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カメラポエムを楽しもう

【クイズです】この5つのキャッチコピーから、メーカーとシリーズ名を想像してみてください。(答えは記事後半)

① 〇〇との旅は、きっと魅せたくなる。

② 写真・映像表現を”スマート”に。

③ 〇〇 is my life.

④ その眼に、その指先に、シンクロする。

⑤ Get Real. 真を写す。

マンションポエムをご存じでしょうか。新築マンションが乱立し販売競争が激しくなった時に話題になっていました。

それと同じように、スマホに押し込まれてデジカメの販売が苦しい状況が続いており、その中でスマホで写真に興味を持った人にカメラの魅力を伝えたいというのが重なり「カメラポエム」が面白くなっています。

カメラの価値が変わった

「写真が撮れるだけで素晴らしい。失敗しなければもっと素晴らしい。」という時代から、「撮れるのは当たり前、奇麗な写真が撮れて、思い通りの表現ができるから素晴らしい。」という時代に私たちは立ち会っています。

昭和のカメラの宣伝と言えば、「簡単カメラ」「速光カメラ」「フルオートカメラ」みたいなキャッチコピーや、「〇〇できる」「〇〇搭載」と機能をそのまま訴求するものが多かったと思います。そしてときどきポエミーなものがある感じでした。

それが大きく変わったのはキヤノンのEOS KISSの登場した辺りだと思います。人とカメラの関係が写真を撮る道具から、人と人との関係を表現するための媒体として位置付けたことで、撮影行為やカメラの存在自体をポエミーに変わってきたことです。

また富士フイルムの「写ルンです」の登場によって、カメラが精密機器から日常雑貨へと進化(!)し、多様なライフシーンの中で、女子高生からお年寄りまで気軽に写真を撮ることが定着していきました。

この流れに全てのメーカーが追従した訳ではありませんが、カメラや写真をファッションの一部として楽しんだ「カメラ女子」が注目されたことで、従来からの機能訴求とは別に感性訴求の方向に大きく変化が起きました。

そして最近では、機能や性能による差別化が難しくなってきたことから、機能訴求機種であってもポエミーなキャッチコピーが使われるようになってきたというのが大雑把な流れです。

冒頭のキャッチコピークイズの答えです

①番の「〇〇との旅は、きっと魅せたくなる。」は オリンパスのPENでした。

カメラの購入動機として「旅行に持っていくため」というのが上位にきているにもかかわらず、旅カメラというコンセプトを打ち出しているメーカーが少ないように感じますが、PENは真正面から訴求しようとしています。

②番の「写真・映像表現を”スマート”に。」は、富士フイルムのX-A7でした。

十字ボタンを無くし、画面へのタッチ操作をメインにしたスマホスタイルの操作系を表現したものだと思います。写真を撮る道具というカメラのイメージから少し離れて、スマホが持つ映像を自由に編集して楽しむことを取り入れようとしています。

③番の「〇〇 is my life.」は、キヤノンのEOS KISSでした。

私の感覚では、KISSは子育て世代が入学式や運動会で使うカメラというイメージでしたのでファミリーライフが主体に考えてしまいますが、あえてマイライフとすることで「表現する私、主体的に撮影している私」というもう一歩踏み込んだ表現で、ライフイベント記録だけでなく、その中で撮影体験を楽しむことを伝えたいのではないでしょうか。

④番の「その眼に、その指先に、シンクロする。」は、パナソニックのLUMIX G9PROでした。

静止画画質の大幅な向上と共に、カメラの操作性の集大成的なボタン/ダイヤルを有していることが話題となり、私もメインカメラとして購入しました。発売当時はマイクロフォーサーズ機で最もフラッグシップ的な操作系の機種でしたが、AFターゲット移動が斜め方向に移動できないなど現在でも解決できておらず少し残念な状況です。(キャッチコピーと現実との差がちょっと寂しい)

⑤番の「Get Real. 真を写す。」は、リコーのGRIIでした。

あえて1世代前のGR IIのキャッチコピーを使ってみました。それに対して最新のGR IIIでは、コンセプトやフィロソフィーとしての言葉はしっかりとあるのに、キャッチコピーとしては「GR」だけなのがとても印象的です。ある意味でもっともポエム的に語りたくなる機種であるからこそあえて無駄な言葉を使わないことで「The GR」ということを語ろうとしているようです。

深掘りできていない内容でしたが楽しんでいただけましたでしょうか?ご自分のカメラのキャッチコピーが何か気になった方はぜひ調べてみてください。

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