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ポッドキャスト・音声メディア関連の気になったニュースたち #001

ポッドキャストや音声メディアに関するニュースの中から、個人的に気になったものを個人的にまとめていくnoteです。

1. noteとSpotify 音声配信の初心者クリエイター向けにセミナー番組を開始

noteとSpotifyによる、音声配信クリエイター(≒ポッドキャスター)初心者向けのセミナーがスタート。

人気クリエイターが創作の舞台裏を語る番組「わたしとポッドキャスト -創作の原点-」を、note公式YouTubeチャンネルSpotify、Twitterスペースで毎月配信。

また、noteに番組公式アカウントが開設されていて、サークル(コミュニティ機能)で他のクリエイターと交流できるそう。

音声配信クリエイターが、メインの音声配信プラットフォーム以外で「自身の番組や活動などの情報をまとめる場所」を探すとき、noteは選択肢として挙がりやすいと思います。理由はいくつかありますが、noteが以下の音声配信サービスの埋め込みに対応している点が大きいです。

・Spotify
・SoundCloud
・Voicy
・REC.
・omny.fm
・bandcamp
・stand.fm
・audiobook.jp
・himalaya
・popIn Wave

国内のポッドキャスターにとって収益化はまだ課題ですが、noteをうまく使えばその点のフォローになるのも、相性が良いのでは。有料マガジン機能とか、今年の夏にスタート予定のメンバーシップ機能とか。

2. Spotifyがクリエイター・サポート・プログラムに総額1億円を追加投資

https://spotifynewsroom.jp/2022-02-09/creator-support-program-2/

Spotifyが音声コンテンツクリエイターを「発掘」「共有」「育成」の3つの軸で支援する「クリエイター・サポート・プログラム」に、総額1億円の追加投資。提供されるサポートは以下の通り。

・再生回数やフォロワー数をはじめとするSpotify上でのデータに応じて、対象クリエイターの番組に月額3万円から100万円までの制作支援金を提供
・番組の収録を目的とした「Spotify Studios Tokyo」(東京・渋谷)の優先利用権の提供
・ノウハウやナレッジの共有を目的としたオンラインセミナーの実施
・クリエイター同士が集う交流イベントの定期的な開催
・リスナーとのコミュニティ形成を目的としたイベントの運営サポート

サポート対象になるのは、「Japan Podcast Awards」内に設立された「Spotify NEXT クリエイター賞」の受賞者、Spotifyが展開するポッドキャストクリエイター養成プログラム「Sound Up」の受講経験者、そしてAnchorで番組を配信する個人・法人クリエイター

このAnchorクリエイター向けがいわゆる一般枠です。Anchorで番組を配信していて、番組のリスナーかSNSのフォロワーが5000人以上いれば応募できます。

2019年に「オーディオファースト」を掲げて以降、Spotifyのポッドキャストへの注力とその勢いは凄まじいです。自分もSpotifyユーザーなんですが、UIがどんどん変化してアプリ内でポッドキャストの存在感が大きくなった当時のことは印象的でよく覚えてます。

ストリーミングサービスの中では個人的にSpotify推しなので、ポッドキャストのプラットフォーマーとしても引き続き応援したい。

3. PitPaがデジタルガレージ、ANRIより約2億5,000万円の資金調達。Podcast配信ビジネスを強化

ポッドキャストの制作・配信プロダクションPitPa(ピトパ)が資金調達。

制作プロダクションとしては以前から知ってましたが、「視聴データに基づいた音声広告・音声配信事業のコンサルティングも実施していく」点は注目していきたいところ。Spotifyの言葉を借りると「ミドルクラスクリエイター」が、音声配信でそれなりの収益化を望める仕組みづくりは、市場が急成長しているからこそ急がれると思います。

また、デジタルガレージがWeb3、NFTなどの領域に意欲的な企業なのも楽しみです。ポッドキャストがこの辺りの文脈と今後どのように合流していくのか、とても興味深いですね。

4. Spotify、ポッドキャスト分析及び広告計測ツールを提供する企業2社を買収

SpotifyがChartable、Podsightsの2社を買収。2社はポッドキャストの分析・広告測定ツールを提供するアメリカの企業です。

ただ、これについては否定的な声も挙がっている様子。公平性への懸念や、独占的な動きだと見る人々からでしょうか。

アドテク関連には疎いので、どなたかこの辺の解像度が上がる補足をいただけると大変嬉しいです。コメントでもSNSシェアでも、お待ちしています。

5. YouTubeがポッドキャストサービスを立ち上げる計画がリークされる

個人的にいま一番気になっているのがこちら。YouTubeがポッドキャストを始めるかも?とのこと。Google Podcastが本気じゃないのは想像に難くないですが、なるほどYouTube上でのポッドキャスト展開。

YouTubeは短尺動画「Shorts」への注力も、TikTokやInstagram(リール)には遅れを取った印象でした。それでも現在、Shortsは一定の盛り上がりを見せています。ポッドキャストで今から後発プラットフォームが頭角を現すのは難しいですが、それがYouTubeなら話は違ってきます。

YouTubeがポッドキャストをやると聞いてまず期待するのは、やはり音声広告配信面のアップデートですね。提携企業としてChartableなど3社(いずれもポッドキャスト分析に強みを持つ企業)の名が挙がっているそう。

6. Spotify、オーディオサービスが有料会員向けにSpotify上で音声コンテンツを配信できる「Spotify Open Access」を国内で提供開始

独自の会員システムを持つ音声配信サービスが、Spotify上でも自社のコンテンツを配信できて、ユーザーもSpotify上で該当サービスにログインするだけで利用できるようになるとのこと。

第一弾のパートナーである音泉(おんせん)はアニメやゲーム・声優関連の番組を配信するインターネットラジオ配信サイトです。これらのカルチャーと縁遠い方は初耳かもしれませんが、2004年から続いておりインターネットラジオとしては老舗と言っていいと思います。

近年はTVアニメの新クールが始まると、どの作品もインターネットラジオ・ポッドキャストの関連番組を配信することが定番化しています。<音泉>は、それらの番組制作にも多数携わっています。

ただ、<音泉>は最新回が無料で聴けて、過去回やアーカイブを聴くには有料会員登録が必要なビジネスモデル。Spotifyを始めとするポッドキャストや、YouTubeなどで音声コンテンツが無料で聴ける今日においては、会員登録のハードルはやや高い気がします。<音泉>のアーカイブコンテンツがYouTubeにも公式で上がっていて、そっちなら無料で聴けるケースもありますし。

今回のSpotifyと<音泉>の提携にどこまでインパクトがあるかはわかりませんが、audiobook.jp辺りがこの「Spotify Open Access」に参加し始めると面白そうだなとは思います。

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