見出し画像

楽しい雨宿り

「止んだかな?」
「まだちょっと降ってるけど、でももう傘ささなくても平気だよ。 」
「本当によく降るねー。」

今日は早朝からずっと雨が降っていて、
時々、かなり強く降りました。

「予報では昼過ぎには上がってきて晴れるって言ってたんだけど
ずっと降り続いていたんだ。」

今日も こざる達は わいわい楽しくおしゃべりしながら、
夕飯の仕度をしています。

「雨も必要だし、普通に降る雨ならいいんだけど、
被害が出るような大雨は、ないといいな。」
皆、うんうん頷きます。
こざる達も、ずっとニュースを聴いていて、
今回の大雨の被害をとても心配しています。

「毎年 夏って、こんな具合に大雨がよく降ったっけ?」
「去年の夏も こんな感じだったかなぁ?」
「うーん、ずーっと前は、夕立はあったけれど、
こういうゲリラ豪雨はなかったよね。」
「短時間に ものすごく大量の雨が降るのって、ここ数年じゃないかなぁ。」
「うん、ゲリラ豪雨って言う言葉も、昔はなかった気がするよ。」

これも温暖化の影響なのでしょうか。

「そういえば、以前、りこちゃんと皆で一緒に、
8月にディズニーシーに行った時、大雨に降られたことがあったよね。」
「あ、あったねー。モノレールに乗っていたら、急に降ってきて…」
「そうそう、乗る前は降っていなかったんだけど、乗って少ししたら、
ザーッて降り始めて、雨で外が真っ白になってねー。」
皆、うんうん頷きます。

それは午後3時から入れるチケットをもらって、
じゃあ皆で行こうということになって、出かけた日のことでした。

「天気予報では、曇りから晴れてくるって言ってたんだけど、
ぼく達がシーに行くモノレールに乗ったら、あっという間に黒雲が広がって降り始めたんだよ。」

そして傘なんて全く役に立たないくらい激しく雨が降り始めました。

「それでぼく達、降りなくていいよ、もう少し乗ってようよって言って
そのまま乗っていたんだよね。」

ほとんどの人は、シーで降りて行きました。
皆、土砂降りの雨でも、少しでも早く入りたいのでしょう。

「ぼく達は、きっと少ししたら止むだろうし、
雨の中、滑って転んだりしたら大変だし…」
「濡れて風邪でもひいてもよくないし、慌てて入ることもないからって
降りなかったんだよ。」

なんといっても、りこちゃんに無理をさせてはいけません。

「ディズニーリゾートラインは、山手線みたいに、
ずっとグルグル回っているから、皆で 外を眺めて お喋りしてね。」
「あの時間、なんだかとっても楽しかったねー。」

ディズニーのモノレールですから、乗るだけで既に楽しいのです。

「それで3周目で雨が止んだから降りたんだよ!」

実際にディズニーランドやディズニーシーには行かずに、
このモノレールに乗って、何周かするということを
楽しむ人もいるそうです。

「海も見えるし、夜だったら花火も見えて、眺めもいいからね。」
「普通の通勤電車じゃないから、とっても楽しいよ。」
「それにディズニーリゾートラインは、乗車賃も高いから、
本当は すぐに降りたら 勿体ないんだよ!」

そうですね、確かに なかなかいいお値段です。

「確かにディズニーのモノレールも楽しいんだけど、
景色も綺麗だし、車内もディズニー仕様だから、とってもいいんだけど、
でも皆と一緒に乗っているから、だから とってもいい時間なんだよ!」
こざるちゃんが そう言います。
皆、うんうん頷きます。

どこに行くかも大切ですが、誰と行くかが大切なのです。

ラジオから軽快な歌が聴こえてきます。

「勇気とは誰かに誇るものではなく 
自分の弱さと戦うための心の武器
希望とは真夜中にやけに輝いて 
その光だけが明日をきっと照らせる」

スガシカオの『雨ノチ晴レ』です。

こざる達は静かに聴いています。

「白い画用紙に書いたあの日の誓いは まだ停滞中
登り坂で息を切らす その少し先に答えがあるはず」

夕飯の仕度が出来たようです。

「りこちゃん、呼んでくるねー。」
こざるちゃんが歌いながら、
りこちゃんの部屋へ向かいます。

「雨ノチ晴レなら 水たまりにはきっと
澄みきったこの世界が映る」

「りこちゃーん、夕飯できたよー。
今日はカレーライスだよ! りこちゃん用に甘口だよ!
皆で一緒に食べよう!」

「なんでもない明日にも 
挫折や不安が そっと潜んでいて
ほんのちょっとのおまじないで 
それはウソみたいに光に変わる」


こざるカフェは、今日も ゆっくりゆっくり
のんびり 穏やかに時間が流れていきます。

読んで下さって、どうもありがとうございます。
明日で8月も終わりなんですね。
よい毎日でありますように (^_^)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?