「もうすぐだよ!」
「うん!」

今日も りこちゃんと こざる達は いつものように わいわい楽しく
皆で一緒に夕飯を食べました。
そして 食後のお茶を飲みながら、録画した朝ドラを皆で観ています。
朝ドラといっても、以前の朝ドラ、今は夕方、再放送している『ゲゲゲの女房』です。
りこちゃんと こざる達は、このドラマが大好きで、毎日、とても楽しみにしています。

「わぁ!」
「やったー!!」
「よかったねー!」
りこちゃん、こざる達は、とっても嬉しそうです。

画面には、たくさんの家財道具を積んだリヤカーをゆっくり引っ張っていく
水木先生の姿が映っています。

「遂に質屋に入れていたものを全部、取り戻すことが出来たんだよ!」
「『墓場鬼太郎』が 少年漫画雑誌に連載することになって、やっと貧乏から脱出できたんだ!!」
「ぼく達、水木先生が束になった質札を 質屋で こうトランプみたいに並べて
とっても嬉しそうにするシーンが大好きなんだよ。」
皆、うんうん頷きます。

最初から、ずーっと貧乏続きでしたが、
遂に報われる日がやってきたのです。

「これからは漫画家として、成功していくんだよね。」
「この味わいのある仕事場のシーンとも、おさらばかー。」
「これから増築して、アシスタントも入ってくるから、ドラマも変化していくんだよね。」

そうでしたね。
今までの貧乏二間（2階もあるので、もう少し広いはずですが）の生活は終わりです。

「この襖とか、本棚、ちゃぶ台とか好きだったなぁ。」
「窓から夕陽が差し込んできて、その中で必死で漫画を描き続けているシーンとか...」
「電気代払えなくて、電気止められちゃって、ロウソクの灯で漫画を描きながら、星空を眺めるシーンとか…」

貧しくとも心まで貧しくなってはいかん! 水木先生は、そう言っていました。

「あの時があって、今があるんだよね。」
皆、うんうん頷きます。

「お茶のお代わり、入れてくるよ。」
「ぼくも行くよ。」

こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
今朝は冷えました。もう冬ですね。
よい毎日でありますように (^_^)