４枚のカードのうち１枚が次々ひっくり返っていく

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やや地味な現象ですが
シンプルでなかなか不思議に見えるトリックです
ダレーのラストトリックとともに
レギュラー４枚でできるスタンダードなトリックでしょう

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４枚のカードを使います
どんなカードでも良いのですが
見た目に色がわかりやすいように
９のカードを使いましょう

この内１枚は表向きにしておきます
３枚の裏向きのカードの中に
１枚だけ♡が表向きになっています

ここで魔法をかけると
いつの間にか表向きになっているのが
♡から♤に変わりました

もう一度魔法をかけます
すると・・・
今度はまた赤いカードに変わりました
さっきは♡でしたが
今度は◇になっていますね

さてこの◇を裏にしましょう
これで全部が裏になりました

まだひっくり返っていないマークは♧です

今一番上は赤いカード
一番下も赤いカード
♧は間のどちらかです

さて、この状態で
あなたは♧のカードに一切手を触れずに
ひっくり返すことができますか？

実はこれは簡単です
こうすれば良いのです
（パケット全体をまとめてひっくり返して表向きにしてしまう）

別に「♧だけひっくり返す」とは言ってみませんからねｗ

「♧だけをひっくり返す」
なら難しいでしょう
これはマジシャンにしかできません

でも、マジシャンならば・・・

（マジカルゼスチチャーをしてから広げて見せる）
（１枚だけ裏向きになっている）

♡、◇、♤、そして裏向きなのが・・・
♧のキューですｗ

（裏向きのカードを表にすると♧Ｑになっている）

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このトリックは本来オチがないため演じにくい部分があります
そこで私はこのようなダジャレのオチを加えました

ただし、意外性のあるオチを加えてしまったため
今度は再演が難しくなってしまいます

そこで私は最後のカードをその都度変えることでマルチエンディングにしました

例えば最後のカードを♧６にすることで
「最後は裏表だけではなく、数字自体もひっくり返しました」
としたり
♧３にすることで
「最後まで見ていただいてありがとうございました。３、９（サンキュー）」
としたり
♧８にして最後見せる前にカードを弾き
♧のマークを１つポトリと落として
「おや？８になっちゃいましたｗ」
としたり
ブランクカードにすることで
「９は英語でいうとナインて言いますよね。そうこれは♧が『無いん』です」
としたり
全然違うカードにして
「♧の９をひっくり返すことはできませんでした。え？ひっくり返っているって？いえいえこれは♧の９では無いんです」
としたり
最後スティールしてケースの上に密かに起き
フォールスカウントで４枚に見せてから次の瞬間３枚に減ったことを示し
「おや？最後のカードは消えてしまいました。いつの間にかこちらにあります」
としたりしています

結果をマルチエンディングにすることで
観客には「どのエンディングだろう？」という興味が生まれ
再演が可能になるのです

多くのトリックは現象は同じでも
様々なやり方が示せるものがたくさんあります
スタンダードトリックならば
やり方が１つだけというものの方が少ないでしょう

そこでこのように展開や結末を変えることで
同じトリックをバリエーションを示しながら見せることが可能になります

こういったやり方でレパートリーを増やすのも面白いでしょう

さて
「１つのトリックがマルチエンディングになっている」
という特性を活かすともう１つ面白い試みができます

それは、演出をタイムリープにしてしまうというやり方です

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１つ目の演技が終わったら時計を見てまだ時間が余っていることをします

どうしようか悩んでいるそぶりを見せてから
急に我に返り、再びショーを始めます

しかしそのセリフは先ほどとまったく同じにするのです
観客は先ほどの行動をもう一度繰り返しているように感じます

しかし、エンディングだけが変わっているのです

マジシャンはここでまた時計を見ます
まだ時間が余っていることを知ります

マジシャンはどうしようかもう一度悩み
また我に返って、同じセリフを繰り返します

観客はまた繰り返しが始まったことを知ります

そしてまた最後だけが違っています

これをあと１、２度ほど続けたのち

時計を見るとちょうど良い時間になっていることを知ります

マジシャンは
「ちょうど良い時間になりました。この辺で終わりにしたいと思います
・・・たった１つのマジックしかしていなかったのに
随分と時間が経ちましたね？」
と不思議そうな顔をして終わります

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単純に同じマジックを繰り返しただけですが
このようにすると演出的に面白くなると思います

この演出はもちろんこのトリックだけでなく
バリエーションが豊富にあるトリックならば
他にも使えますので覚えておくと便利でしょう

⇒【マジックウォンド】