クラシック4エーセス

Aを1枚ずつ入れた4枚のカードの組を4つ作る
観客が選んだ組にいつのまにか全てのAが揃っている

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エースアセンブリ(Aの集合)というジャンルの古典的なトリックです
一般的なものはマスターパケット(予め指定したパケット)にAが集合しますが
このトリックは観客が選んだパケットに揃うところがポイントです

オーソドックスな方法は
『ブラウエのアディション』と呼ばれるシークレットアディションを使用するもので
これは全てのエースアセンブリの基本となるものでしょう

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ここに4枚のAがあります
こちらにそれぞれ3枚の適当なカードを足して4枚のカードの組にします
これらの位置を適当に混ぜ
どこにどのAがあるかわからないようにしますね

さてこれらのうちまず1つ
ちなみにこの組には何のA入っているか覚えていますか?
わからないですよね
確認してみましょう

あれ?
Aがいつの間にか無くなってしまいました

では残りの3つのうち
お好きなものをお手に取ってみてください
その中にAはありますか?
無いですか?

さて本番です
2つを持っていただき
1つを私にください


こちらですね
ちなみに選ばれなかったそちらを確認してください
やはりAはありませんね

と、いうことは・・・

このトリックは『クラシック4A』と呼ばれています
とても昔から人気のマジックでして
多くのマジシャンが演じてきました
お客様の選択によりどれが選ばれるかがわからない状態で
不思議な結末を迎えるからです

ではまず1枚目を見てみましょう

Aですね
でもここまでならありえます
最初に1枚はAを入れていましたから

大切なのは2枚目
どうぞご覧ください
先程消えたAがここに移っています!

さぁ!残りの2枚もご覧ください!
そう全てのAが揃い!
他のカードは1枚として存在しないのです!

END

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ご存知の方にはおわかりかと思いますが
このトリックにはマジシャンズチョイスが使われています

マジシャンズチョイスには様々な方法がありますが
省いたものをその都度確認できる場合は
この流れが比較的不自然さがなく、かつやりやすいと思っています

この方法では
1回目は演者が選んでいます
こうすることで4択を自然な形で3択にしてしまっているのです
この最初の1つ目は状況説明として扱ってしまいます

続いて2回目
これは観客自身が手に取っているので
これでヒットしたら奇跡です
残りの2つは
「ちなみにこちら2つからもAは消えています。ということは・・・」
と進めます

ハズレた場合は「2回試してみた」という形で見せます
先程は演者が選んでいるのでトリックが使えそうですが
2回目は観客が手にとって確認しているのでトリックが使えない
ということを強調します

3回目
見せ方としてはこれが本番であるように見せます
(先の2つはあくまで前段階です)
この時「さて、本番です」というのがポイントです
これまでは段取りであることを示します
全体的な現象は
「Aがどんどん逃げていき、最後に観客の選択によって片方に揃う」
という現象です

2つを観客に渡し、演者に手渡すという点も
これまでの選択とはやり方が違うという意味で効果的です
そして今回は当たりが選ばれましたが
最後に残った方を「選ばれなかった」というのもポイントです
これにより、渡した方を選んだと強調できます

ちなみにハズレが手渡された場合は
「これも見てみましょう。やはりAはありません。ということは・・・」
「最後まで残ったそのカードを見てみましょう」
となります

この時に「最後まで【残った】」と強調するのがポイントです

マジシャンに渡した場合は「選んだ組に集めた」
観客に残った場合は「最後まで残った組に集めた」
という表現になります


四択法には
まず2つを選んでもらい
次にまた2つから片方を選んでもらう
という方法もあり
こちらはチョイスの回数が減るので
全体的に見れば安定して不思議なのですが
先述の方は1回目と2回目で当たった際のインパクトが高まります

これに関しては好みでしょう


最後のオープンは少しもったいつけて見せています

実はここにも秘密があります
【デタッチ】という考え方なのですが
ここで時間を取って見せることにより
先のチョイスの不合理性を記憶から遠ざける効果があります

ここをそれまでの作業の延長で行ってしまうと
わずかな違和感を思い起こされてしまう可能性がありますが
わざと時間をかけ、かつ1枚ずつ盛り上げながら見せることで
先の作業の段取りと結果を切り分けることができるのです

もちろん最後のクライマックスを盛り上げる効果も担っています

ビギナーの演じ方で
それまでの段取りとクライマックスの見せ方が同じテンポの人がよくいます
これではせっかくの効果が弱まってしまいます
クライマックスはちゃんとそれまでの段取りと区切り
しっかりと盛り上げながら見せるようにしてください

ホンのわずかな展開の間のとり方で
効果を引き上げる効果があることを
知っておきましょう

【マジックウォンド】

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