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もう紅葉真っ盛り

「もう8月が終わるねー。」
「うん、あっという間に夏になって、
わー暑い暑いって言ってたのに、あっという間に夏が終わるね。」

こざるカフェは、そろそろ おやつの時間です。

「暑過ぎるのはイヤだけれど、でも夏が終わっちゃうのって
どこか寂しいねー。」
「うん、やっぱり、夏=夏休み=楽しいというイメージだからかなぁ。」
皆、うんうん頷きます。

外では蝉たちが まだまだ元気よく鳴いています。

「でも、なんとなーく蝉の数も少なくなった気がするよー。」
「そうだねー、やっぱり秋に近づいているからね。」
「お店じゃ もう秋真っ盛りだよ!」

さっきスーパーへ行ってきた こざるちゃんが言います。
「まだ真夏で暑い暑いって言ってた時に
もうお店には、秋の紅葉柄の缶ビールとか、ペットボトルのお茶とか、
あとお菓子も秋の味のものが 沢山並び始めていたんだよ。」
「そうだよねー、お店にいくと、もう紅葉しているよね。」
「でも早過ぎるよー。」
「何でも早過ぎるから、年末近くになると、皆 焦っちゃ生んだよ。」

お店としては「早く買わなきゃ」という心理が働いて
売り上げアップにつながるという作戦なのでしょう。

「もうすぐクリスマスケーキの予約が始まるだろうし、
すぐにお節の予約も続くだろうしね。」
「早く予約させて、お客を確保しないとならないからだろうけどね。」
「もっと のんびりでいいのになぁ。」
「年々早くなっている感じがするよ。」
皆、うんうん頷きます。

先取りし過ぎると、何だか どんどん気忙しくなっていくように
思います。
季節感も ずれてくるような気がします。

「ぼく達は、世の中のスピードからとっくに置いていかれて
周回遅れだけどねー。」
皆、笑います。

「周回遅れというより、元々、コースから外れているんじゃない?」
「あ! そうだね!」
「マイペースで、ゆるーく のんびりだからねー。」
皆、大笑いします。

「やっぱり、今のこの時、この季節を きちんと感じた方がいいと思うんだ。」
「そうそう、実際の季節を肌で感じることだよね。」
「そうしないと勿体ないよ! 」
皆、うんうん頷きます。

ラジオからテンポよく伸びやかな歌声が流れてきます。

「チェックのシャツが風にふくらむ後ろ姿を
波をバックに焼きつけたかった まぶたの奥に
それは はかない日光写真 せつないかげろう
胸のアルバム閉じる日が来るの こわかったずっと
雲の影があなたを横切り…」

松任谷由実の『カンナ8号線』です。

「りこちゃんに、おやつ食べようよーって言ってくる。」
こざるちゃんが、りこちゃんの部屋へ向かいます。

「カンナの花が燃えてゆれてた 中央分離帯
どこへ行こうか待ちどおしかった日曜日
いつかさそって昔のように 笑いころげたい
うらまないのも かわいくないでしょう
だから気にせずに
ドアを開けて波をきこうよ…」

「りこちゃーん、おやつの時間だよ!
今日のおやつは、レモンシャーベットだよ。
一緒に食べよう¡」

「想い出にひかれて ああ ここまで来たけれども
あのころの二人はもうどこにもいない」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
もう明日からは9月なんですね。
よい毎日でありますように (^_^)

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