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普通の人がちょっと背伸びする「サブカメラ」

写真は一期一会と言われます。カメラが故障してしまったり、同じ瞬間を違う画角で撮影したいなど、撮影に複数のカメラを準備することでリスクを回避したり、少ないチャンスの中で表現の幅を広げることができます。それがサブカメラを買う「理由」です。

ところが実際はそれは単なる言い訳で、新しいカメラが欲しいだけということもあります(笑)が、少し真面目にサブカメラについて考えてみます。

11月22日にニコンからZ50というAPS-Cフォーマットのカメラが、オリンパスからはE-M5IIIというマイクロフォーサーズのカメラが発売されます。(なぜか同じ日)

この2機種は、メインカメラになる実力を持っている一方で、サブカメラとしての役割を多く背負った存在だと私は考えています。その辺りについて少し書いていきます。

発売日が「1122 いい夫婦の日」とういのもサブカメラという役割にぴったしです。

サブカメラの役割

サブカメラを考えるためにはまずメインカメラを決めなくてはなりません。メインカメラの役割は納得できる写真が撮影できることですが、最近ではフルサイズ機が特別なものでは無くなってきており高性能レンズも次々と発売されいることから皆の気持ちの基準が少し上がってきているように思います。(笑)

メインカメラが決まると、次はサブカメラの役割を考えていくことになります。

一つはメインカメラが故障したときに、ほぼ同じ撮影ができることです。この条件を満たすためには、メインカメラと同じ機種をもう一台用意することがベストになります。撮影を依頼され仕事としているプロカメラマンはこちらのパターンが多いと思います。

もう一つはメインカメラの撮影領域とは別の画角のレンズを付けたりして、表現の幅を広げることです。カメラの故障の確率はそれほど高くないため普通の人にとってはこちらの役割を重視する方が多いのではないでしょうか。

荷物を減らす組み合わせ

同じカメラをもう一台追加するのは単純ですが、異なるカメラを組み合わせる場合には何らかの作戦を考えなくてはなりません。

費用を安くする目標を設定することもありますが、複数のカメラを持ち歩くことを考えると全体を小さく軽くすることを考えなくてはなりません。クルマで移動するにしても、撮影の現場では歩き回ることが多くなりますので、撮影機材を小さく軽くすることは非常に重要です。

まず、全く違うマウントの組み合わせで、それぞれ複数のレンズを用意するというパターンはもっとも荷物が多くなりますので現実的ではありません。

いくつかのオススメパターンを考えてみましたので参考にしてください。

マウント変えずに撮影領域を変える

ミラーレスではソニーのEマウントとニコンのZマウントは同じマウントでフルサイズとAPS-Cの2つのフォーマットに対応しています。そのため1本のレンズで2つの画角を使うことができるため、レンズだけで考えると画角レンジを狭め本数を減らすことができます。

もう少し詳しく説明すると、フルサイズの広角寄りにレンズを揃えれば、APS-Cで使用するときには1.5倍の画角で使うことができます。

このパターンが最も効率的なメイン/サブシステムになります。

(一眼レフのマウンドではキヤノン、ニコン、ペンタックス、ソニーの全てで、同じことが実現できていました)

キヤノンのミラーレスはそれぞれ専用のマウントを採用しており、今回ニコンがZマウント用のAPS-C機が発売されることで、2社の間に大きな違いが生まれることになります。つまりZ50は想像以上に重要な製品ということなのです。

同じように使える大きなカメラと小さなカメラ

同じレンズを違う画角として使うことが使いにくいと感じる場合もあります。例えば違う画角のレンズをそれぞれに付けても画角が被ってしまう場合などです。

そこで同じマウントと撮像素子サイズという条件でお勧めのパターンを考えてみます。

一般に高画質で高性能なカメラはフラッグシップと呼ばれ大型になっていきます。そこに大型のサブカメラを組み合わせると荷物が大きくなってしまいますので、小型でなるべく性能や操作性が近いカメラと組み合わせるのが理想的です。

マウントと撮像素子サイズのでクラス分けをしているメーカーでは、同じクラス内ではサイズの違いが少なくなってしまいます。逆に同じ規格マウントと撮像素子サイズで幅広いクラスを持っているメーカーでは、大小を組み合わせたメイン/サブシステムを組むことができます。

ミラーレスに限定していえば現在その幅が一番大きいメーカーはオリンパスです。40万円近いE-M1Xから10万円以下で買える製品まで実に多彩です。

今回E-M5markIIIが発売され、メニュー体系などM1Xと揃ったことで、ダブルフラッグシップと言われポジションが近いM1markIIIとの組み合わせよりも、トータルで小型にシステムが組め。更に一台運用の時でも撮影目的に応じて最適な使い分けができるようになります。

サブカメラを選ぶ文脈は、高級コンパクトとの組み合わせや、特定レンズ専用のサブカメラを選択する方法など、いくつものストーリーがあり、それぞれじっくり語ると面白いネタがたくさん湧き出てきます。

今回は、22日のニコンZ50とオリンパスM5IIIの発売を前にして、その2機種が持つサブカメラとしての魅力について書いてみました。

多分のどちらのシステムも実際に買える人は普通では無いと思います。でも宝くじが当たったとしたら実際に持ち歩けるシステムとして理想的ではないでしょうか。

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