転職エージェント業の衰退を感じる

近頃、もう自分が好きだった転職エージェント業はかなり市場が荒れてしまって、業界全体として品質が低下してしまったような気がする。

採用手法として企業側にはすっかり馴染みのダイレクトリクルーティング。要するに、転職エージェントじゃなくて、企業が直接スカウトメールを送りますよ、と。
企業の目利きなので精度が高く、かつ面接確約のスカウトもありますよ、という見せ方。

ただ、企業に採用代行業社が入っていることもあるから、その場合、実際にスカウトメールを送ってるのはその代行業社のスタッフにすぎないし、面接官をするのも同じく代行業社のスタッフかもしれない。

それって転職活動者への見せ方を変えただけで、やってることは従来のスカウトとたいして変わりはない。

もっと考えさせられるのは、一部の超大手転職エージェント。彼らはもはやデータベース屋さんとしてビジネスを展開している。
自社のマーケティングで集客した転職活動者のデータベースを、他社の転職エージェントに解放していて、料金はスカウト何通でいくらとか、そこから転職決定したらそのうちいくらとか。

データベースの解放自体は以前からもずっとある。マイナビ転職に登録したのに、よくわからない転職エージェントからスカウトが届くのは、つまりそういうことだ。

でもダイレクトリクルーティングと称してしまうと、転職エージェントのデータベースにスカウトしてるのに、転職エージェントがその転職活動者の情報を持っておらず、まったく間に介在する価値を提供できていないケースも多い。

本来、転職エージェントは、採用企業と転職活動者の間に入って、双方が正しく互いを認識できるように立ち振る舞う立場だ。それは、外から見るよりも意外に難易度が高いもので、意義深い仕事だと思う。
でも、この超売り手市場のせいなのか、転職するのが当たり前になってきた世相のせいなのか、はたまた参入障壁の低い稼げるビジネスだと思われているからなのか。とくに歴の浅い若手の転職エージェントが、ただ人の数を捌くような動きをしているのが目についてしまう。
本当はもっと突き詰められる仕事なのに。

なんかちょっと寂しいなという、勝手な独り言です。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?