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Dr. スースと人種差別

BBCはドクター・スースの絵本の一部が絶版となったことを報じた

アメリカの絵本作家、故ドクター・スース(本名セオドア・スース・ガイゼルさん)の権利会社は2日、人種差別描写のある6作品を今後、出版しないと発表した。出版が中止されるのは「マルベリーどおりのふしぎなできごと」、「ぼくがサーカスやったなら」、「おばけたまごのいりたまご」、「McElligot's Pool」 、 「On Beyond Zebra!」、「The Cat's Quizzer」の6冊。

画像検索してみたところ、確かに人種差別的な描写が散見された。

また彼は絵本作家になる前から人種差別的な風刺画を多数えがいている。

だが、興味深いことに彼は政治的にはリベラルに近かった。また、アメリカ第一主義には批判的で、アメリカ第一主義とナチスの類似性を指摘していた。

そしてアメリカにおける人種的偏見を批判してもいた。

1953年に彼は日本を訪れ、現地の人々と触れ合い、原爆による広島の惨状を目撃した。このことは彼の日本人観を変えていったようで、翌年に発表された『ぞうのホートンひとだすけ』では「私の素晴らしい友人、京都のミツグ・ナカムラ氏」に献辞を述べている。

昨今、英語圏では過去に人種差別的な作品を遺しているクリエーターを否定する風潮(キャンセルカルチャー)が巻き起こっているが、そのクリエーターが生涯を通して人種差別的だったのか否かなども考慮すべきだろう。


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