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Onlineで日本語を教える|#4 課金ツール

 さて、過去にも来てくださった方がいらっしゃれば、また来てくださってありがとうございます。今回初めての方、はじめまして。
オンラインで日本語を教えている、こゆきと申します。
 ここでは、人見知りでど素人の私が、約2年前に始めたオンライン日本語講師の仕事について、つらつらと思いつくままにお話ししたいと思っています。

 今日は、失敗したらすぐオンラインの世界から消えるんだ、と思っていた先行投資しない派の私が、なぜだか課金して使っているツールがあるのでお話ししたいと思います。ご参考になったりならなかったり、ですが、ぜひご覧ください。


スライドを作るならこれ genially

 これは私の個人的事情ですが、会社員時代はパワポをほとんど使用しませんでした。エクセルとメールで仕事の98%ができてしまう業務だったせいです。そのため、簡単なことはできますが、効果的でかっこいいスライドを素早く作るのは下手だと思っています。

 なお、本来日本語を教えるのに「かっこいい」にこだわりすぎるのはよろしくないですが、プレゼンテーションスライドが美しくないのもよろしくないと個人的に思っています。だって見せるものなので。

 ちなみに、話が逸れるようで申し訳ないのですが、教材を作るのにどの程度時間をかけるのか(そもそも時間をかけるべきなのか)という点とも、今日のツールのご紹介の話は密接に関わっていると思います。個人的には限りなくゼロが理想ですが現時点では困難で、また、個別にカスタマイズしたレッスンの実施において、多少「見せるための視覚素材」が必要となることは否めません。
 そこで私は、操作が直感的でかつ、デザイン性に優れたものが時間をかけなくても作成できるツールを探しました。そこで見つけたのがgeniallyです。

 無料で使用することも可能です。サイト上にあるデザインテンプレートが豊富で、スライドの中にフラッシュカードやクイズのページを組み込むこともできます。あくまでも個人的にはですが、パワポより短時間でスライドを作成できます。また、これはデメリットと背中合わせですが、作成したファイルはダウンロードしない限りサイト内に保存されています。ローカルまたは自身のクラウドの容量を圧迫しないのも私には都合が良いです。

 すべての自作教材をここだけに集中させて、まったくダウンロードや保存をしていないとなると、ある日サイトが消失したり、ログインできなくなったりした時に、完全に詰む😱、のでおすすめしませんが、さっと作ってまた編集しなおすかもしれない程度のスライドなどは問題ないかなと思って使っています。パワポよりも、文字のサイズ変更とかちょっとした画像編集などは、個人的にはやりやすいかなと思います。

 また、私は使っていませんが、他の人とコラボレーションして編集する機能もあります。

geniallyではゼロ初級〜初級の視覚教材を作っています

 課金するとできるようになることは、主に、デザインされたテンプレートの選択に制限がなくなることや、ローカルへのダウンロードが可能になること、などです。プレゼンテーションビューで使用するには、サイト内で公開しなくてはいけないのですが、これも課金すれば自分とリンクを知っている人以外からアクセスできないように制限することができます。

 私は現在、課金プランの中で最も低価格な月4.99US$(請求は年額)のプランを使っています。さらに高いものは、9.99US$/月、12.49US$/月のプランがあり、コラボレーションできる人数が増えたり、オリジナルロゴが作れるなどの特典があるようです。(2023年12月現在)

4択クイズはいつもこれ   wordwall

 基本的に得意ではない初級レッスンですが(Online で日本語を教える#2もぜひ!)、ひらがなやカタカナ、基礎的な単語をクイズ形式やフラッシュカードで練習するのに使いやすいのはこちらのサイトwordwallです。私は上級の学習者さんのオノマトペを覚えたい、というリクエストの際にも使用しました。
 たとえば、ですが、約20問のクイズを作るのにかかる時間は、はやければ10〜15分程度です。クイズの選択肢は毎回ランダムにシャッフルするように設定することもできます。さらに、サイト内で挿入画像も検索できますので、サクサク作成できます。デザインもそこそこ選べます。問題は、無料だと5つまでしか教材が作れないということです。さすがにもう少し作りたい、ということで課金しました。私は月900円のプランです。このほかに月1350円のプランもあり、テンプレートの種類の使用制限がなくなる、印刷が可能になるなどの特典があります。(2023年12月現在)

wordwallの4択クイズ。
オノマトペを復習したい学習者さんと練習しました。
しゃかしゃか、て。

おしゃれなデザインと機能性 canva

 これも、言わずと知れた人気のサイトですね。geniallyはICT化された教育現場での利用に主な焦点を当てていますが、canvaはビジュアルデザイン全方位型です。でスライドはもちろん、動画やwebページデザインなど、あらゆる方面で機能的に使用できます。スマホ表示用のテンプレートも豊富なので、SNSで集客したい方にも強い味方になりそうです。

 私は最初、プラットフォームに掲載する自己紹介ビデオの編集で使用しました。普段動画編集なんてしない私でも、字幕も簡単につけることができ音楽も設定できて、とても助かりました。

 noteとがっつり連携していますから、今更ご説明はいらないかと思いますが、課金する場合は月額1500円または3000円の2つのプランがあります。テンプレートや写真・イラストなどの素材が無制限に選択できるようになったり、チームでコラボレーションして使用できるようになったりします。(2023年12月現在)

シとツの違いを説明してみたりして
これもcanvaで作りました

 先に紹介したgeniallyでは、解説→確認のためのクイズ、という流れのあるスライドをよく作ります。もともとそういうテンプレートがたくさんあるからです。canvaでは、1枚で見せるもの、図表などをよく作っています。こちらも直感操作が可能で、作業スピードもはやくなるし、やっぱりパワポより断線使いやすいです。またフォントの種類が豊富で楽しいので、視覚にこだわりたい方にはおすすめです。自分のサイトページをデザインしたい人にもいいと思います。

 私は、個人レッスンをやっていますが、その領収書にcanvaでデザインしたオリジナルロゴをつけました。
 おしゃれなデザインがたくさんあるので、とても参考になります。

自分が楽になるのは手抜きなのか

 便利とは、使う人や使い方で決まりますので、ほかにも様々な良いサイトやサービスがあると思います。私も必要に応じて、使い分けたり乗り換えたりしていくことになると思いますが、今のところ教材作成に使う課金ツールはこのくらいです。無料ツールでは、googleドキュメントなども使用していますので、私の場合の活用法も別の記事で紹介しようと思っています。

 あとは、chat GPTに課金することで可能になる機能に興味津々なので、今勉強しています。無料範囲でも教材の準備に役立つことがあるので、ドラスティック?な改革ができるんじゃないかと目論んでいますが、もう少し研究してみたいと思います。

 私の場合、経験・知識不足を痛感していますので、課金という意味では自分の勉強のために使うお金の方が多いです。役に立った書籍などもまた共有できたらいいなと思っています。
 
 私が受講生として英語やスペイン語のレッスンを受ける中で、準備不足(実際には教材のというよりも、レッスンに対する先生自身の、という点ですが)は、かなりわかりやすく目に入ります。
 そして簡単に受講する側のモチベーションを奪います。
 教材を好む方もそうでない方もいますので、視覚教材にこだわる必要がないのも事実ですが、どうせ同じ時間を使うなら、効果的で印象的な教材を使ったほうが、学習者さんにとってもよいのではないかな、と思っています。
 また、準備することで経験が浅い講師もきちんと自分の頭を整理することができるので、それはその価値と必要があったということだなと今は考えています。

 しかしながら、冒頭に書いた通り、レッスン外の準備時間の短縮は、やはり大切だと感じます。レッスン時間に対して価格を決定する仕組みなのでこれは宿命です。準備に不用意に時間をかけすぎることは時間単価を下げてしまいますし、かといって準備不足は報酬を得てレッスンする以上、どう考えてもNoです。バランスよく、効率的に時間を短縮できる方法を常に模索することはどうしても必要だと思っています。時間をかければかけるほど良い、ということはやっぱりないと思うので、持続可能性のためにも自分にとって楽な方法を見つける必要があります。
 真面目な人ほど、自分が楽をすることを手抜きだと感じてしまいがちだけど、そうじゃないと私は(自分で自分の首をしめていろいろ損をしたので)学びました。

 以前も書きましたが、このあたりの効率化という意味では、レベルや対象者を限定してしまうのもひとつの方法かもしれません。専門性を高めることができ、また準備する素材も限定できます。これまでのほんの2年半ほどの間でも、たとえばJLPTと面接対策は特に専門性を高める価値のあるカテゴリーだと感じました。もちろんそれを自分もやりたい場合ですが、○○専門の先生、とか、○○ならまかせて、○○多数実績あり!、みたいなものはセルフプロデュースには必須だと思うので、きちんと売り込んでいきたい場合は、専門性の向上とともに効率化を図るのが現実的かもしれません。

 また、慣れてきたら楽になるのはやはり本当なので、もしも始めたばかりで、「え、毎回この準備するの、無理!」と思っている方がいたら、心配しないでください。もう少ししたら、同じものを使ったレッスンができるようになると思います。ただし、私の場合は少し前に作った自分の資料はちょっと物足りなくなってきてしまうことがよくあります。自分が成長しているのならいいですが、あの時のやり方はよかったのだろうか、と気になることもしょっちゅうです。ただこれも、自分のやり方が唯一の正義で、すでに完成していると思い込んでしまうよりはずっと安全だと(素人だからこそ)思うので、日々精進していきたいところです。

 そのためにもまずは自己研鑽、ではあるので、「自分に課金」のほうが今は大事かなと思っています。それと同時に、便利なツールを駆使することで「作る」「探す」を減らし、「考える」「創造する」「工夫する」を増やしたいと思います。

 今後は、無料ツールの活用に加え、調べ物をするときによくお世話になっているサイトなども共有したいと思います。

 今後も自分の反省もかねて振り返りつつ、私の体験をお話ししていきたいと思います。最後まで読んでくださって、ありがとうございます。もしご興味があれば、また見に来ていただけると嬉しいです。そして、ご経験を積んでいらっしゃる諸先輩方におかれましては、どうか温かい目で素人を見守ってくださると幸いです。

 それでは、また🫡


よかったら、こちらもぜひ⇩ 気分転換になりますように。


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