。

インタビューが掲載されました

Interviews Hitoki Koyama
https://www.contemporary-art-collectors.com/interviews/hitoki-koyama
そして先日インタビューがウェブに公開されたのですが、いかんせん本人英語が全く読み書きができないため、知人に助けてもらい回答を提出したのです。SNSでお知らせしたところ、私と同じく、英語が苦手という方がちらほらいらっしゃいましたので、こちらに日本語で残そうと思います。

最初自身で作成した回答をChatGPTで英語訳し、日本語訳に戻して怪しそうな部分を削っていきました。短文で区切らないと誤った解釈にされやすかったのでどんどん文章が短いセンテンスになっていった次第です。
そして「よし、これで完成だ」となったところで、知人に赤入れしてもらいました。結構修正がはいり、ああ、見てもらって本当によかったと感謝しています。本当にありがとう。

これで何が言いたいのかと言うと

「日本語を掲載しますが、短文つなぎで申し訳ない」
「本当は日本語もう少し書けるんですよ??!」

そう。逃げ口上なのでした。
しかしながら、ブラウザのウェブ翻訳よりは意図が伝わるように思いますので、こちらに書き残したいと思います。

日本語でのインタビュー回答


長くなりましたが、インタビュー日本語訳です。


Q1 あなたの芸術的な道のりと、アーティストになろうと思ったきっかけについて教えてください。

私は2013年にフィルム写真を撮り始め、2022年から暗室で作品制作を開始しました。アーティストへの転機となる特定の瞬間はなく、私は幼少期から自然に絵を描いてきました。4人兄弟の中で成長する中で、私はしばしば孤独を感じていました。夜になるとベランダから星を眺め、想像力で物語を紡いで過ごしていました。アートは最も親しい友人であり、私自身であり、生き抜くために必要な生命活動でした。

Q2 作品の中でどのようなテーマやコンセプトを探求し、なぜそれがあなたにとって重要なのですか?

私が作品を作るのは”命”というものを照らし出すためです。それは、唯一、かけがえがないあなたの姿を留めたいという意味でもあります。
なぜこのテーマが私にとって重要なのかは、かつて幼い私が体験した生命への否定の体験が元になっているように思います。

この私の追求は、東洋の文化的背景から切り離すことができません。日本では、時間は直線的な進行ではなく、循環的なプロセス、つまり継続的かつ反復的な進展として捉えられています。すべては存在し、変容し、消失します。消失は非存在を意味するのではなく、「ゼロ」という状態によって循環が成り立っています。

無意識に私は、この東洋哲学が土台となる日本で生きてきました。自然が擬人化され、”八百万の神々”がいることが当たり前の世界。石や星や植物や、それらと同じに生きている私たち。

同じ元素、同じ時、同じ種に属していても、ひとつとして同じではありません。私も含めて、生きているとはどういうことなのかを描き出したい。アートは、私にとって単なる視覚的な表現ではなく、存在の本質への哲学的な探求です。

Q3 アイデア出しから実行までのクリエイティブなプロセスについて教えてください。特に好きなテクニックや媒体はありますか?

アイデアは日常のふとした瞬間に、目の前に現れます。私はそれを忘れないよう、手帳に書留めるのです。後日、そのイメージを暗室で再現することもあれば、その日のインスピレーションに導かれて即興で描くこともあります。私は特にフォトグラムの技法を好んでいます。これはカメラを使わず、印画紙の上に直接物体を置くことで画像を制作するものです。素材としては、星や宇宙を思い描き、鉱物、砂、植物などをよく使用します。印画紙にフィルムカメラで撮影した写真を焼き付ける際に、偶然起こる現象が作品の重要な部分です。そのため、作品は2度と同じ姿になることはありません。美術史においてクリスチャン・シャド (Christian Schad, 1894-1982)やマン・レイ(Man Ray, 1890-1976)等が用いた技法としても知られています。

Q4 仕事でクリエイティブな障害や課題に直面したとき、どのようにインスピレーションを得ますか?

クリエイティブの裏側にあるのは知識だけでなく人生だと感じている為、アートと全く関係のない活動をしたり、散歩をしたり、読書をします。SNSなどでフォロワーからかけられた言葉が発端となって、物事を調べる中で気がつくこともあります。特別なことをすることが大切ではなく、小さな音や光や声に耳を立てることです。

Q5 あなたにとって特別な意味を持つ作品の特定の部分を強調し、その背後にあるストーリーを共有していただけますか?

私にとって特別な意味を持つ、現在の芸術的スタイルのきっかけとなった重要な経験があります。

現在、私が暗室で制作している作品の原点は、2021年11月に日本で開催した個展に遡ります。
2015年から肖像写真を作品として制作してきましたが、それは私にとって非常にかけがえのないものでした。それは被写体と私の「秘密の共同作業」のような経験であり、被写体の人生の背景を聴き、私自身の背景を共有し、協力して作品を構築していくプロセスでした。この制作を通じて、人が生きる意味やその輪郭を確認することができました。 同時に、私は町や風景のスナップ写真を撮ることにも没頭していました。しかし、これらの即興的な写真は、意識的な思考よりも先に本能で捉えられた瞬間であり、最初はそれを「作品」と認識しませんでした。

個展の構成に肖像作品とストリート写真の両方を含めることを決定した際、最初はこれらの見かけ上関連のないスタイルが交わることはないと信じていました。しかし、それらが同じ展示スペース内で構成されたとき、まるで「細い糸」が絡み合い、2つを結びつけるような繋がりを感じたのです。

「肖像作品とスナップ写真はどこか深いレベルで繋がっている。」

この認識は作品内の分類を解体させ、私は肖像とストリート写真の間に見えた「細い糸」を織り交ぜるようになりました。このインスピレーションを形にする探求の中で、私は暗室を構築し、フォトグラムやソラリゼーションといった技術を用いて作品に命を吹き込むことを始めました。

Q6 今後、あなたの作品はどのように進化していくと思いますか?新しいテクニックやメディアを探求したいと思っているものはありますか?

将来的には、さらに多様な光を求めて進化することを予想しています。それは抽象的になる可能性もあり、また唯一の存在として身体性を取り入れた作品も増えていくかもしれません。新しいテクニックとして、日本の和紙や東洋哲学に根ざした表現に興味があります。

Q7 あなたの個人的な経験や背景は、あなたのアートに影響を与える上でどのような役割を果たしていますか?あなたの作品によく見られる文化的または社会的側面はありますか?

芸術を創造することは主観を変換するプロセスであると私は考えています。私の個人的な経験はフィルターのような役割をしています。すべてが「私の記憶、原体験」という唯一のマテリアルを通過することで、星座のように意味を与えられて描き出されるのです。
社会は大きな連なりですが、目を凝らすと1つ1つが小さな生命の集まりです。マイノリティもマジョリティも、社会構造を作るピースであり、状態を形成しているに過ぎないと考えています。忘れられてしまいそうになるその小さな姿に注目して作品に投影しています。

Q8 過去または現在、あなたの芸術スタイルや哲学に大きな影響を与えたアーティストはいますか?

私のインスピレーションは、幼少期に見上げた星空や鉱石から来ています。
それは日本の詩人、童話作家である宮沢 賢治(Kenji Miyazawa, 1896-1933) の作品に大きな影響を受けています。本当の幸いとは何か。「銀河系」を自らの中に意識するきっかけとなっています。
また、ドイツの児童文学作家ミヒャエル・アンドレアス・ヘルムート・エンデ(Michael Andreas Helmuth Ende、1929- 1995)からも大きな影響を受けています。

Q9 アーティストとしての商業的な側面と、クリエイティブなビジョンに忠実であり続けることのバランスをどのように取っていますか?(モチベーションと生産性をどう保つか)

できる限り自分に忠実であり、本当に望むものを追求するよう努めています。暗室で起こる現象に絶えず驚かされ、何が起こるかを見るために実験することも楽しんでいます。短い時間であっても、インスピレーションが訪れたときには暗室に入るようにしています。

Q10 今後のプロジェクト、展示会、イベントなど、観客があなたの作品を体験できる場所を教えていただけますか?

オフィシャルサイト、インスタグラムに作品を投稿しています。また、2024年4月に日本で開催される個展とアートブックフェアに向けて新しい作品を制作中です。日本をメインに活動していますが、2024年は活動の幅を広げ、より多くの観客に観ていただきたいと願っています。
Instagram:@koyamahitoki3
https://hitokikoyama.com

結局、ずっと言いたいことは変わらない

以上です。長文にお付き合いいただきありがとうございました。
Q2の回答であるように、私が作品をつくる理由は、結局ずっと、人を撮り始めてから変わっていないのです。

「私が作品を作るのは”命”というものを照らし出すためです。
それは、唯一、かけがえがないあなたの姿を留めたいという意味でもあります。」

あなたが美しいと思ったものは正しい。
だからみんな、生きていていい。すべて異なるその姿が美しいと私が証明するから、死ぬまで一緒に生きよう。

命をつなぐという意味では、過去から連なるものを一歩でも前へ進めたい気持ちはある。歴史を進めるとか、大きなことは私にできるかはわかりません。
でも。命の話をすることはきっとできます。

私はずっと、命の話をしている。


スキやコメント、うれしく拝見させていただいてます。サポートは、フィルム現像代や作品に使用させていたり、心のMP回復のため珈琲タイムのお菓子になったりします。