全自動で業務を回したいんだよねこっちとしては。
その方がみんな幸せですよという話です。
全自動にするまでの道のりはちょっと大変
色んなセミナーに参加したり情シスSlackで情報収集していると、様々なSaaSを導入するまではそれなりの数の企業が行っているように感じます。
そうなると次のステップとして、SaaS間を繋いで情報をより活用していきたい、ですよね。
もちろん情報だけではなく部署間も跨いでのやり取りがすべて集約できると最高ですが、流石に全部を実現する負荷に耐えられる人は本当に一握り。
まずは着実に情報の連携を行っていきたいところです。
このフェーズで各社色々と試行錯誤されているなぁと感じています。
もちろん、色んな方法がありますし企業ごとの文化に沿った運用を目指すべきではあるのですが、部分最適になっていないかが気がかりです。
部分最適で考えていると技術的負債も溜まりやすいので、この辺り気をつけていきたいですね。
色んな製品を触りたい気持ちはわかるし、特にIT企業だとチャレンジしているという事で従業員が運用の変更に寛容なところもあると思いますが、やっぱり二転三転されるよりは一発でシュッとスマートになってくれた方がいいわけで。
そういう意味ではSaaS側は紙媒体からの移行による効率化よりも、他の類似領域のSaaSとの比較で良さを語っていただければ幸いです。
紙媒体から移行するとこんなに効果が!ってまだ地方だと謳い文句として効果的なんでしょうか?
そろそろ何かしらのシステムを入れていても、ウチに乗り換えてくれればこんな付加価値がつきます!という情報がほしいです。
とまぁふわふわと語りましたが、情報の連携を考える情シスとしては次にSaaS側に求められるのはこの辺りかなという機能をまとめてみました。
欲しいものその1:SCIM
主にユーザー情報を連携したい時に使います。
SSOで複数のサービスを1つのアカウント情報で横断的にアクセス出来るようになりますが、結局それぞれアカウント情報自体は前もって各サービス上で作成しておかないといけなかったりします。
しかし、SCIMであればアカウントの作成〜更新〜削除などのいわゆるアカウントライフサイクルが完全に任せられるので嬉しいですねー。
セキュリティの観点でも一律同じ基準を準拠させられるので楽に安全になりますし、アクセス権などの認可部分も強化できるので利用しない手はないです。
欲しいものその2:APIやiPaaS
主に管理者が実施する作業を自動化したいときに使います。
通常管理コンソールにログインしてアカウント作成や権限付与などを行っているかと思いますが、その作業一つ一つをAPIで呼ぶことで管理コンソールに入らずに同じ作業ができます。
であるならば、そういったAPI呼び出しをまるっとiPaaSなどのシステムで行えるようにすることで、作業者の忙しさに関わらずいつでも申請されればすぐに作業が実施される仕組みとなり、ユーザーである従業員の満足度が上がるわけですね。
連携機能として特定のSaaS間が密接に繋がっている場合もありますが、APIさえあればあとはなんとでもなると言う意味では、まずはAPIを開放してほしいなーという気持ちです。
お金を掛けられない場合はGASなどで実装しつつ、ノーコード・ローコードのiPaaS製品を導入していくのが良いかなと思いますが、あまりGASで作りすぎると引き継ぎする際に同程度のスキルセットを求める必要があったり、せっかく浮いた時間を野良スクリプトなどの管理に当てざるを得なかったりするので、注意が必要ですね。
是非最終的にiPaaSを入れるためのテスト、POCとして実績作りを主として提案していくのがよりよい自動化ライフに近づくかなと思います。
欲しいものその3:SCEP
主に証明書情報を連携したいときに使います。
認証の手段として端末に証明書を配布し、活用することを検討する企業は少なくないと思いますが、その証明書の管理こそ人の手が介在しない仕組みにしたいですねー。棚卸しとか避けたいイベント上位ですよ。
発行から更新、失効までを任せられると大変良きですが、なかなか難しいので失効は別途検討する必要がある場合が多い印象です。
その他
デバイス情報を連携できると「会社の端末か否か」を条件としたアクセス制御ができたりしますし、取引先情報を会計と経費精算間で連携できると二重管理から解放されます。
これらが全て一元化されると、どの部署にどのくらいの人員がいて、それぞれどのくらいのライセンスを使用しているか、PCを割り当てているか、更にその費用がどの程度かかっているのかが可視化されます。
経営層が方針を判断するために必要な情報がまとまってくるので、企業としてのアジリティが向上して自身を取り巻く環境への素早い適応がしやすくなります。
とりあえず景気悪いので各部署n割コストカットしてって言ってる経営層の場合はさっさと転職しましょう。
業務を整理するのは大前提ですが、イレギュラーな判断が不要な作業はなるべく自動化して人が介在しない運用にすることで、いつでも最短で要望に答えられる上にどれだけ従業員が拡大しても耐えられる情シスチームが実現できるわけですね。
例えば申請関係の業務フローで言うと、ライセンス付与時の作業時間はほぼ情シスの作業時間と同義だったりするので、24時間365日で申請を受け付けて、申請されたら自動的に付与され、一定時間後には自動的に剥がれるくらいがフットワーク軽いし棚卸しもほぼなく、ユーザーもいつでも使える安心感で三方よしだなーと思いました。
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