飢えの底

私は大人と呼ばれる年齢を過ぎても、愛情に飢え
それを真っ直ぐ出せなくなってきて
吐き出す場所も無く、だからと言って築き上げてきたモノ達を壊す気概も無く
昔ほんの少し先っぽに触れた気がする愛をふと思い出したりしながら、のうのうと生きている

そう、のうのうと生きていると言うのがぴったりだと思う

自分の中身と、他者が抱く私のイメージの違いの大きさに辟易した
という言い訳を盾に、誰かと分かり合おうと進んでせず
だからと言って来る者は拒み
それでもその壁をよじ登ったり、破壊したりする人達としか気持ちを紡がず
その中でも何かを理由に選り好みをし
「もう悲しいのは嫌」と悲劇のヒロインの様な空気の中でのうのうと生きている

自分の過去達を肴に友人達と笑いながら話を出来るのに
何故、私はそれらを心の底から振り切れないのだろう
相手に対しては完結しているのに、どうして自分に対しては完結出来ていない感覚に陥るのだろう
我儘だからなのだろうか?

本当はそれではいけないのだと分かっていても
それでもまだ立ち上がれない
私は自分で踏ん張る為の足を切り落としでもしたんだろうか