きらきらと

    きらきらと星の破片が降ってきたから、もう眠ろうと思う。
 どの星が砕けたのか知らない。わたしが死んでからずいぶん経つが、いつのまにかこの世界では星が砕けるようになった。その破片が降る。ふるふると降り注ぐ。
 星は何の前ぶれもなく、ほろりと砕ける。ひとたび砕ければ終わりだ。あとは破片が散るばかり。
 わたしが死んだ夜も、星が砕けた。それからも、星は次々に砕けた。いったいいくつの星が砕けたのか、どれほどの星が残っているのか知らない。
 きらきらと、ただきらきらと、いのちをなくした星の破片が降る。光りさざめきながら降り注ぐ。わたしのところにも降る。とうのむかしに死んでしまったわたしのからだをうずめていく。
 だから、もう眠ろうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?